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掲載日:2023年5月10日

平成30年2月定例会 「予算特別委員長報告」

委員長   小島   信昭

予算特別委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案20件であります。
初めに、執行部から予算の全体説明を3月9日に受けた後、部局別質疑を3月16日まで6日間、集中的に審査を行いました。
以下、論議のありました主なものについて申し上げます。
まず、「予算の執行管理は具体的にはどのように行うのか」との質疑に対し、「各部局が四半期ごとに事業別の執行見積書を作成し、財政課に提出することとなっている。公共事業などでは、年度末になると繰越しとなる可能性が生じるため、可能な限り前倒しし、効果が早く出るようにしている。また、計画的に事業を行うことで、年度を通じてバランスの良い執行となるよう心掛けている。バランスの良い執行によって、県全体の景気に良い影響があると考えている」との答弁がありました。
次に、「水素社会の実現とは、どのような社会を目指すのか。水素がエネルギーの中心になり得るのか」との質疑に対し、「電気、熱、化石燃料に加えて水素が一定の役割を担う社会と考えている。資源の少ない我が国にとって、エネルギーの多角化という面からも非常に有効だと考えている」との答弁がありました。
次に、「『働くシニア応援プロジェクト』の推進のために、新たに、サラリーマン層への集中的な働き掛けを実施するとのことだが、狙いは何か」との質疑に対し、「県の推計では、本県の働く人の93.1%がサラリーマンで、その割合は全国第2位である。このサラリーマン層の厚さに着目して、シニアライフを有意義に過ごしてもらうための働き掛けを行うこととした」との答弁がありました。
次に、「本県の農作物の品質を確保していく上で、安定的な種子の生産供給は大変重要であるが、これを県はどのように考えているのか」との質疑に対し、「安定的な種子の供給は、県内の生産者が安心して稲、麦、大豆の生産に取り組めることにつながると考えている。引き続き、種子の安定的な生産と供給に努める」との答弁がありました。
次に、「学校における働き方改革の推進として、教職員の出退勤時刻を管理するとのことだが、将来的には時間外勤務手当など給与体系に反映させるのか。また、教員は労働者ではなく教育者でなければならないが、その価値は時間で測れないのではないか」との質疑に対し、「勤務時間の管理は、教員自らが働いた時間を把握するとともに、管理職が各教員の労働時間を把握することで、特定の教員に業務が集中しないよう、学校全体のマネジメントのために導入するものである。また、法令に基づき、教職調整額として4%が支給され、時間外勤務手当は払われない制度になっている。教員としての職責の重さに鑑み、給与が高く設定されているものと理解している」との答弁がありました。
次に、「自主防災組織は、メンバーの固定化や高齢化などにより、深刻な状態になっている。消防や警察のOBを活用した『防災人材バンク』の仕組みを構築し、組織の活性化を図る必要があると考えるがどうか」との質疑に対し、「経験や知識を有する方々に地域防災の安心・安全を守る一端を担っていただくことは非常に心強いものだと考えている。例えば川島町では、消防や警察のOBなど専門家を対象とした人材バンクを設置している。御提案の『防災人材バンク』については、OBの方の活動範囲は地元市町村ということになるので、市町村を交えた会議などで検討していきたい」との答弁がありました。
このほか、主な質疑事項として、税収確保を図るための未届法人調査における地図データの活用、県が国際交流事業を実施する必要性、埼玉県虐待禁止条例に基づく事業の予算化の状況、医師不足の解消、県立病院の効率的な経営、ラグビーワールドカップの開催に向けた県営熊谷ラグビー場周辺道路の整備、埼玉スタジアム2002

 

