平成29年 > 知事記者会見テキスト版 平成29年2月13日

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掲載日:2024年3月28日

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知事記者会見テキスト版 平成29年2月13日

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平成29年2月13日(月曜日)

知事発表
平成29年2月定例会付議予定議案、平成29年4月1日付け組織・定数改正について

平成29年2月定例会付議予定議案、平成29年4月1日付け組織・定数改正について(PDF:2,727KB)

知事

本日は、2月定例会付議予定議案について、御説明・御報告をさせていただきます。招集日2月20日月曜日です。議案は43件です。予算20件、条例10件、事件議決5件、基本的な計画の策定等8件ございます。主な内容は29年度一般会計予算と平成28年度一般会計補正予算です。国の地方創生拠点整備交付金が出ましたので、それに合わせるかたちで、地方創生の整備拠点関係の予算がございます。

平成29年度予算案でございますが、「希望・活躍・うるおいの埼玉」の実現、とりわけ「未来への投資」を意識しております。具体的には人口構造の変化への挑戦です。具体的には生産年齢人口が確実に少なくなっていく、一般的に言えば、経済が縮小していくと言われておりますので、この分はこれまでのウーマノミクスプロジェクトや、シニアの活躍などで、カバーの仕組みづくりをやってまいりましたが、さらにそれを本格的にやっていこうということでございます。そして、持続可能な強い埼玉経済を実現していこうということでございます。更に災害に強い、地域の安心やあるいはまた発展を望むようなことで進めていこうということで、総額で1兆8,644億2,700万円で、前年比マイナスの0.9%になっております。特別会計等全て合計しますと2兆7,371億3,899万9千円になります。こちらのほうも対前年度比ではマイナス2.6%、また同時提案致します補正予算の部分でありますけど、地方創生拠点整備交付金の活用に関するかたちで、一般会計の部分で、8億2,169万1千円計上しております。この具体的な中身の主だったものでございますが、まさに人口動態の変化、生産年齢人口が減っていく、少子高齢化という部分で、子育て支援をしっかりやっていこうということで、妊娠から子育てまでの切れ目のない支援、新規でウェルカムベイビープロジェクト、妊娠、出産、不妊に対する総合的な対策をやりましょうということで、こうのとり健診と謳っております、夫婦そろっての不妊検査にかかる費用をできるだけ助成しましょうと。こうのとり大使のダイアモンド✡ユカイさんのメッセージを婚姻届提出時に配布をして、よかったら、早めに不妊の検査をなさったらいかがでしょうかと、こうのとり大使のダイアモンド✡ユカイさんから発信していただきます。そして、夫婦そろっての不妊検査の助成に関して言えば、初期検査、あるいはまた助成額に関しても全額補助、一夫婦2万円を上限として助成いたします。更に不妊治療の支援の充実をやってまいります。国の助成制度に加え、県独自の助成してまいります。妻年齢35歳未満の夫婦の治療に対する10万円の上乗せをしてまいります。国に加えて10万円の上乗せをする。2人目以降の治療に対する助成回数の拡大も行ってまいります。また、高校生からも意識の啓発を行ってまいります。具体的には啓発冊子の県内高校2・3年生全員に配布をしていく。大学での出前講座、SNSを利用した普及啓発、こうしたものに力を入れてまいります。そして、子育て支援で、まさに産後うつケア推進事業、産後の健診推進事業を徹底してやっていきましょうと、埼玉版ネウボラの推進ですが、子育て世代包括支援センターを拡充します。これまで、15市町村で行っていたものを35市町村にまで拡大します。御案内のとおり、埼玉県は奈良県についで2番目に核家族が多い県でありますので、場合によってはおじいちゃん、おばあちゃんが遠くにいらっしゃる、あるいはいとこのお姉さんや、あるいは実のお姉さんがそばにいないと。保健センターの様々な手当てと言うんでしょうか、呼び込みと言うんでしょうか、そういったものは大体3か月後、4か月後からのスタートとなります。その間が意外に相談する相手がいない。もちろん、今は本もあればインターネットもいろいろアクセスもできますが、何と言っても効果があるのは実のお母さんから、「あなたもそうだったのよ」と言われるのが効果があるわけです。人間の生の声に勝るものはありません。その生の声を産後すぐにうつになってもケアをしてあげる、あるいは産後健診の事業をやって、まさに産まれる直前、産まれた直後、こうしたところを子育て世代包括支援センターの充実によって、切れ目のない子育て支援をやっていくというのが、この埼玉版ネウボラの推進でございます。

