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掲載日:2021年3月29日

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私の体験(20歳 男性)

私は、20歳の男性ですが、ちょっとしたことから、覚せい剤の味を覚えて、常用するようになり、現在、留置場で、暗い日々を送っています。

覚せい剤というのは、何の利益もなく、体はむしばまれ、金はいくらあっても足らず、親から金を無心し、あげくの果ては、家族を不幸のどん底に陥れてしまいます。これは、私が実際体験したことですから間違いありません。私は、今日逮捕されたことを契機に、留置場の中で自分の将来や年老いた母親のことを真剣に考えて覚せい剤と縁を切ろうと思っています。私の体験から、今から覚せい剤を打ちたいと好奇心を持っている人が、やめてくれれば幸いと思い筆をとりました。

警察の取り調べでは、話していませんでしたが、私が最初に覚せい剤を打ったのは、高校を1年で中退した直後の15歳の時で、その頃、市内をブラブラして遊んでいたA(25,6歳)から、風呂の中で「いい気持ちになるのがあるから、打ってやろうか」と誘われ、覚せい剤とも知らずに注射してもらいました。このとき私が拒否すればよかったのですが、好奇心も手伝い、注射してもらったわけで、一度注射するとなかなかやめられなくなります。覚せい剤は、長く続けると廃人同様になってしまいます。最初は、好奇心もあって一度くらいという軽い気持ちで注射することが、一番いけないことで、誘われたときには、きっぱりと断ることが大切です。

その後、覚せい剤とはしばらく縁が切れていたのですが、昨年の2月少年院退院後、仕事もせずにブラブラして遊んでいるうちに、覚せい剤を扱う人たちと再び知り合うようになり、その人達から、覚せい剤が手に入るようになり、昔の味が忘れられず今年の3月頃から、ずるずると逮捕される10月までの8か月間本格的に覚せい剤を常用するようになっていました。

わずか、8か月の間ですが、この間に40万円くらいを使い、回数にして120回は確実に注射していることになります。この40万円の金は、ほとんどを親からもらっていましたが、母親一人ですので、今考えると子供のためとは言えよくここまで、耐え忍んでこられたと感謝するやら、気の毒やらで、胸がしめつけられます。

覚せい剤を常用しますとボケてしまい、体の調子がおかしくなり、何事に対しても消極的な態度をとるようになってしまいます。それだけ体が弱ってしまうのではないでしょうか。私も覚せい剤を打つ前は、67キログラム体重があったのですが、8か月の間に、56キログラムに減ってしまいました。何故こんなに体重が減るかと言いますと覚せい剤を注射すれば、眠気がとれ3日も4日も眠らず、睡眠不足にかかり、食欲がなくなり、栄養失調にかかるからと思います。その結果、足元はふらつき目のふちは青黒く、生き物の姿とは言えないくらいげっそりやせて、見られたものではありません。

睡眠不足になると、思考力が鈍り、自分の言動、行動に責任が持てなくなり、恩義のある人にさえ、不義理をしてしまう始末です。こういうことで、何度も続くと、信用されなくなり仲のよかった友達も1人2人と相手にしなくなるようで、むなしいものでした。ある日、注射がきれかかりましたので、行きつけの喫茶店に行き休んでいたところへ、2・3人の男が、横のテーブルにかけたので、私は知らない者ではあるし、目をつぶっていたところ、私の腕に何かあたったような気がしたので、見てみると、横のテーブルにかけている男達が、ニヤニヤ笑っています。私はこの男達がいたずらしたものと気をまわし、つかみ合いのけんかとなってしまったことがあります。後で、判ったのですが、いきなり、因縁をつけ、殴りかかったもので、そのように覚せい剤で、ボケでしまうとちょっとしたことに、気がまわり、関係のない人に迷惑をかけることになります。

覚せい剤を買うときのお金は、ほとんど母からもらっていたと前にも書いていますが、その時の内容をもう少し詳しく書きますと、初めのうちは、仕事に行くからとか、今度の給料日には、絶対に返すからとか言って、1万円くらいを何回となくもらっていましたが、何度も続くと信用されなくなり、金に困り家の品物を質屋にいれて、金づくりをしたり、さらに、家の品物がなくなると、友達を母のところへやって、私に貸したことにして、その取り立ての名目で母から金を引き出していました。ここまできますと、母も私を信用しないどころか、見捨てられ、母の所へ行っても、会ってはくれず、食うことに事欠く生活です。こうして行き詰まるともう絶対に覚せい剤なんかに手を出すまいと深く反省するのですが、目の前に出されると、すぐに手を出してしまいました。覚せい剤の味を一度覚えると、ひと財産もふた財産も使い果たしてしまいますが、金の問題よりも、さらに注射をうち過ぎると、狂乱状態に陥り、犯罪を犯したり、他人に迷惑をかけ、刑務所送りとなるのがおちで、一度くらいならという、甘い考えを絶対に捨てるべきです。こんなことは、人に聞かされなくても、自分で考えなくては役立たないと思いますが、私の体験ですので、これを読まれた方に、何かの役に立って欲しいと誠心誠意で書きました。

私もここまできて、やっと目が覚めたので、社会復帰したら自覚ある日々を過ごすため、一日一日を大事にした生活をしたいと考えております。

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