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掲載日:2020年7月8日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(金子正江議員)

2017年を核兵器禁止の歴史的な年へ

Q   金子正江 議員(共産党

広島・長崎の原爆投下から72年、人類は歴史の大きな転換点を迎えています。核兵器禁止条約を交渉する国連会議のエレン・ホワイト議長は5月、同条約の草案を公表しました。私は、歴史的な核兵器禁止条約草案を強い感動を持って受け止め、心から歓迎いたします。
草案は、条約前文で核兵器の使用による破滅的な結果を強調するとともに、被爆者及び核実験被害者の苦難に留意し、多数の非政府組織及び被爆者の取組を高く評価しています。被爆者の一貫した核兵器廃絶の訴え、日本と世界の反核平和運動の願いを正面から受け止めた条約草案が起草されたことは、大きな意義のあることです。
草案は、核兵器の法的禁止の内容として、核兵器の開発、生産、製造等を禁止し、締約国はその領土と管轄地域への核兵器の配備などを禁止する義務を負うとしています。草案は、全ての国連加盟国に条約の加入を促すなど、核兵器保有国にも条約参加の道を開いています。7月7日まで行われる国連会議の第2会議で、現在も豊かな議論が行われていますが、可能な限り多くの国連加盟国の賛同を得て採択されることを強く期待いたします。
私は、日本政府が核兵器禁止条約に背を向ける態度を根本的に改め、今からでも条約への参加を真剣に検討すべきと考えます。埼玉県は、被爆者援護や原爆死没者の慰霊に一貫して取り組み、知事も多くの首長とともに核兵器禁止を求める被爆者国際署名にサインされておられます。
そこで、伺いますが、核兵器禁止条約草案の意義について、また、政府に対し条約への参加を要請することについて御見解をお示しください。

A 上田清司 知事

今から72年前、広島そして長崎に投下された原子爆弾が、幾多の尊い命を一瞬にして奪い去りました。
私たちは、この悲しい事実を見つめ直し、唯一の戦争被爆国の国民としてこの悲劇を二度と繰り返さない、核兵器のない世界の実現に向けて取り組んでいかなければならないという思いを持っています。
条約草案は、核兵器によって引き起こされた被爆の現実を踏まえ、核兵器の非人道性を強調し、いかなる状況でも核兵器の使用、開発、所有、実験などを禁止しております。
核保有5か国以外への核拡散を抑止する現在の核拡散防止条約から、更に一歩を踏み出し、全ての締約国に核兵器の完全な廃絶を求めていることは、大変意義深いことだという認識を持っております。
ただ、厳しいのはその実現の過程です。
アメリカやイギリスなど約40か国がこの条約の制定に向けた交渉開始の決議に反対しております。
こうした冷徹なパワーバランスで成り立っている国際社会の現実から、条約に掲げる核なき世界の実現に向けて、どのように具体的な一歩を踏み出していくのか、この点について大変困難な場合が予想されます。
条約への参加は国の専管事項です。政府においては、より多くの国に核廃絶に向けた精神に賛同を得られるよう、説得と努力を重ねていってほしいとは考えます。
御質問の要請活動でありますが、県政の課題であればともかく、外交・防衛に関する課題でありますので、時として県民を代表する立場にある者として、そうした活動自体は自制すべきものだという風に思っております。署名やその他のことに関しては一生懸命やってまいりますが、正に国の専管事項に係ることについてはいささか自制すべきものと考えております。
御理解を賜りたいと思います。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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