また、少子化でございますから、当然、多子化、3人以上産んでいただけるというと大変語弊がありますが、3人以上のお子さんが居るところにはいろいろ支援をさせていただきましょうということで、3キュー子育てチケットというかたちで、3人目、そしてありがとうのサンキュー、こういう意味を込めて、3キュー子育てチケットということですが、県と市町村が、協議会を作ってずっと議論をしてきました。どんなかたちで応援したらいいんだろうとか、これは便利だねとか。例えば、一時預かりをしていいですよ、家事のヘルパーをお願いしてもいいですよ、ベビーシッターに使ってもいいですよ。いろんなかたちで子育てサービスに利用できるクーポンを配布して応援しようということで、市町村それぞれがいろんな工夫をしていくことについて県は2分の1を助成していきましょうと、県と市町村を合わせて最大10万円まで支援しましょうと。何か市町村が手当てされれば、それに対して市町村に2分の1、県は補助をする。それぞれの市町村の取組に対して県は応援します。つまり、県と市町村が一緒になって、多子世帯を応援するプロジェクトがあれば、しっかりそれを作っていこうと、そういう対策であります。そのときにクーポン券を出して、その時に使えるというかたちをとらせていただきます。

そして、また、多子世帯向けの住宅取得支援をさせていただきます。子育てがしやすい新築住宅の取得を支援させていただきます。補助金として50万円、そしてまた、補助戸数も500戸。住環境の向上のために子育てしやすい新築分譲住宅に、戸建住宅、床面積100平方メートル以上かつ敷地面積110平方メートル以上。また、マンションでは4LDK以上また80平方メートル以上、こうしたものもこの50万円の補助対象になってまいります。こういうかたちで子どもを育てるのに家が狭いとか、部屋数が足りないとか、そういった方々には、是非この県の補助制度も活用していただきたい。こういうかたちで多子世帯への応援を行ってまいります。

私立高校における教育費負担軽減をこれまでも行ってきたところですが、更に上乗せをさせていただきます。これまで年収500万円以下(後に「未満」に修正)の世帯に対して、授業料、県の平均ですと37万5千円の実質無償化を実現してまいりました。そして、加えて施設費などの納付金、県の平均が20万円ですが、その補助も実現してきました。そして、入学金の補助10万円を実施してまいりました。これは全国トップレベルの補助でありましたが、今回、これまでも、議会から熱心に取り組んでいくようにと、質問等々、また応援がありましたが、東京都の動きもあり、議会からもう少し上乗せができないかというお話もありました。かなりのレベルまでできる金額ということでいろいろ調査しましたら、609万円まで出しますと、4人に1人の実質無償化の割合が、3人に1人になるということがわかりました。そこで平成29年度は609万円までであれば、まず、多くの世帯で困らない状態が起きるだろうということで、500万円までの所得の部分を609万円までに引き上げることにしました。そうしますと10%対象世帯が増えました。東京都は760万でありますが、賃金の格差等いろいろなものがありまして、結果的には受給の割合は30%ですので、特に競争しているわけではございませんが、結果的に埼玉のほうが、カバー率が高いというかたちになったところでもございます。県内私立高校に通うお子さんを持つ方々の教育費の実質無償化が、全世帯の中で大体35%程度は実現できるということが、今回の予算のなかで、お認めをいただければできることになります。