へのカフェテリア設置の狙い、下水道施設の更新、運転免許更新時における認知機能検査受入枠の拡大などについて質疑がありました。次に、総括質疑を3月20日に行い、更に慎重な審査を重ねました。
以下、論議のありました主なものについて申し上げます。
まず、「デフレ経済下では、積極的な投資を行っていくべきとの指摘をしてきたにもかかわらず、今回の予算においてそれが感じられないが、いかがか」との質疑に対し、「県のGDPは21兆円であるのに対し、県の投資額は1,600億円である。そのため、民間経済の活性化を誘引する方が、より効果的であると考える」との答弁がありました。
次に「西部地区未来産業集積拠点整備については、農業大学校跡地の活用を推進し、埼玉県の未来の発展とスマート社会の実現に向けた先行投資をしてほしいと思っている。強い思いがなければ推進できないが、知事の思いを伺う」との質疑に対し、「農業大学校跡地には、投資効果の高い、未来につながる先端産業を誘致するのが望ましいと考えている。自民党の懇話会が熱心に研究された御提案は大変有り難く、しっかりやらなければいけないという思いを持っている」との答弁がありました。
また、「障害者の雇用拡大のため、就労先の一つとして農業に重点を置くべきだと考える。障害者が就農することについて、知事の見解を伺う」との質疑に対し、「本県は障害者雇用率が全国で最下位クラスの時代もあったが、一つ一つの課題に丁寧に対応し、上位にランクされるようになってきた。就農に限らず、一人ひとりが可能性を最大限発揮できることが幸福につながるため、障害者の雇用には多方面にわたる仕掛けを用意したい」との答弁がありました。
このほか、主な質疑項目として、学校における働き方改革の推進、里親委託・養子縁組の推進、投資的経費の財源確保、教育相談窓口の充実、ウエルカムベイビープロジェクト、東京2020オリンピック・パラリンピックの気運醸成、警察本部庁舎の在り方、非正規雇用者の正規雇用への転換などについて質疑がありました。
次に、討論及び採決を3月22日に行いました。討論では、第1号議案に反対の立場から、「八ッ場ダムや思川開発などの大型ダム事業は治水・利水上の必要性がないことから反対する。また、個人住民税重点市集中支援は、無理な滞納処分が広がりかねないことから反対する」との討論がありました。そのほか、第7号議案及び第18号議案についても反対の立場から討論がありました。
一方、第1号議案に賛成の立場から、「急速な高齢化や生産年齢人口の減少を、むしろ成長の好機と捉え、成長産業の育成や生涯現役を促す『健康長寿埼玉プロジェクト』の更なる強化など積極的な姿勢を評価し、賛成する」。また、「スマート社会の実現、安心して子供を産み育てられる環境の整備、オリンピックなどを契機とした地域の活性化とにぎわい創出など、未来への投資や新たな課題に対応した予算であることから賛成する」。また、「保育所の待機児童対策として7,500人分の保育サービス受入枠の拡充や保育士の確保対策を推進することなどが盛り込まれていることから賛成する」。また、「今回の予算が、県民の幸せを一つでも多く作り出し、活力ある一年となることを期待して賛成する」との討論がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、採決いたしましたところ、まず、第1号議案、第7号議案及び第18号議案については多数をもって、第2号議案ないし第6号議案、第8号議案ないし第17号議案、第19号議案及び第20号議案については総員をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、第1号議案に対し、附帯決議として、「第一に、知事特別秘書の給与については、管理職手当分と勤勉手当分を含めて、知事の定める額として支給しており、地方自治法第204条第3項に定める給与条例主義に抵触する。条例に則った支給方法を精査するとともに、これまでの支給額についても精査の上、違法な支出については遡及できる範囲で返還請求を行うこと。第二に、政策経費については、五か年計画の趣旨に則り、多額の減額補正を行っている等の事業については、PDCAサイクルをしっかりと回し、予算の適切な管理・執行に努めること。また、県債については、残高のみに着目するのではなく、県の資産も考慮した上で、将来を見据えた長期的な視点で適切に活用し、県経済の持続可能な発展につなげること。
第三に、県が行う各種イベント関連予算の執行に当たっては、開催日や目的、内容等を精査し、事業効果を見極めた上で実施すること。第四に、水素社会の実現に向けた取組については、現在の技術水準では、水素を活用するのは、エネルギー効率が非常に悪いことから将来のエネルギー主体となることに懸念がある。また、水素を製造する過程や運搬等に多くのエネルギーが必要となり、優位性も高いとは言えない状況である。事業実施に当たり、まずは水素活用の必要性から調査・検討し、議会に報告すること。第五に、「特別養護老人ホーム等整備事業費」については、特別委員会の決議の趣旨を踏まえ、平成30年度以降に整備を行う計画事務については、議会での報告・確認が取れるまで予算の執行を停止すること。第六に、多子世帯応援クーポン事業について、成果が全く上がっていない。費用対効果に疑問を感じる状況であるため、政策目的、効果を再検証し議会に報告の上、事業を実施すること。第七に、県立総合リハビリテーションセンターについては、監査報告のとおり運営上の課題が明白であることから、まずは病院局へ事務を移管するなど、経営の健全化を図ること。また、県立4病院も含め、多額の県税を投入しているという意識が乏しい状況が伺えることから、独立行政法人化も視野に入れ、病院部門の経営健全化を含めて抜本的な見直しを行うこと。第八に、救急電話相談については、課題が特定されている状況にもかかわらず、対応策がとられていない。チャット形式の手法を導入するとともに、相談員を増員することや転送システムの多様化を図る等、早急に課題の解決を図ること。第九に、西部地区未来産業集積拠点整備については、専担組織を整備した上で事業を実施すること。また、事業の全体計画を早急に整えるとともに、リーディング事業となる農大跡地活用に関する公募に当たっては、策定された全体計画に則った未来産業の集積拠点に相応しい事業者の選定を行うこと。第十に、学校における働き方改革の推進について、勤務管理システムを導入することは、管理職及び教員の業務負担が増加し、働き方改革に逆行することが懸念される。また、給特法の趣旨に反することから改善策が明らかとなるまで、予算の執行を停止すること。以上、10項目に特化した附帯決議とするが、予算特別委員会において議論された内容において、議会側から政策提言されたものについては、真摯に検討し対応を図ること」との提案があり、質疑並びに附帯決議に反対の立場から討論があり、採決いたしましたところ、多数をもって附帯決議を付すことに決した次第であります。
以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。 

 

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