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掲載日:2021年12月22日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(井上将勝議員)

外国人労働者の労働環境について

Q   井上将勝   議員(立憲・国民・無所属

先日、外国人労働者受入れを拡大する改正入管法が成立しました。しかしながら、外国人労働者の労働環境の整備の議論が全くなされておりません。私は先日、埼玉弁護士会で県内の外国人の案件を扱う弁護士さんに話を伺ってまいりました。やはり県内においても、昨今報道されているような技能実習生の賃金の未払い、超低賃金労働や長時間労働の実態が多数あるそうです。ほかにも機械を扱う際の安全基準説明義務を守らず、ろくに説明しなかったことでけがを負ったり、中には有給休暇を求めたり、妊娠しただけで強制帰国をさせられた事例も存在しました。単なる労働力としか外国人を見ず、短期でどうせ帰るから使い倒してやれとの考えの下、通常認められている労働者の権利どころか、人間としての最低限の扱いもされていない事例がこの埼玉県でも確かに存在しています。
母国の将来を担うべく高い志を持って日本に技能を学びに来た方が劣悪な労働環境で働かされ、結果、日本を嫌いになって帰国するような事態は決して受け入れられません。その思いで以下質問いたします。
1、国でも把握できていない中で、県はこうした外国人労働者の労働実態を今後どう把握していくのか。
2、労基署が監督指導した事業所のうち、外国人労働者自ら通告した事例は全体の僅か1.5%で、実習生自身による救済申立てルートが機能しておりません。外国人労働者の労働環境についての相談窓口の充実を県としてどう考えているのか。
3、技能実習生に母国語でのワークルール教育を徹底し、劣悪な環境下に置かれないようにする取組をすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
埼玉県は、外国人労働者雇用事業所数、労働者数ともに全国5位と外国人労働者が多い県です。今後、外国人労働者が更に増えるであろう本県において、外国人労働者の労働環境改善は急務であると考えますので、以上3点について、産業労働部長の御所見をお伺いいたします。

A   渡辺   充   産業労働部長

まず、外国人労働者の労働実態を今後どう把握していくのかについてでございます。
外国人労働者を雇用した場合には、国の公共職業安定所いわゆるハローワークへの届出義務があり、その後、ハローワークの職員が随時事業所を訪問し、就労の実態を確認しております。
また、県庁第二庁舎に設置している労働相談センターに、外国人労働者から賃金未払いなどの相談が寄せられることもあります。
このような相談については、丁寧にお話を伺い、その上で労働基準監督署に情報提供し、事業所への指導を求めております。
このような役割分担があり、県では外国人労働者の労働環境について細かく把握しておりません。
今後は、ハローワークと連携し、今まで以上に情報収集に努めるとともに、県内事業所を対象とした県就労実態調査の中で、外国人労働者の労働実態に関する調査を検討してまいります。
次に、外国人労働者の相談窓口の充実についてでございます。
北浦和にある県の外国人総合相談センター埼玉では、日本語のほか、英語や中国語、タイ語、ベトナム語など8カ国の言語で相談に応じております。
このセンターでは、電話でのほか、毎月1回、通訳とともに社会保険労務士が対面で労働に関する相談を受け付けています。
また、県の労働相談センターにおいては、外国語の対応は行っておりません。
このため、外国人労働者が、言葉を心配せず安心して相談できるよう外国人総合相談センター埼玉と連携した新たな仕組みについて検討し、窓口の充実に努めてまいります。
最後に、技能実習生への母国語でのワークルール教育の徹底についてでございます。
技能実習生には、入国時に「技能実習生手帳」が入国審査官から配付されます。
この手帳には、日本語と母国語で生活一般の心構えや労働関係法令などが明記されています。
また、入国後、労働トラブルの対応方法などについて、合計8時間の講習を受けることが国により義務付けられております。
技能実習生は、この手帳や講習により、日本で働き、生活する上での基本的なルールを学んでいます。
一旦就労すると、労働環境をはじめ、予想しえない問題が発生する場合もあり、新たな対応が求められるところです。
とりわけ外国人労働者に望まれる労働環境を実現するためには、事業者と労働者双方のアプローチが必要です。
このため、県では外国人技能実習制度の支援機関で都内にある公益財団法人国際研修協力機構と連携し、技能実習生の受入れを検討している事業所などを対象とした研修会を実施します。
この研修の中で実習生に適切なワークルール教育を行うことをはじめ、「技能実習手帳」を実習生に繰り返し確認させることなどを強く働き掛けてまいります。
外国人労働者にとって働きやすい職場は、全ての労働者にとっても働きやすい職場であると考えます。
事業者に対しては、労働セミナーをはじめとするあらゆる機会を通じて、法令の遵守や労働環境の改善について働き掛け、外国人労働者にとっても働きやすい埼玉県を目指してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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