人口動態の変化に関する部分で、ウーマノミクスプロジェクトとシニアの活躍などについて申し上げましたが、ウーマノミクスプロジェクトについてはおかげさまで順調に進んでいるところですが、アクティブシニアの活躍をもっと支援しようという試みを今回の予算では取り上げております。新しい動きではアクティブシニアリレートークというのを各地区で行いながら、気運を醸成しましょうと。彩の国シニア応援大使や彩の国だよりにより情報発信などを行って大いに気運を作ってまいります。そして、市町村等でナビゲーター等の活動支援を行っているところでございますが、これをもっと拡充していきましょうと。シニアの地域デビューを後押ししているモデル市町村が7であったのですが、これを12市町村にしましょうというかたちで、さらに拡充していきます。それからシニア活躍サポートデスク、仮称でありますが、これを設置しましょうと。県民活動総合センターの中にいわば拠点を作って、更にシニアの活躍が可能になるような仕組みを作りましょうと。こういう新規事業を始めます。それから就労につなげる、働くシニアの応援プロジェクト、ボランティアにつなげるプロジェクトの2つがあるわけですが、シニア活躍推進宣言企業の認定ですが、29年度末までに1000社、そして、新規では70歳雇用推進助成金を創設します。最大200万円。国は65歳までですので、県は思い切ってこれを延ばして、しっかり、元気でやる気満々の方には、70歳までの方々の雇用の実現を企業に諮っていただこうという準備をさせていただきました。それからシルバーワークステーションの開設ですが、御案内のとおり、シルバー人材センターはやや技術系と言うんでしょうか、自転車の修理であるとか、庭づくりのお手伝いであるとか、技術系のお仕事が中心になっているきらいがありますが、そうではなくて、経理をやっていたとか、他の営業をやっていたとか、そういう方々、いわゆる座業と言うんでしょうか、ホワイトカラーと言うんでしょうか、そういう分野の開拓をしっかりやりましょうということで、シルバーワークステーションを開設して、セカンドキャリアをもっと作っていただきましょうという、そういう考え方で作っております。また、セカンドキャリアセンターでの就職支援を更に支援してまいります。シニアボランティアの養成ですが、シニアボランティアに興味のあるシニア向けの養成講座、また、専門家ボランティアの養成などについても充実させてまいります。

健康長寿埼玉プロジェクトですが、御案内のとおり、モデルをどんどん増やしながら進めているところですが、29年度新しく埼玉県コバトン健康マイレージの運用を開始致します。具体的には参加者は市町村等を通じて申し込みをしていただいて、歩数計を配布していただきます。ウォーキングや運動教室への参加をして、特定健診の受診を行っていただきます。公的機関、店舗等に設置された読み取り機器、いわばSuicaみたいなかたちで読み取り機器に自分の歩数計をポンと当てれば、どれくらい歩いているかとかどのくらいエネルギーを消化しているかとか(後に削除)、数値がでてきます。そうした数値にいわば報償を与えましょうという仕組みであります。ポイントを付けて、抽選により埼玉県の農産物だとか、企業協賛の商品だとか、クーポンだとかと交換して、健康維持運動、向上運動をやればやるほど、健康マイレージを通じて成果を出した人ほど、副次的な特典があるということを展開することになりました。市町村や保険者等でしっかりと取組んでいくことになりました。また、これまでの健康長寿埼玉モデルの普及拡大についてもとことんモデルが5市町村から6市町村に、埼玉モデルが24市町村から28市町村と。そして、健康長寿サポーターの数も56,764人が75,000人になるような拡大を進めているところでございます。大体100人に1人くらい健康長寿サポーターが埼玉県にいるようにしましょうという仕掛けです。

官民連携によりますグローバル人材の育成ですが、グローバル人材育成基金を一旦廃止して、改めてグローバル人材育成センター埼玉を通じながら、企業や個人から寄付を集めて、その方々の冠を付けた奨学金をしましょうと。仮に上田基金というのを100万円作って、上田基金で奨学生を2人世界に送るだとか、具体的な○○企業というところが、300万円出して、100万円づつ、3人海外に出すとか、そういう仕掛けをこれからやっていきましょうと。地域活躍コースだとか、学位取得コースだとか、高校生留学コースだとか、冠奨学金、これは今申し上げだところですが、個人や企業で寄付をして、しっかり勉強をしていただく。したがって、個人の冠がどんどん付いていきますので、スポンサーになった企業や個人は「いいことしたぞ」という気分を味わうことができると。一種の親代わりになった気分になれると。そして多くの気持ちのいい人達、企業によって自分は育てられているというそういう環境を感じることができるという。税金で行うだけではなくて、企業・個人でやっていただくという、新しい官民連携で、県もやりますけども、企業・個人もやるというそういう仕掛けを作らせていただきます。また、埼玉県の魅力を伝える親善大使ハンドブックを作成し、いろんな方々に親善大使になっていただこうと。今までは県の奨学生による人達だけだったのですが、国の奨学生もいいじゃないかとか、少し親善大使の枠を増やしましょうと。できるだけ埼玉の魅力を伝えてもらいましょうということで、親善大使ハンドブックも作りますと。県内での疑似留学も体験していただきましょうと。疑似留学を開催する大学やNPO等にも応援をいたしますので、是非受け止めてくださいと。それから海外からの留学生を埼玉につなぐために更にインターンシップを拡充しましょう、企業の就職面接会を展開しましょう、企業と留学生との交流会を開催しましょう、さらに新規でホームステイの促進を行ってまいります。

