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掲載日:2019年7月12日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(水村篤弘議員)

介護職員を守り人材を確保するための介護ハラスメント対策について

Q   水村篤弘   議員(民主フォーラム

この問題につきましては、会派の井上議員も昨年一般質問をされていますが、私も当事者から生のお声をお聞きいたしましたので、その後の状況も踏まえて、問題解決に向けて質問をさせていただきます。
先日、介護職員の労働組合であるUAゼンセン、日本介護クラフトユニオンの方からお話をお伺いする機会がありました。昨年、同組合が実施したアンケートによれば、回答者の74パーセントが「セクハラ又はパワハラを受けた」と回答しています。内容としては、セクハラではサービス提供上、不必要に個人的な接触を図るや、性的冗談を繰り返したり、しつこく言うなどが多く、パワハラでは攻撃的態度で大声を出すや、○○さんはやってくれたなど他者を引き合いに出して強要する、サービス契約上受けていないサービスを要求するなどが多くなっています。
そして、ハラスメントに遭遇した方の73%が誰かに相談をしており、最初に相談をしたのが「上司」と答えた方が46%です。しかし、「相談後の変化はなし」と答えた方が43%、そして相談をしなかった理由として、「相談しても解決しないと思ったから」と答えた方が41%もいます。
こうした調査から介護ハラスメントは非常に多く発生しており、職場で相談をしても解決が難しい実態が明らかです。そして、低賃金ということもあり、介護分野の人手不足が解消されないのが現状です。介護者の人権を守る取組が急務です。
問題の深刻さから、本年4月10日に厚労省から介護現場におけるハラスメント対策マニュアルについての通知が各都道府県などに出されました。これらを踏まえ、4点お尋ねをいたします。
1点目、県としてどのようにこのマニュアルを活用して、介護事業者や市町村と連携して介護ハラスメント対策を行っていくのでしょうか。
2点目、介護ハラスメントの防止には、利用者やその御家族の意識改革も必要と指摘されています。一部の利用者などの中には、介護職の方をお手伝いさん扱いしている人もいます。県としてどのように直接利用者や家族の意識改革に取り組んでいくのでしょうか。
3点目、先ほど述べたように、職場で相談をしてもなかなか解決に結び付かないことから、相談できる第三者機関の設置が必要だと考えます。兵庫県では、県看護協会が県から委託を受けて訪問看護師、訪問介護員が利用者やその家族から受ける暴言、暴力、セクハラ等への対策の一環として、被害を受けた本人等や事業所の管理者が対応に迷ったり、専門の対応等を探しているときに相談することができる電話相談窓口を開設しています。本県でもこのような相談窓口を設置することができないでしょうか。
4点目、介護従事者の現場からは、どうしてもハラスメントをやめない利用者などについては、サービスの提供を断れるようにするなどしてほしいとの意見もあります。県としても、介護従事者の声をしっかりとお聞きをして一歩踏み込んだ対策が必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。

A   知久清志   福祉部長

まず、県として、どのようにこのマニュアルを活用し介護ハラスメント対策を行っていくのか、についてでございます。
議員お話しのとおり、今年の4月に国から「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」が配布されました。
マニュアルでは、まず介護職員の安全を確保した上で、担当職員を変更したり、複数の職員で担当するなど、事業所として組織的な対応を図ることが重要であるとしております。
このマニュアルについて、県では直ちに市町村や事業所に周知し、5月には事業所説明会でマニュアルの活用を指導したところです。
今後も、事業所説明会や市町村説明会において、組織的な対応を図るよう指導してまいります。
次に、県としてどのように利用者や家族の意識改革に取り組んでいくのか、についてでございます。
介護ハラスメントの防止には、利用者と事業所との間で契約書や重要事項説明書などにより、事前にきちんと取り決めをしておくことが大切です。
どのようなことが介護ハラスメントに当たるのか、介護ハラスメントがあった場合の事業所としての対応方法について、事業所がはっきりと伝えることが必要です。
この点について、事業者に対し指導、助言してまいります。
さらに、要介護認定などの機会を捉え、介護ハラスメントを理解していただくための資料を利用者や御家族に配布することなどを検討してまいります。
次に、本県における相談窓口を設置することができないのか、についてでございます。
介護職員の労働条件に係る相談は労働相談センターで対応しております。
議員御提案の相談窓口の設置については労働相談センターや他の都道府県の実績を踏まえて検討させていただきたいと思います。
次に、介護従事者の声をしっかりとお聞きをして一歩踏み込んだ対策が必要だと考えるがどうか、についてでございます。
国の通知によれば、事業所は、利用者に対し適切な介護サービスを提供できない場合には、サービス提供を拒否することができるとされています。
ただし、利用者の心身の状態や家庭環境等によって、サービス提供を拒否することが困難となる場合もあります。
したがって、上司と一緒に訪問するなど、初期の段階から事業所としての組織的な対応がやはり重要となってまいりますので、事業所の責任者や管理者に対し、しっかりと指導してまいります。
県といたしましては、事業者や市町村と連携して、現場で働く介護職員が安心して働ける環境を整備してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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