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掲載日:2022年7月25日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(秋山もえ議員)

一軒の農家も廃業させない!降ひょう被害農家への更なる支援を

Q   秋山もえ   議員(共産党

5月の連休中に県内各地でひょうが降り、局地的に甚大な被害をもたらしました。私は、地元の上尾市、伊奈町の梨農家の方からお話を伺いました。上尾市のある梨農家は、壊滅的で収穫は見込めず、これから先真っ暗だ、夜も眠れない、無収入となり税金も払えないなど悲痛な声が寄せられました。伊奈町では、梨出荷組合長が次のように話していました。自分が組合長になった20年前には50軒の梨農家があったが、今は13軒ほどになってしまった。防ひょうネットはあるが、昨年の台風で破れてしまい、張ることができなかった。ネット購入には100万円近くかかる。破れたネットを廃棄するにもお金がかかる。
私は、梨農家の皆さんの声を伺い、今こそ被災農家への思い切った支援が求められていることを痛感いたしました。県は5市1町を特別災害指定しましたが、農薬や肥料購入費の補助だけでは、壊滅的な状況にある農家の現状からは非常に不十分であると言わざるを得ません。
県内の梨農家は、20年前には約2,000戸でしたが、2015年には803戸と激減しており、このままでは県の梨農業は衰退の一途をたどることになります。
我が党は、市場任せではなく、本来国や県が所得補償、価格保証を行い、農家を育成すべきだと考えています。とりわけ梨などはまちおこしの一翼を担い、ふるさと納税の返礼品となるなど、地域振興の役割も担っています。
過去に県は豪雪被害が起きたとき、廃業する農家を一軒も出さない、この姿勢で支援を行いました。今回も県が全力で農家を支え、農業を守っていくべきであると考えます。知事、是非、降ひょう被害に遭った農家の方たちに会いに行っていただきたい。農家を全力で支える決意をお示しください。
6月3日、久喜市議会は全会一致で農家の被害実態に合わせた救援策の実施や防ひょうネット設置に対する助成制度の拡大を求める意見書を可決し、県に提出をしています。
そこで伺います。
第1に、傷ついた梨などの販売支援や、ワインやカレーなどの加工品、これは伊奈町の「乙女の香り」です。知事が命名をした梨のワインです。そして、これはJA南彩が販売している梨を使ったカレーです。こうした加工品、あるいは給食などへの利用促進を連携して行うことについて。
第2に、防ひょうネット購入補助の復活と拡充、破れたネットの廃棄費用への補助について、支援をする考えがあるか御答弁ください。
第3に、2017年、秋田県では降ひょうで傷ついた果実をつみ取る人件費に対する補助を行いましたが、このような被害実態に合わせた様々な補助を行うことについて、農林部長、お答えください。
第4に、被災農家に対する国民健康保険税について、今回被災した5市1町で保険税減免、窓口一部負担金減免を実施すべきです。この点について、保健医療部長、答弁を求めます。

A   上田清司   知事

まず、農家を全力で支える決意についてでございます。
5月4日に降った「ひょう」により、上尾市や久喜市、伊奈町など8市1町で、特産物である「なし」に大きな被害が生じました。
被害に遭われました農家の皆様には心からお見舞いを申し上げます。
降ひょう翌日の5月5日から農林振興センターの普及指導員や市町やJAと連携して現地を回り、被害軽減のための技術指導などを行っております。
5月7日には担当の農林部から「ひょう」で被害を受けた地域や、傷ついた「なし」の状況を、写真などによりつぶさに報告を受けております。
被害の状況を把握した上で、5月17日には被害の大きかった5市1町を対象に、埼玉県農業災害対策特別措置条例に基づき、特別災害に指定をいたしました。
対象市町と連携し「ひょう」により弱った木への肥料や傷口からの病気を防ぐための農薬などいわゆる掛かり増し経費に対し、補助をしていきます。
その後も現地の状況を把握するため、農林振興センターだけではなく、農林部長や担当課長も随時農家に出向き確認を行っているところです。
私は埼玉の「なし」は、全国に誇る特産品と考えておりますし、とりわけ甘く大きいオリジナルの「彩玉」もございます。
いよいよ7月からは販売も始まります。
先頭に立ってしっかり支援し、被害農家が意欲をもって営農を継続できるように努めてまいります。

