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掲載日:2010年3月19日

埼玉県 ユニバーサルデザイン・ホームページ 【有識者の意見】(5)

徳田哲男さん

人間工学の立場から

もの作りに携わる人は、高齢者の身体機能を考えるとハードの整備が追いついていないという認識から、いっそうのユニバーサル化の推進が必要であるとしているが、私の認識は少し異なる。

人間工学というのは、使いやすさを科学するという立場から、人側の特性とモノ側の性能の双方より50歩、50歩を歩み寄り、両者にギャップのないような生活環境を整えてゆこうとする学問である。

高齢社会に入る前は、若い人たちのデータを基本にした生活環境、商品作りが行われてきた。しかし、高齢化に伴い、それでは使いづらいという人が多くなり、高齢者の生活パターンを意識した製品、高齢者の身体機能に合わせた商品を考えなければならなくなってきた。若者主体の社会ではモノ側と人側で50歩ずつ歩み寄ることでギャップが解消されていたが、高齢社会では人側の方で50歩も歩み寄れない状況が多くなってきている。10歩しか歩み寄れない高齢者、5歩しか歩み寄れない障害者の人たちに、モノ側の方でより多く歩み寄ることにより、できるだけ双方にギャップのないような環境を整えてゆく必要がある。

バリアフリー化やユニバーサルデザイン化についての基本的な考え方には大賛成であるが、私は、あえてそれに注文をつけている。

屋外環境は、不特定多数が利用することから、できるだけ多くの方にとって安全性や快適性の高い環境を整えるべきであるが、一方、特定者が利用する居住環境などでは必ずしもそうではないと考えている。快適な環境にばかり注目してしまうと、その人の身体機能を損ねてしまうことがあるからである。人間工学の研究などからも、あまり快適な状況下で行われる作業は、人の集中力などが低下し、作業結果に間違いが多くなるという報告もある。極端な言い方が許されるならば、階段があることによって、居住者の生活圏や安全性が損なわれるのであれば、これはバリアとして取り除かなければならないが、そうでなければ人の動作特性や動線などに配慮した建築空間作りにもっと注目すべきである。

ユニバーサルデザイン化を進める上では、個人レベルで考える生活空間、不特定多数の利用を意識した公共空間の棲み分けを前提とした議論があっても良いのではないかと考える。当然、生活範囲を狭めたり、安全性を損ねたりすることのないことが大前提となるが、多少の不足も見え隠れする快適性でも良いのではないか。

バリアフリーやユニバーサルデザインの考え方は徐々に浸透されつつあるので、その制限などについてもそろそろ議論される時期ではないだろうか。日常生活のさまざまな場面において発揮される力量は、最大筋力に比較して著しく低い場合がほとんどであるが、緊急事態に対してはその最大筋力の大きさの程度が安全性を左右する。ユニバールデザインの趣旨=「より多くの人の自立促進」という視点には大賛成であるが、ユニバーサルデザイン化が、むしろ身体機能の低下を後押しする結果となれば、留意する必要がある。

これからは、個別対応をどう進めていくかが大きなポイントとなる。モノの環境は一度作ると固定されてしまうのに対して、人の機能は常に変化していることへの対応が求められる。家を建てるときには、元気な時には手すりをつけなくても良いが、将来を見据えて後でつけられるような壁面構造にしておくといったこと、人の機能が変化すればそれに併せてモノの性能も対応可能にしておくことなど、見えないところでのユニバーサルデザイン化という視点が大切である。

ユニバーサルデザイン化を進める上には、快適、安全、健康の3つの軸がバランスよく配列されていなくてはならない。一つの軸のみが突出してしまうと、身体機能の低下を招来させてしまうこともある。極端な快適性の追求は、社会的な損失にもつながりかねない。人の機能とは、外部の刺激により絶え間ない適応過程が図られており、安全、健康を損ねるような快適性は慎むべきである。

徳田哲男氏のプロフィール

1949年生まれ。1973年東京電機大学工学部精密機械工学科卒。(財)東京都老人総合研究所主任研究員を経て、1999年から現職。工学博士。

専門分野:人間工学、福祉工学

主要研究のキーワードは、老化(運動・生理機能)、生活・介護環境、介護支援機器、計測・評価など。

主な著書・論文

  • 超高齢社会の福祉工学、福祉機器と適正環境(中央法規出版、1998)
  • 施設における介護負担と機器支援に関する調査および実験研究(住宅総合研究財団、1998)
  • 高齢社会の適正技術(日本評論社、1996)
  • 生活の技術(日本評論社、1995)
  • 高齢期の環境適応力に応じた適正移動寸法に関する研究(住宅総合研究財団、1995)

お問い合わせ

県民生活部 文化振興課 文化創造・発信担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第3庁舎1階

電話:048-830-2882

ファックス:048-830-4752

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