これは教育局の予算になっていますが、主体的な学習、学びの改革を行っていきましょうと。科学技術立県を支える次世代人材の育成が非常に重要だと。これについても○○高校にはこんな立派な先生がいて、こういう授業が行われていて、非常に特色のある科学技術の分野でいい生徒が育っていると。しかしその先生からはその学校でしか学べないと。そんなことがないようにと。Aという学校には非常に優秀な化学の先生がいると、こちらには物理の先生がいるとか、こちらには宇宙工学に強い先生がいるとか、それぞれ先生がいるんですけど、生徒はほかの学校では学べないんですが、それを学べるようにしようではないかというのがグルーピングの意味であります。どこかの高校に土曜日とかに行って、しっかり集中的に勉強をする。そういうことを可能にするようなグルーピングをやって、最先端の技術を知る、高い科学的探究能力を獲得する、それから、創造性・チャレンジ精神を育成するというかたちで、そういう生徒たちを育てながら場合によっては世界大会、国際学生科学技術フェアだとか、国際科学オリンピックだとか、科学技術立県を支える次世代の人材の育成を従来の一つの高校の枠ではなくて、グルーピング化しながら育てていこうと。そしてまた、大学・研究機関との連携を進めて、最先端機器を使った実験だとか、世界的研究者による直接指導だとかをこういうグルーピングされた非常に熱心な生徒たちが学びに行くと、まとめてですね。そういうことをやりましょう、学校の枠を超えて、グルーピング化していくと。これをやりますと。

続いて、オリンピック・パラリンピックとラグビーワールドカップですが、ラグビーワールドカップ2019に向けての熊谷ラグビー場の改修工事、スケルトンだけ残して、あとは全面改修ですので、やや新築に近いかたちでありますが、着々と進めてまいります。そしてまた2020年オリンピック・パラリンピックの会場になりますさいたまスーパーアリーナや埼玉スタジアム2○○2に関してもしっかり整備を進めてまいります。また気運醸成のための様々なイベントもやってまいります。

組織・定数改正に関しましては大きく変わるものはございません。組織として101課が102課に1つ課が増えます。定数はプラスマイナスゼロで6,730人であります。対県民1万人当たりの職員の人数は相変わらず全国最小の人数で行っているところです。それから主な組織・定数の改正のところでは、医師・看護師確保対策の強化として、保健医療部に医療人材課を新設します。感染症対策の強化のために感染症対策幹の配置をやります。増員でございますが、実効性のある少子化対策の更なる推進のための増員を福祉部などで行ってまいります。増加する児童虐待への対応強化のために児童相談所の人員を増員させます。不老川など緊急的な治水対策の実施のために県土整備部で一部増員を行います。オリンピック・パラリンピックの準備のための増員を行ったりします。病院局では全体としてはマイナス1課ですが、特に循環器・呼吸器病センターの診療体制の充実等のために38人の増員、2,363人から2,401人に定数を変えます。企業局・下水道局については今回は組織・定数の改正はございません。以上、2月定例会付議予定議案の予算と28年度の補正予算並びに組織・定数改正の報告を行いました。

