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ページ番号:126108

掲載日:2023年5月10日

平成30年2月定例会 「文教委員長報告」

委員長   伊藤   雅俊

文教委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案4件であります。
以下、これらの議案に関して行われた主な論議について申し上げます。
まず、第36号議案について、「特別支援学校の児童生徒数が増加しているが、その要因をどう分析しているのか。また、障害のある児童生徒も含めて同じ学校で教育を受けるインクルーシブ教育と特別支援学校のどちらを推進していく方向なのか」との質疑に対し、「増加の要因については、文部科学省などからはっきりと示されていないが、理解が深まって偏見がなくなったことや、子供の実態に応じて適切な支援を受けられることから、保護者が特別支援学校を選択するケースが増えていることが考えられる。加えて、特別支援学校高等部の丁寧な就労支援や就労実績への期待も増加の背景にあると思う。また、インクルーシブ教育の理念は、障害のある子供とない子供が共に学ぶことを推進するとともに、障害のある子供一人一人の教育的ニーズに対応できる多様な学びの場の充実を図ることであると考えている。特別支援学校をはじめ通級による指導、特別支援学級といった多様な学びの場の充実を図り、障害のある子供たちの力を伸ばす教育に取り組んでいく」との答弁がありました。
次に、第69号議案について、「基金を高等学校等奨学金事業の経費に充当することができるようにするため、条例を改正するとのことだが、なぜ、今改正が必要となるのか。また、基金がなくなった場合は一般財源を投入するのか」との質疑に対し、「過去に貸し付けていた奨学金の償還が近年始まった。これにより、損失補償が発生してきたこと、金融機関へ基金を預託し手数料を引下げていたが、超低金利により以前ほどその効果が得られなくなったことから改正が必要となった。また、国の想定を踏まえて、埼玉県が損失補償の発生率を約4パーセントと見込むと、基金を取り崩しても四十数年は基金がなくならない計算になる。もし、なくなった場合は一般財源で措置することになると考える」との答弁がありました。
このほか、第52号議案についても活発な議論がなされ、第60号議案については、執行部からの詳細な説明をもって了承した次第であります。
続いて、討論に入りましたところ、第52号議案に反対の立場から「教職員の退職手当が14億円減額となるため反対である」との討論がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、本委員会に付託されました議案4件について採決いたしましたところ、第52号議案については多数をもって、第36号議案、第60号議案及び第69号議案については総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、所管事務の調査として、「拉致問題の啓発について」及び「今夏に行われる教科書採択について」質問が行われました。
以下、論議のありました主なものについて申し上げます。
まず、「DVDを活用した日本人拉致問題啓発のための人権教育について、公立学校での実施率を100パーセントにすべきではないか」との質問に対し、「県では、拉致問題を人権教育の重要なテーマとして掲げている。DVDに限らず、何らかの資料を活用して、100パーセントどの学校においても拉致問題を取り上げるよう指導していく」との答弁がありました。
また、「昨年度、教育局が各県立学校に配布した『横田滋、早紀江さんからのメッセージ』DVDの活用率が低いが、活用率を上げるために、各市町村教育委員会への指導や助言はしないのか」との質問に対し、「御指摘のDVDは、昨年度配布したばかりであり、県として活用方法についての参考資料を作成していなかった。今後は、具体的な教育活動の場での活用方法を例示した資料を作成し、活用を促していく。また、活用状況の確認も行う」との答弁がありました。
また、「教科書採択前に教員が教科書を閲覧し、対価を受け取っていた問題があったが、謝礼を贈った業者や受け取った教員に対し処分は行ったのか。また、こうした問題が二度と発生しないように、どのように改善したのか」との質問に対し、「昨年度までに、111名の教職員に対し、県教育委員会が直接指導した上で処分を行った。改善点としては、県教育委員会として教科書採択に関するガイドラインを作成し、一切の金品供応を受けない、受け取らないことや、採択に関する会議の議事録の公開・公表を明記した。また、ガイドラインでは、不公正な行為や公正取引委員会からの警告も勘案して教科書を採択することを明記しており、各市町村には、謝礼を贈ったり、警告を受けた業者の一覧を配布して、判断の材料にしてもらっている」との答弁がありました。
さらに、「『自国や郷土に誇りを持つ』という本県の教育方針にそぐわない記述がある日本史教科書が採択される心配はないのか。また、教科書の内容にかかわらず、教員が自虐史観を植え付けるような授業を行うことはないのか」との質問に対し、「教科書は、各学校においては、校内の教科書選定委員会などで多くの教員が実際に確認しながら議論し、最終的に校長が選定している。校長には、校長会等で県の教育方針をしっかりと指導し、適切な教科書が選定されるようにしている。教育委員会としても、生徒の実態や教科書選定事務の現状を校長から聴取するために教育委員が高校を訪問するなど、十分時間をかけて協議、審議を行い教科書採択の手続を進めている。授業については、管理職による授業観察を行い、適切な授業かどうかを評価して教員にフィードバックしている」との答弁がありました。
なお、このほか、当面する行政課題として、「魅力ある県立高校づくりに向けた取組について」及び「高校生の自動二輪車等の交通安全に関する検討について」の報告があり、種々活発な論議がなされましたことを申し添えまして、本委員会の報告を終わります。

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