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掲載日:2023年9月20日

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(松坂喜浩議員)

東松山市内で発生した少年暴行死事件を教訓とした非行防止対策について

Q   松坂喜浩議員(改革

昨年8月に発生した少年暴行死事件から1年が過ぎ、主犯格の少年に不定期刑が求刑され、後悔先に立たず、その言葉どおりに、先日も県内で高校生による殺傷事件が発生してしまいました。どんな理由があるにしても悔いが残る事件であります。
法務省が発表している犯罪白書から分かるように、悪質な少年犯罪は決してなくなっているわけでもないし、埼玉県でも依然として少年犯罪は発生しています。昨年の事件を踏まえ、県と東松山市、川越市の各教育委員会合同により、第三者を交え、合同検証委員会による最終報告がまとめられました。
また、東松山市教育委員会は独自で検証委員会を設置し、事実の確認と検証を行い、この事件から学ぶ教訓を今後の再発防止策として「東松山モデル『つなぐ』」を策定し、問題意識を十分に持ち、広く社会に投げ掛けていくことになったものであります。まずは、生徒指導専門職員を今年度新たに配置し、近隣の中学、高校や警察などの関係機関に直接足を運んで情報の共有や助言を行ったり、SOSカードを作成したり、生徒が相談したいことなどをメールや電話で直接教育委員会職員と相談できる体制を整備いたしました。
実際、検証委員会の結果から行動指針が示されたことは大切なことではありますが、非行の原因となる部分の問題意識への対策がどうなのか、考えさせられる部分もあります。問題は、どうやって周りの大人たちが非行の可能性を取り除くかであります。そのためには、少年と正面から向かい合う必要があり、少年たちを特別扱いして避けてはいけないものであります。非行を犯した少年は、加害者であると同時に一種の被害者でもあり、親はもちろんのこと、社会全体が非行に走らせないように支援することが求められております。
まず、非行の要因の一つには家庭があり、核家族化による家庭内の人間関係が変化してきたことも考えられます。親の離婚であったり親子の会話不足、ひとり親家庭での経済的理由、育児放棄、児童虐待、過干渉、しつけの低下、親がどう関わっているのか分からないなど、特に子供の貧困も大きく影響し、その対策を講じなくてはなりません。
そして、もう一つの要因が、家庭の事情から教育格差につながってしまうことです。学校では、生徒指導体制の見直し、不登校対策、児童生徒への学習支援、いじめの早期発見と命の教育を推進していますが、非行に走る少年を特別扱いしてしまう傾向が見られます。非行の芽を摘むためには、幼少期から支援体制、別の質問でも取り上げている里親制度、特別養子縁組制度を充実させることも重要です。
以下、教育長にお伺いします。
1点目、今回の事件を受け、教育長は就任直後に「事件の再発防止に向けた取組など対応を急ぎたい。全力で手掛けたい」としていますが、私が前段で申し上げた非行の要因を踏まえ、具体的にどう取り組み、その結果どのような効果を期待しているのか、見解を伺います。
2点目、今回の事件から考えられる対応策の一つとして、中学時代に勉強が苦手な生徒は、高校入試の問題が難し過ぎて受験を諦めている、そういうことをしてしまうようにも思えます。勉強が苦手な中学生が意欲を持って受験勉強に取り組めるようにするため、現在の公立高校入試問題の2択を3択にする必要があるとも考えますが、見解をお伺いします。

A   小松弥生   教育長

まず、「事件の再発防止に向け、具体的にどのように取り組み、その結果、どの様な効果を期待しているのか」についてでございます。
人間関係のトラブルを暴力で解決するのは決して許されることではなく、生徒一人一人の社会性やコミュニケーション能力を育てる必要があると考えております。
そこで今年度新たに、若年者の就労支援を行う地域若者サポートステーションと連携し、職員による面談や企業での体験活動等を通じ、そうした力を育成する取組を始めました。
また、これまで福祉や警察と連携し児童生徒の非行防止に努めてまいりましたが、それらの機関との連携がしっかり機能しているか、チェックをしていく必要もあると考えております。
加害者の少年の中には、議員御指摘のとおり、家庭環境に課題のあった者もおります。
家庭環境の問題に対しては、福祉に関する専門家であるスクールソーシャルワーカーが教員とともに対応することが重要と考えております。
県教育委員会といたしましては、これまで以上に福祉部局など関係機関との連携を密にし、生活保護や就労支援、医療などにもつなげ、生徒を取り巻く環境の課題を解決したいと考えております。
こうした取組を確実に実施していくことによって、非行防止につながると考えております。
どのような環境にいる生徒であっても、将来自立して幸せに生きていける力を身に付けさせるという学校の使命のもと、非行防止に向けた指導を充実し、東松山市で起きたような悲惨な事故が再発しないよう努めてまいります。
次に「現在の公立高校入試問題の『2択』を『3択』にする必要があると考えることについて」でございます。
平成28年度までの従来の学力検査では、数学と英語の問題について、正答率が極端に低い問題がある一方で、一部の学校では学力の高い生徒が集まり、得点の差がつかないという問題が起き、難易度の設定に課題がございました。
そのため、平成29年3月に実施した入学者選抜から、数学と英語については、全体的に取り組みやすくした問題と、一部に応用的な内容を含む問題の2種類で行いました。
現在行っている2種類の問題による学力検査の成果をよく見極めながら、勉強が苦手な生徒も意欲を持って取り組めるような入試問題について、今後とも、しっかりと研究をしてまいります。
また、小中学校に対して、県学力・学習状況調査をも活用した指導の充実が図られるよう支援を行うことで、高校受検への意欲も湧くよう、勉強が苦手な子ども達の学力を向上させるよう努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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