日経

この予算で一般会計ほぼ前年並み、若干減っていますけれども、一方で税収が落ち込んで国からの交付金も少なくなっていて、財政調整のための基金を取り崩して編成すると伺ってるんですけれども、この中で未来への投資というふうに謳ってますけれども、そういう財政状況の中でも歳出をあまり削らずに支出していくというところの知事の思いみたいなものをお聞かせ願えればと。

知事

基本的には国もそうですが、社会保障関係の費用が毎年毎年増えていくという、歳出構造の増大という部分を避けにくい状況があることは事実です。そういう中で、プラスマイナスゼロにするようなことをいつも努力しているところですが、それは一つは増収策が一つ、もう一つは行政改革等での努力、これが二本柱になってきて、比較的増収などについても例えば企業誘致などが過去に総額で平成17年の1月から行ったところですが、2兆3,0000億(後に「1兆3,000億」に訂正)くらいですか、総投資額がですね。そういう金額から様々な税収につながるものが多くなっているわけですね。雇用効果ももちろんそうなんですが、そういう増収策なども行ってきたところであります。一方で定数を増やさない。仕事の量が増えても定数は増やさない。結果的には、効率のいい行政を行っていくようにして、総体的に人件費を抑えていく。しかし一方では、医療だとかこういったところでは、このところがんセンターの新築、循環器・呼吸器病センター新病棟の建設、小児医療センターの建設等で内容を充実させてますので、相当人員を増やしているわけですね。こういう部分では増の部分が多いのですが、今申し上げましたように企業誘致や産業団地などの開発によって増収効果をもたらして、トータルでプラスマイナスゼロくらいにしてきました。そんなわけで、これまでは何とか歳出の増に対する歳入の増を確保してきたところですけれども、なかなか厳しい状態になって、今までは400億(後に「500億」に訂正)くらい財政調整基金からいったん借りて、年度が終わる頃にはまたお返しすると。だいたい700億から900億くらいの間の基金を確保している状態でありましたけれども、今回は680億からの基金からの調達をしておりますので、従来通りの400億とかそういうお返ししかできないかたちになってくると、700億から900億くらい持っていた基金が29年が終わる時に場合によっては400億くらいにとどまっていくと。そうすると今年みたいに、六百何十億というお金なんか借りることもできないという厳しい財政状況に追い込まれてくることになります。ただ、いくらかこれから少し楽だなというのは、ちょうど重なりました、病院等の寿命が、建物の寿命とかが。それで、ここのところ支出増が多くなってまいりました。また、ラグビー場の建設などでオリンピック・パラリンピック等の関係でやむを得ざる支出というかたちでの増が多くなりましたが、これがいくらか平準化されてきますので、今後その部分と合わせてどれだけ県の税収増につながるような施策を打てるかというのが、まさにこの強い埼玉県経済。例えば農業分野なんかで税収増につながるような話というのはあまりなかったわけですが、これをもっと増やせないかとか、これは全く未開発の分野ですのでこういったものを増やせる可能性がありますし、今やってます先端産業創造プロジェクトなども大化けする可能性もありますので、こういったところからの近い将来における増収効果。また引き続き企業誘致に関しても、やはりより有効な企業が来ることで法人税、市町村には固定資産税というかたちで税収が増えてくるということになりますので、優秀な企業ほど安定的に法人税関連の法人二税が納められるということで、なおかつまた雇用も拡大すれば、雇用者報酬を通じての県税、県民税の収入であるとか、そういったものにつながってくるということですので、そういった部分でカバーしていくしかない。これは本当にやり繰りですが、それでも一貫して県債を減らすような努力をこれからも続けて、長い時間をかけながら過去の借金を徐々に減らして子孫にツケを残さないと。国は借金を増やすばかりですけど、埼玉県は借金を減らすばかりと、こういったことはずっと貫いていきたいと思っています。

読売

新年度予算の狙いとして、未来への投資ということで、人口構造の変化に挑戦すると、人口構造の変化に対する挑戦ということを意識されたというお話でしたが、要するに少子高齢化の進展に伴う生産年齢人口の減少に対して対策を打っていくという趣旨だと思うんですけれども、全国的にも同様の傾向が言える中で、特に埼玉県の課題はどういったところにあると考えているのか、知事の問題意識についてお願いします。