A   牧   千瑞   農林部長

まず、「傷ついた梨などの販売支援や、ワインやカレーなどの加工品などへの利用促進を連携して行うこと」についてでございます。
農家の売上の面からみて、果実のままで販売することが有効と考えられますので、市町村やJAなどと連携して、直売所におけるキャンペーンなど販売支援を行ってまいります。
また、議員お話しの、被害果実を加工品等へ利用することについても、農家のためになることから、要望に応じて検討してまいります。
次に「防ひょうネット購入補助の復活と拡充、破れたネットの廃棄費用への補助について、支援する考えがあるか」についてでございます。
防ひょうネットの設置は、現在、約6割の面積にとどまっています。
その効果については、従来から啓発してるところですが、生育への影響を懸念して設置してない方もいらっしゃるのが実情です。
そこで、この生育への影響について、今年度、技術実証を行い、その結果をもって改めて普及啓発を行うこととしております。
こうした取組を行いつつ、農家の意向を把握の上、必要な支援について検討してまいります。
また、破損した防ひょうネットなどの農業用資材については、市町村やJAで構成する協議会などが窓口になり、一括して処分されているところです。
その仕組みがさらに活用されるよう、農家に周知を図るとともに、優良な処分業者のあっせんなどをしてまいります。
次に、「被害実態に合わせた様々な補助を行うこと」についてでございます。
県では引き続き、災害に対応した栽培管理の技術指導や情報提供に努めるとともに、埼玉県農業災害対策特別措置条例に基づき肥料や農薬の購入費に対する補助をしっかりと行ってまいります。
なお、国の制度ではありますが、自然災害へのセーフティネットとして収入保険制度などがあります。
こうした制度は、農業経営の安定化に有効ですので、実施主体である埼玉県農業共済組合と連携し、農家に対し制度の周知を図ってまいります。

A   関本建二   保健医療部長

今回被災した5市1町で、国民健康保険税減免、窓口一部負担金減免を実施すべきについてお答えを申し上げます。
国民健康保険制度では、災害その他特別な事情がある者に限り市町村の条例に基づき保険税を減免する制度が設けられております。
また、災害等により収入が著しく減少した被保険者が、医療機関にかかる際に本来支払うべき自己負担金を市町村が負担する、一部負担金の減免制度も設けられております。
これらの制度の適用に当たっては、市町村が個々の被保険者の状況を把握した上で、それぞれの基準に照らし、判断しております。
このたびの降ひょう被害を受けられた農家の方々につきましても、各市町村においてそれぞれの被害状況等をしっかりと把握した上で、適用の可否について判断することとなります。
県といたしましては、5月23日に開催した「国民健康保険主管課長・事務局長会議」において、被災農家の方々からの相談に丁寧に対応するよう、改めて市町村に依頼をいたしました。

再Q   秋山もえ   議員(共産党)

農林部長から、防ひょうネットは有効であるというお話あったんですけれども、実際に農林部長が考えているように、ひょうを防ぐことができる方法というのは、やはりこの防ひょうネットが一番有効であるというふうに思うんです。ほかになかなか有効な方法はないと思うんです。確実にひょうの被害を防ぐためには、今後研究をしていくというお話だったんですけれども、この防ひょうネットの購入の補助の復活、そして補助内容の拡充、これ、私、最低限必要な県の支援ではないかと思うんです。ここに是非言及をしていただきたいと思うんです。研究をしながらも補助の復活、これを図っていくんだよということを是非御答弁いただきたいというふうに思います。

再A   牧   千瑞   農林部長

今年度は、防ひょうネットの技術実証も行ってまいります。
農家の声を聞き、市町村やJAと連携し、必要な対応策をしっかりと検討してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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