小学校児童数が21年ぶりに増加

(平成15年度学校基本調査結果速報から)

 

1 はじめに

 学校基本調査は、学校教育行政に必要な学校に関する基本的事項を明らかにすることを目的とする調査で、昭和23年から毎年実施されています。

本稿は、先日公表された、本年5月1日現在の埼玉県の調査結果速報をとりまとめたもので、確定値は平成15年12月頃文部科学省から公表される予定です。

2 概況

 各学校区分ごとの概況は表1のとおりとなっています。

今年度の特徴として、昭和58年度から20年間減少していた小学校の児童数が増加に転じたことが挙げられます。しかし、中学校の生徒数は17年間、高等学校の生徒数は14年間連続して減少しています。

 

3 卒業後の状況

(1)中学校

平成15年3月の卒業者数は68,384人で前年より1,086人減少(平成2年3月から14年連続)しました。進学状況をみると、高等学校等進学者は66,822人で前年より853人減少しましたが、進学率は97.7%で調査開始以来最高となりました。就職状況をみると、就職者総数は496人(就職進学者21人を含む)で前年より134人減少し、就職率は0.7%となり調査開始以来最低となりました。

(2)高等学校(通信制高校卒業者を除く。)

平成15年3月の卒業者数は62,544人で前年より1,497人減少(平成9年3月から7年連続)しました。進学状況をみると、大学等進学者は27,454人で前年より605人減少しましたが、進学率は43.9%で調査開始以来最高となりました。就職状況をみると、就職者総数は7,761人(就職進学者77人を含む)で前年より448人減少し、平成4年3月から12年連続で減少しています。就職率は12.4%となり調査開始以来最低となりました。

 

4 長期欠席者数の状況

(1)小学校

平成14年度間に30日以上欠席した児童数は2,950人で、その理由別内訳は「病気」1,184人、

「経済的理由」4人、「不登校」1,520人、「その他」242人でした。


小学校における不登校児童数の推移は図2のとおりです。

「不登校」の児童は調査開始(平成3年度間)以来昨年度が最多人数でしたが、今年度減少に転じました。

 

 

(2)中学校

平成14年度間に30日以上欠席した生徒数は6,815人で、その理由別内訳は「病気」496人、「経済的理由」6人、「不登校」6,134人、「その他」179人でした。

中学校における不登校生徒数の推移は図3のとおりです。

「不登校」の生徒は調査開始(平成3年度間)以来昨年度が最多人数でしたが、今年度減少に転じました。

 なお、「不登校」の小・中学生の数は、全国的に見ても前年度より減少し、「不登校」の調査開始(平成3年度間)以来初めて減少に転じました。