知事

一般的には、産業構造に手を付けていくというのは、あまりない話だと思っております、県レベルで。どうしても生産年齢人口が減っていくことに目を向けた時には、女性の参加とシニアの参加と。これは一般的に安倍政府についても、一億総活躍の中身は女性とシニアですね、基本が変わらないと思います。埼玉県が少し特色を持っているのは、もちろん少子化対策も当然これも国も変わりません。あるいは、他の都道府県も同じようだと思いますが、新しい産業をできるだけ興そうという、そういう考え方ですね。この先端産業創造プロジェクトというのは、まさしく日本の産業構造が自動車の一本足打法になりきってしまったと。かつては、電気、電子、あるいは機械、こういったところが三本柱と言われてきたんですが、今競争力を持っているのは自動車だけになってきていると。これでいいのかという危機感。こういうものを埼玉県は凄く持っていて、したがって先端産業創造プロジェクトも、ただし埼玉県だけではなかなか、例えば何が一番伸びる技術を持った企業なのかを選び抜く力、限界があるので経産省関係の産総研あるいはNEDOなどと組むとか、あるいは理化学研究所をはじめとする埼玉の大学やらいろんな大学、研究機関と組んで目利きをしっかりすると。そしてまた、NEDOなんかの研究助成とさらに金融機関も含めたお金を出すと、県も1件につき2,000万円と思い切った開発のための資金の提供もしているわけですね。こういう部分は、なかなか他のところではできない、思い切ったことができていない、これはやはり埼玉県の特色だと思っています。こういう積極的なところがないと、なかなか新しいものは生まれない。国も第三の矢の民間の成長というのが、いまだに実現していないと。金融政策と機動的な財政政策はあっても、民間の成長施策がなかなか出てきていないと。笛吹けど踊らず、お金は民間に貯まるばかりで投資がなかなかできない。もちろん、世界情勢や日本の経済情勢が今一つ伸びきっていないようなところがありますので、新しい投資がしにくいという状態がありますけれども、しかし埼玉県は若干、全国の都道府県の中では立地条件に恵まれている、地政学上恵まれた地域にありますので、多少ともそういう勢いのある県でありますので、この勢いのある県をやはり意識して、そういう先端産業創造プロジェクトなどを展開して花開かす。これを、私はやはり埼玉の強い経済のために非常に大事なプロジェクトと思っています。これが一番特色ではないかと思います。よく国もそうですけど、予算額で23兆円の景気対策とか言っているじゃないですか。でも中身を精査すると、そのうち投資的なものはいくらになるんだということを探していくと、案外少ないんですよね。つまり、民間の500兆と比べた時に、総額100兆円を超える国の予算の中で30兆は借金返しのお金、40兆は社会保障、残った30兆で各省庁に分けられて、かなりの人件費に持っていかれたりしていると。自衛隊なんかも、7割くらいが人件費だと。防衛省もですね。そういう世界ですから、県も公共事業だけでいけば800億台と、投資的経費でいったら1,500億と。つまり、どれだけ民間を巻き込むことができるかという、これがやはり景気対策だと思うんですね。だから、民間の持っている技術に、あるいは民間の持っているものに、何らかのかたちで背中を押すような仕掛けを作っていって、そこからポーンと出ていく。こういうものをたくさん作っていかないと、政府の投資というのは年々、これが新興国だとか規模の経済が小さいところでは政府予算というのは全体の中で大きいんですけれども、先進国になればなるほど政府予算と民間全体のGDPとは、どんどん民間が大きくなっていきますから、政府予算での仕掛けのというのは弱くなっていきますから、これをどうかすると私は大変口幅ったいのですが、政治家の皆さんは勘違いされている可能性が高いと思っております。政府の23兆円、というとなんとなく大型の景気対策、なんて感じですけど中身を克明に調べていくと意外に少ないと。

読売

今お話しいただいたパネルの打ち出しだと、最初にやはり少子化の話が来て、その後にアクティブシニアと来ていますけども、そういったこともやった上で先端産業の育成もしていくということでしょうか。

