54回目を迎えた埼玉県統計グラフコンクール

1 はじめに
 埼玉県では、 毎年統計グラフコンクールを開催しています。
 グラフコンクールは、統計グラフを使ったポスターのコンクールです。
 埼玉県では戦後開始され、今年で54回目を迎えます。
 小学生、中学生を中心にして、毎回500点以上の応募があります。
 全国コンクールもあり、埼玉県から出品した作品が多数入選しています。
 今回の特集では、数々のすばらしい作品を生みだしてきた統計グラフコンクールを紹介します。

2 グラフコンクールってどんなコンクール?
 毎年、公共団体や企業などが、さまざまなコンクールを開催しています。
 中でも、絵やポスターのコンクールは、非常に多いようです。
 グラフコンクールは、統計グラフを使っていれば、テーマは自由です。
 日常生活、学校生活、社会の出来事など、何をテーマにしても構いません。
 募集の対象は広く、小学生以上の県民の方ならどなたでも応募できます。
 応募区分は学年などによって、次の6部門に分かれています。
   
第1部………小学校1,2年生第2部………小学校3,4年生
第3部………小学校5,6年生第4部………中学生
第5部………高校以上の生徒・学生及び一般 パソコン統計グラフの部……小学生以上

 パソコン統計グラフの部は、 1990年(平成2年)から設けられた比較的新しい部門ですが、 この部門は学年や年齢で分けていないため、 小学生から大人まで、 同じ部門の中で審査されます。
 創設された頃は、 応募が少なかったのですが、 パソコンが普及するにつれ応募点数も増え、 今では毎回50点以上の応募があります。

3 大きな紙に描かれる力作
 グラフコンクールには、 統計グラフを使うということ以外にも、 ほかのコンクールではあまり見られない特色があります。
 それは、用紙の大きさです。
 B2判と呼ばれる規格の紙で、寸法は、72.8p×51.5pです。
 数字だけ見るとイメージがわかないと思いますが、 実際にメジャーをのばしてみると、 かなり大きい紙であることがわかります。
 応募の対象に小学生が含まれている絵やポスターのコンクールで、 これだけ大きな用紙を使うものは、あまり見られません。
 小学生の特に低学年の児童が、これだけ大きな紙に描くのは、とても大変なことです。
 1人で作成するのは難しいという場合は、1つの作品について、5人までのグループで応募することもできます。
 用紙の大きさについては、注意が必要です。
 B2判を購入したつもりでも、実際に測ってみると大きさが違うといったことがあるようです。
 作品を作成する前に念のため確認してみましょう。

4 テーマもいろいろ
 グラフコンクールのテーマは自由です。そのため、いろいろなテーマの作品が寄せられます。
 小学校低学年では、「好きな食べ物」「お手伝い「休み時間の過ごし方」などについて、 クラスでアンケートを取って調べたものが多いようです。
 高学年になると、学校生活をテーマにしたものから社会的な問題まで、関心の幅が広がってきます。
 昨年のコンクールで多かったのが、学校の週5日制とワールドカップでした。
 社会での関心の高さが応募作品のテーマに反映されているのがわかります。
 中学生になると、環境問題や戦争など社会的なテーマの割合が高くなります。
 ここ数年では、携帯電話をテーマにした作品も多く見られます。
 グラフの描写技術のレベルは、 中学生になると格段に高くなりますが、 深刻なテーマが多いためか、 黒や紺色を使うなど、 暗い色調の作品が目立つようになります。
 ここで紹介するのは、地雷をテーマにした中学生の作品です。
 インパクトのあるタイトルが目を引きます。
次に紹介するのは、ユニークなテーマの作品です。
 小学校2年生の作品で、2003年(平成13年)に開催された第52回埼玉県統計グラフコンクールで、 第1部の1等になりました。
 この作品では、学校でうんちをしない理由をクラスのみんなにアンケートを取って調べています。
 回答の中には、「こわい話がある」など子どもならではのおもしろいものがあります。
 学校のトイレは、子供たちにとっては深刻な問題です。
 最近では、小学校の新入生が和式トイレの使い方がわからないとか、 学校でうんちをするといじめにあうといったことが問題となり、 新聞等でも取り上げられるようになりました。
 こうしたことから、学校のトイレで子供たちがうんちをしやすいように改装する学校もあるようです。


