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掲載日:2021年12月22日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(井上将勝議員)

不妊治療と仕事の両立のために県ができることは

Q   井上将勝   議員(立憲・国民・無所属

今や多くの夫婦にとって無関係な話ではない不妊治療。実際に検査や治療を受けたことがある、又は現在受けている夫婦は全体で18.2%と、およそ5組に1組が何らかの治療を受けていて、この割合は年々増加しています。
子供がなかなか授からない人に希望の光を与える不妊治療ですが、治療を受ける人が増えると同時に、治療と仕事の両立に悩む女性も増えております。不妊で悩む人をサポートするNPO法人「Fine」が実施した「仕事と不妊治療の両立に関するアンケート」によれば、約4割の女性が働き方を変え、約2割の人、5人に1人が仕事と治療を両立できずに退職に追い込まれているという厳しい結果が出て、「仕事と治療の両立が難しい」と感じた人はほぼ全員でした。
その理由に、不妊治療はあらかじめ通院のスケジュールを立てることが難しい点があります。不妊治療は女性の生理周期に合わせて行われ、直前まで通院日が分からないことも多く、前日になって突然明日来てくださいと言われることが頻繁にあります。体外受精の場合には排卵誘発剤の注射を連日投与したり、卵子の育ち具合を超音波で確認するため、更に治療ペースは変動します。こうした通院スケジュールが仕事との両立を困難にしています。
それに加え、不妊治療に対する職場の理解もなかなか得られていないことも離職の原因です。「昨日も病院行ったのに今日も行くの。もう少し長期的に計画立てられないの」と言われたり、中には「不妊治療か仕事かどちらか選べ」「今さら不妊治療してどうするの」などの無理解という言葉を超えた心ない言葉を掛けられ、精神的に追い込まれ仕事を辞めるケースがあります。子供を授かりたいというただそれだけの当然の願いを、通院スケジュールの見通しの難しさや職場の無理解で砕かれていいはずはありません。
そのような中、東京都では今年度から不妊治療と仕事の両立に向けた職場づくりに取り組む企業を支援するため、企業経営者や人事労務担当者向けに不妊治療に関する基礎的な知識や休業や再雇用制度、フレックス制度、時間単位の有給制度など両立に必要な人事労務上のポイントを学ぶ研修会を開いています。さらには不妊治療をサポートする企業に助成金を交付する事業も開始しました。県もこうした研修や当事者を支援する企業を助成金などで支援する仕組みを構築すべきと考えます。
不妊治療をしている多くの方は30代前半から40代前半、部下がいたり、チームの中心的役割を担っている、いわば働き盛りの年代です。そうした方が働きたいと願いながらも不妊治療のためにキャリアを諦めるような事態を招くことは、企業の、ひいては日本社会の大きな損失となります。
人手不足と女性の社会進出が叫ばれるこの社会において、優秀な女性が不妊治療のために離職することを食い止めるために、県は積極的に企業に対して啓発、そして支援を行うべきと考えますが、産業労働部長の御所見をお伺いいたします。

A   渡辺   充   産業労働部長

平成29年度に厚生労働省が実施した調査によりますと、仕事をしながら不妊治療を続ける方のうち、約16%の方が仕事を辞めております。
治療と仕事の両立に悩み、仕事を辞める方が多いということは、企業にとっても有能な人材を失うことになり、大きな損失です。
現在、不妊治療については、育児や介護などのように企業への法律上の義務付けがないために、何よりも企業に対して啓発や丁寧な支援が必要だと考えています。
そこで、まず啓発についてです。
県では本年度新たに不妊治療も含めた子育てや介護と仕事の両立についてのガイドブックを作成し、ホームページに掲載いたしました。
この両立支援のためのガイドブックでは、不妊治療と仕事の両立にも触れ、企業が実践している支援事例などを紹介しています。
具体的には、時間単位の有給休暇制度や時差出勤、フレックスタイムなどの支援について取り上げております。
今後、ホームページの内容を冊子として企業や従業員などに配布してまいります。
また、企業への支援についてです。
本年4月、雇用労働課内に「仕事と生活の両立支援相談窓口」を設置しました。
この窓口では、不妊治療と仕事の両立に関する相談にも対応しており、専門の相談員が、電話やホームページなどにより、従業員だけではなく企業からの相談も受け付けているところです。
さらに、企業の求めに応じたアドバイザー派遣による助言のほか、企業に出向いての講座や研修会などを行います。
今後は、相談窓口のPRに一層努めるとともに、企業向けセミナーや研修を開催するほか、不妊治療と仕事の両立支援の好事例を広く発信し、企業の理解を深め、治療される方と企業を両面から支援してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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