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掲載日:2021年12月20日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(横川雅也議員)

国指定重要文化財「旧遠山家住宅」のアピール策について

Q   横川雅也   議員(自民

国の文化審議会は、今年5月18日開催の同審議会文化財分科会における審議、議決を得て、川島町に所在する旧遠山家住宅9棟を国の重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申を行いました。そして、後日行われた官報告示を経て、国の重要文化財に指定されました。
遠山記念館は、日興證券創設者の遠山元一の邸宅と美術コレクションを基に、1970年に開館した博物館です。運営主体は、公益財団法人遠山記念館で、歴史的建造物である遠山家の邸宅、庭園と美術コレクションを保存公開し、文化芸術の振興に寄与することを設置目的としています。
この邸宅は、日本各地から名財を集め、当時最高の建築技術を駆使して完成しました。この大工事に携わった職人は延べ3万5,000人、地元地域の協力者を含めると、関係者の数は延べ10万人とも伝えられており、昭和8年より丸2年7か月を費やして、昭和11年4月に建物は竣工しました。
この遠山記念館には、先月11月に文教委員会の視察で議員の皆様も訪問され、最高の建築技術が駆使された邸宅や記念館内に展示されている美術史上、極めて価値の高い様々な調度品や工芸品に圧倒されたとの感想も頂きました。私も遠山記念館を訪れ、財団や地元ボランティアの方に御案内をいただき、邸宅の隅々まで名財をふんだんに取り入れた建築技術や、日本はもとより世界各国から集められたコレクションの数々に感銘を受けました。
旧遠山家住宅の建物など9棟と土地の指定により県内の国指定重要文化財はこれで77件、そのうち建造物は25件となりますが、近代和風建築の重要文化財指定は県内初となります。こうした文化財や貴重な調度品の数々は、日本人のみならず、昨今増え続ける外国人観光客に対する観光誘導策の一つでもあり、また、文化的な資料として教育的な観点からも活用いただくにふさわしいと考えます。
上田知事も訪問されたようで、5月24日の知事ブログで次のように紹介されています。「元一の孫で、遠山記念館の遠山公一理事長は、慶応義塾大学教授で文化芸術に対する造詣がとても深く、また埼玉県文化振興基金に寄附をいただくなど、本県とは大変ゆかりの深い方です。意外な経済人が埼玉県川島町出身ということが、この重要文化財の指定を機にアピールできるのかと期待をしています」と投稿されています。
そこで、御質問いたします。近代和風建築の重要文化財指定では県内初となる旧遠山家住宅をアピールいただき、県内はもとより広く国内外からも関心を寄せられる場所として積極的な支援を継続的に行っていただきたいと考えます。観光的な観点からは産業労働部長に、教育的な観点からは教育長に御見解をお尋ねいたします。

A   渡辺   充   産業労働部長

「旧遠山家住宅」は、趣向を凝らしたデザインや優れた建築技術が特徴の近代和風建築で、田園風景が広がる周辺環境とあいまって訪れる人を魅了しています。
議員お話のとおり、国の重要文化財に指定されたことを契機に、観光資源としての魅力をより多くの方に知っていただく絶好の機会となります。
折しもこの春、敷地内の美術館をリニューアルしたところでもあり、こうしたチャンスを積極的に生かしてまいります。
まず、県公式観光サイトやSNS、年2回計10万部発行している観光情報誌「ちょこたび埼玉」などを活用しその魅力を広くPRします。
また、都内の旅行会社などを対象とした旅行商品の商談会や、マスコミに向けて観光情報を定例的に提供する記者連絡会を通じて情報発信してまいります。
さらに、実際に足を運んでいただくための工夫も必要です。
本県を代表する観光地の一つである川越に近いことから、例えば喜多院など文化財が多い川越とセットにした旅行商品の造成を、旅行会社に対して働き掛けてまいります。
一方、地元の川島町では、観光マップや町のPR動画で「旧遠山家住宅」を紹介しているほか、邸宅内を見学し楽しみながら文化財に親しむ講座を実施したと伺っております。
こうした動きも踏まえ、川島町と一緒になって、一人でも多くの方に訪れていただけるよう観光資源としての有効活用について検討します。
「旧遠山家住宅」の国の重要文化財指定という追い風を生かし、その魅力を引き出しながら継続的にアピールするとともに、本県の観光振興にもつながるよう努めてまいります。

A   小松弥生   教育長

旧遠山家住宅につきましては、議員お話しのとおり、昭和初期の匠の技術を駆使し、田舎風の豪農造り、都会風の書院造り、京風の数寄屋造りと意匠が異なる建物が連立した素晴らしい近代和風建築でございます。
今日まで、極めて良好な状態で保存管理・公開し、文化財としての調査にも取り組んでこられた公益財団法人遠山記念館に敬意を表する次第でございます。
このような貴重な文化財は本県の宝としてアピールし、保存・活用していくことが重要でございます。
そのためには、旧遠山家住宅の価値が正しく理解されるとともに、将来、文化財の活用を担っていく子供たちにも関心を持ってもらうことが大切です。
川島町においては、小学校の副読本『わたしたちのかわじま』を平成31年度に改訂し、旧遠山家住宅に関する記述を、より詳しくすると聞いております。
県といたしましても、小・中学校の副読本で取り上げられるような県内の文化財を題材とした分かりやすい冊子の作成を行い、県内各地域における文化財についての理解促進を図ってまいります。
さらに、多くの子供たちが郷土の文化財に関心を持てるように、学校教育関係者が集まる会議など様々な機会を捉えて、旧遠山家住宅をはじめ、県内の文化財の内容や価値について情報を提供してまいります。
また、平成28年度には県立近代美術館と遠山記念館が共催し、2館同時に同一の現代美術をテーマとした企画展を行いました。
これからも、こうした県事業とのコラボレーションを検討してまいります。
今後も、所有者である遠山記念館や川島町の意向を踏まえ、文化財を守り、活用していく活動を、積極的に支援するとともに、子供たちが郷土の文化財に関心を持てるよう取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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