 
5 統計グラフを作成するまでの過程も大事
 昨年、グラフコンクールに初めて取り組んだという小学校の先生から、次のようなお電話をいただきました。
「今回、初めてグラフコンクールに応募しました。
 作品を完成させるまでの一連の作業を通して、子供たちは得がたい経験をしたようです。
 さらに感じたことは、作品を作成することはもとより、  テーマを決めたり、調べたりといったグラフを描くまでの過程がとても重要だということです。
 『総合的な学習の時間』の中で取り組みましたが、グラフコンクールはまさに最適だと思いました。」  このお電話のように、グラフコンクールを『総合的な学習の時間』に取り入れる学校も徐々に増えてきているようです。
グラフコンクールは、統計知識の普及と統計表現技術の向上を目的としていますが、実は、統計グラフの作成に至る過程がとても重要なのです。
 まず、子供たちが日ごろ疑問に思っていることや関心のあることの中から、テーマを決めます。
 テーマが決まったら、データを集めます。
 クラスのみんなにアンケートを取ったり、新聞や本を調べたりします。
 最近はインターネットを利用する場合も多いようです。
 データを集めたら、分類・整理して、グラフにまとめていきます。
 ここでまず、注意しなければならないのは、グラフの選択を適切にするということです。
 棒グラフは数量の比較、円グラフは構成割合を表すなど、それぞれのグラフの特性を考えて、正しく選択していきます。
 その他、単位が抜けていたり、目盛りの出発点に0が描かれていなかったりする作品がよく見受けられます。
 グラフコンクールでは、審査のときに減点されますので注意しましょう。

6 第54回埼玉県統計グラフコンクールの作品を募集
 現在、統計グラフコンクールの作品を募集中です。
 みなさんもチャレンジしてみませんか。
 たくさんの御応募をお待ちしています。

<応募区分>
第1部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小学校1年生及び2年生の児童
第2部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小学校3年生及び4年生の児童
第3部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小学校5年生及び6年生の児童
第4部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中学校の生徒
第5部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高等学校以上の生徒・学生及び一般
パソコン統計グラフの部・・・小学校の児童以上 
<課  題>
 各部とも自由です。ただし、小学校1〜4年生の皆さんは、自分で観察・調査した結果をグラフにしてください。
<用紙の大きさ>
 B2判(72.8p×51.5p)
<応募上の注意>
・紙質、色彩は自由ですが、裏に板を張ったり、表をセロハンなどでおおったものは認められません。
・作品の裏側に、応募区分、表題、郵便番号、住所、氏名、職業(児童・生徒・学生の場合は学校名及び学年)、年齢を明記してください。
・グラフの基礎になった資料(数字のデータ)をB5判又はA4判の用紙にまとめ、必ず添付してください。
・1人の応募点数は制限しませんが、2枚以上にわたる「シリーズもの」は認められません。
・共同作品の応募もできますが、5人以内で作成してください。
・上位入賞作品は全国コンクールに出品されます。
<応募締切>
平成15年9月5日(金)
<入賞者など>
・各部で入賞者を決め、賞状・副賞を贈ります。また、上位入賞作品は、全国コンクールに出品されます。
・入賞作品は作品集となり、県内の学校などに配られます。
・入賞者には、10月上旬ごろ通知します。
・応募者全員に参加賞を贈ります。
<応募・問い合わせ先>
埼玉県総務部統計課総務普及啓発担当
〒330-9301 さいたま市浦和区高砂3−15−1 電話048-824-2111 内線2306
※前回のコンクール(第53回埼玉県統計グラフコンクール)の入選作品集(カラー刷り、A4判)を無料で配布しています。
御希望の方は、統計課までお問い合わせください。