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掲載日:2023年5月23日

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図書室委員会視察報告

期日

平成26年10月22日(水曜日)

調査先

(1) 飯能市立図書館(飯能市)
(2) 渋沢史料館(東京都北区)

調査の概要

(1)飯能市立図書館

(図書館の管理運営状況について)

【調査目的】

飯能市立図書館は、飯能市民及び在勤・在学者に読書や研究・調査の機会を提供する公共図書館である。その管理運営状況を把握し、今後の県議会図書室運営の参考とする。

【調査内容】

飯能市立図書館は昭和49年に開館したが、老朽化に伴い新図書館建設が検討され平成11年に現在地に新図書館用地を取得し、平成23年から建設工事に着工、平成25年3月に竣工した。
新図書館は、地元産の木材である「西川材」を随所に用い、木の薫りが漂う図書館として平成25年7月に開館した。なお、平成25年度木材利用優良施設として「林野庁長官賞」を受賞している。
新図書館は、「市民に愛され、市民と共に創り続ける図書館」を基本理念とし、森林文化都市「飯能」にふさわしい図書館を目指して、以下の点に配慮して設計された。

①木を用いた図書館
・建物の主要部分に西川材を使用
・杉磨き丸太を構造材や家具に使用
・飯能や学問に関係の深い木を移植
②利用者にとって快適な図書館
・様々な型の読書コーナー等の設置
③自然環境にやさしい図書館
・太陽光発電等エネルギーの効率的使用

開館に伴い導入したクラウド型の図書館システムで特筆されるものは、スマートフォン向け情報探索支援システムである。書架に設置したICタグをスマートフォンで読み取ることで、所蔵資料の情報やインターネット上の情報に対しアクセスできるシステムであり、飯能市立図書館が全国で初めて導入した。
これ以外にも、タブレット型パソコンの館内貸出や音楽配信サービスの提供、デジタルサイネージによる館内紹介、除菌BOXの設置など、種々のユニークなサービスを提供している。
また、資料の配架についても利用しやすい資料配置を考慮し、従来行われてきた資料種別による配列を大幅に見直している。
概要説明後、委員から活発な質疑が行われた。その中で「県立図書館に望むことがあれば伺いたい」との質問があった。これに対し、「市立図書館では規模の点で限界があるので、入手し難い図書については県立図書館に協力をお願いし、利用者サービスに努めたい」との回答があった。
「市民に愛され、市民と共に創り続ける図書館」としてのサービス向上や運営状況などを把握することができ、県議会図書室運営の参考になるものであった。

飯能市立図書館にて

〔飯能市立図書館にて〕

(2)渋沢史料館

(図書館の管理運営状況について)

【調査目的】
渋沢史料館は、渋沢栄一の思想と行動を顕彰する公益財団法人渋沢栄一記念財団の付属施設として東京都北区に設立された。その管理運営状況を把握し、今後の県議会図書室運営の参考とする。

【調査内容】
渋沢史料館は、昭和57年、渋沢栄一の旧邸跡(現在の東京都北区飛鳥山公園の一部)に設立された。当初の渋沢史料館は、旧邸内に残る大正期の二つの建物「晩香蘆」と「青淵文庫」を施設として開館した。その後、平成10年3月に本館を増設し、諸資料の展示を本館で行っている。なお、旧渋沢邸は先の大戦による空襲のため、青淵文庫と晩香蘆を除き全て消失している。
渋沢史料館視察に先立ち、本館入口において渋沢栄一記念財団理事長である渋沢雅英氏の出迎えを受けた。同氏は、大正14年、渋沢子爵家の嫡男として生まれた。父は渋沢敬三(後の日銀総裁、大蔵大臣)、母は三菱財閥の出身、渋沢栄一と岩崎弥太郎は曽祖父に当たる。
その後、青淵文庫に移動して学芸員より概要説明を受けながら、活発な質疑が行われた。
青淵文庫は、大正14年竣工、渋沢家の家紋に因んで柏の葉をデザインしたステンドグラスやタイルが美しい洋館である。栄一の書庫や接客の場として使われた。当初収蔵されていた「論語」をはじめ多くの漢籍は、渋沢家から都立図書館に寄贈された。
大正6年竣工の晩香蘆(洋風茶室)を視察後、本館を視察した。
本館1階奥の閲覧コーナーには、栄一に関する書籍をはじめ近代日本の歴史や経済に関する書籍を配架、入館者は自由に閲覧できる。本館2階は展示室であり、栄一の生涯と幅広い分野にわたるその事績に関する資料を写真とともにわかりやすく、ビジュアルに展示している。
蔵書内容は、「渋沢栄一伝記資料」全58巻及び別巻10巻の編さん資料として収集された資・史料が中心である。渋沢栄一の事績及びその周辺事象に関係する文献として明治から昭和初期にかけての経済人・政治家・文化人等の伝記、栄一が関係した企業をはじめとした会社史、学校・団体史、及び通史類を中心に収集・保存している。また、財団で発行した雑誌・図書も保存している。
渋沢史料館の視察は、専門図書館として来館者を惹きつける展示、資料及びサービスの充実などを把握することができ、今後の県議会図書室運営の参考になるものであった。

お問い合わせ

議会事務局 図書室  

ファックス:048-830-4924

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