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掲載日:2023年5月2日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(井上航議員)

教職員の勤務管理について

Q   井上航議員(県民)

私は、人材派遣会社に勤めているとき介護職員の担当だったため、対応するスタッフは土日も関係なく、早番、遅番、夜勤もあるため、私も日夜働き続けました。気がついたら、毎月の残業は100時間を超えていました。また、残業代については、いわゆるみなし残業制度だったため、給与には反映されませんでした。同期には、体を壊し、社を辞める者もいました。私も残業時間の把握を始めて以降、自身の働き方を少し改めるようにしました。
さて、教職員には、子供たちが急激に変化する社会で生き抜く力を身に付けられるために、例えば道徳の教科化や英語の必修化、IoTの導入など、学校教育の改善充実が常に求められています。また、学習指導のみならず部活動への対応や、いじめや発達支援など、学校が抱える課題も複雑化、困難化しています。無論、教職員には、これらに柔軟に対応することが求められ、その成果、価値は、費やした時間で計られるものではありません。しかし、それでも教員の勤務時間が長時間化している状況を改善することは、子供たちの教育という理念に決して矛盾しません。
2月定例会では、勤務管理システムの導入に、管理職の業務負担が増えると指摘する声もありましたが、本当に導入によって増えるのでしょうか。民間企業では、部下の勤務管理は会社、上司の責務です。文部科学省が行った平成28年度教育勤務実態調査によると、教員の1週間当たりの学内総勤務時間を見ると、10年前の平成18年度と比べて、小学校で校長がプラス2時間40分に対して、一般教諭はプラス4時間9分、中学校でも校長がプラス2時間34分に対して、教諭はプラス5時間12分と、一般教諭のほうが長時間化している傾向とのことです。この結果を見ても、管理職の業務負担を勘案してなお、正確な勤務実態把握を行った上での教員の働き方改革が欠かせないと考えます。
また、ここに平成28年度勤務状況調査結果という資料がありますが、ここの調査方法のところには、こうあります。「紙ベースで各教員が記入 管理職に提出 各学校で表計算ソフトに入力・集計し、教育委員会に提出」、直属の上司だけではなく、県教育委員会も正確な状況把握に人海戦術で臨んでいることがよく分かります。システムが導入できれば、県全体の集計の際の負担軽減にもつながります。
6月15日の朝日新聞では、2月定例会での審議を経て県立学校での実態把握が進まない状況に、働き方改革、勤務軽減に逆行しているとの現場の声が紹介されていましたが、これはごく自然な発言だと思います。
以上を踏まえ、現状どのように勤務時間の把握を行っているのか、また、他県における勤務管理システムの導入状況はどうなっているのかも含めて、教職員の勤務管理について教育長の御所見を伺います。

A   小松弥生   教育長

学校を取り巻く環境は、新学習指導要領への対応、いじめ・不登校などの生徒指導上の課題への対応など、ますます複雑化・困難化しております。
平成28年度に実施した本県の県立学校における勤務状況調査では、全日制高校において、勤務時間を除く1か月の在校時間が45時間を超える教職員の割合は54.2%、過労死ラインである80時間超は10.8%でございました。
県立学校では教員が生徒と向き合う時間を確保し、学校教育の質の向上を図るとともに教職員の健康を維持するため、長時間勤務の解消が課題となっております。
このような中、平成29年1月に厚生労働省のガイドラインにおいて、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置」が示されました。
また、このガイドラインに基づく、平成30年2月の文部科学省通知では「勤務時間管理に当たっては、自己申告方式ではなく、タイムカードなどにより勤務時間を客観的に把握し、集計するシステムを直ちに構築するよう努めること」などが示されました。
現在、県立学校では各教職員に対し、紙などによる出退勤時刻の記録簿の提出を求めており、手集計を行うことなどが負担となっております。 
今回、県で導入を検討している勤務管理システムは、各県立学校と教育局をネットワークで繋ぎ、一括して集計・分析できることから各学校の管理職や教職員の負担軽減にも繋がるものと考えております。
今月、他県への聞き取り調査を実施したところ、ICカードなどによる勤務管理システムを導入しているのは11都府県、今後導入を予定しているのは9県でございました。
ICカードによる勤務管理システムを導入することにより、教職員一人ひとりの意識改革を図ることができ、さらに管理職が教職員間の業務の平準化も含め業務改善を行う基礎的資料として活用することができます。
これらのことから、ICカードによる勤務管理システムの導入は、教職員が健康で活力をもって教育活動に従事できる環境整備に資するものと考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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