知事

そうです。はい。

埼玉

今回の予算編成にあたって、知事の中では特に最優先課題といいましょうか、最重要課題というのは少子化対策というお考えで編成されたのでしょうか。それと、市町村の協力というのも求められると思うんですけれども、今後展開していくにあたって、知事の中で市町村に協力を求めるというところでお考えがあったらお願いしたいんですけれども。

知事

ムーブメントというのでしょうか。運動体をつくるには、県の力というのは非常に弱いと思っています。市町村の力が圧倒的に強いと思っています。例えば、趣旨を徹底してやっていこうというかたちになると、県の政策の中にも県独自のやつと市町村や民間のムーブメント型というか運動型というのがあると思っています。例えば、ダイアモンド✡ユカイさんの話ですけれども、夫婦揃って婚姻届をする、これは県庁に来ない、市町村に来るんですね。市町村の窓口になっている、そうすると市町村でダイアモンド✡ユカイさんのメッセージをもらう。いろいろなことがあるんだなあと、なるほど県ではこんなこともやっているんだと、ではこれは活用した方がいいなとか。市町村でもこんなことやっているんだと、なるほどと、産後のうつケアのこともやっているんだと、ではこれは活用しようかとか、なるほど、便利だねと、どうしても忙しい時に夫婦で仕事してると、まだ1歳とか2歳で保育所に預けたりとかもしているんだけど、たまたま今度の土曜日は自分は出掛けなくてはいけないと、ではベビーシッターにお願いしようかとか、そういうチケットがもらえるんだとか。これはもうムーブメントなんですね。とにかく、多子世帯を応援しましょうと、これは3人目の人たちだけです、ごめんなさいと。1人目からやってくださいよという話だけれど、予算にも限りがあるのでごめんなさいという世界ですけれども、やはり3人産んでも大丈夫ですよ、みんなが応援しますよというムーブメントですよね。3人目を産みましょうという、産んでも大丈夫ですよというムーブメントと。こういうのは全部どちらかというと市町村や県民の協力を得なくてはいけない話ですので、そういうムーブメント型のところは県は限界があると。あるいは、他にもいっぱいあります。シニアの活躍についても窓口は市町村になってくるし、あるいはまた埼玉県コバトン健康マイレージ、健康長寿埼玉プロジェクトも市町村の取組を埼玉県が推奨することで、最初に埼玉県がモデル事業はつくりました、そのモデル事業をとことんやったらどうですかということで、とことんモデルを5市町村にやっていただいて、もう一つやりたいと言うので6市町村に増やすところですが、これも市町村でやることによって、規模が小さいですから実施結果というのは早く分かる。730万人近い方々を対象に何か運動しても、その成果を出すまでには少し時間かかりますので、どうしても市町村を対象にしながら、ある意味では善政競争をしていただいて、そしてその成果を全市町村で享受すると。ただし、こういう健康マイレージのシステムは県が用意しまして、システム開発にもお金もかかります。それぞれの市町村でやっているところもありますが、もったいないから県のものをそのまま使うかとか、どうぞ使ってくださいと、そういう標準タイプなどを県がつくることで、市町村は余分なお金を使わなくて済むとか。自ずから県と市町村の役割というのを意識しないと、なんでも県という話にはなりません。ただし、道路や河川あるいはまた高度な土木事業などは、県の方によりレベルの高い技術者がたくさんいることも事実ですので、そういったものは県がやっていくと。時と場合によっては、管理などは市町村にお願いするとか、そういうことがございます。私に言わせると、県が1つの矢、63市町村が63市町村の矢で、合わせると64市町村と県で、より強いことができると。こんなふうに思っておりますし、企業誘致にしても、実際適地がどうなのかということではピックアップは市町村でやっていただく。ただし、市町村的にはこれをお願いしたいということですが、よく見るとこれはなかなか動かせない農地であるとか、そういうものを判断する力は私どもの方に経験則上有りますので、あるいはかかる時間も経験則上知ってますので、それを提示しながら、早くやりたいんだったらここは無理ですねとか、あるいはここだったら狭いけど早くできますねとか、そういうサジェスチョンなんかもできますので、企業誘致にしても土地の提供や場所設定については市町村の力が非常に大きいと。ただし、各進出企業のネットワークに関しては県の方が大きいと。したがって、マッチングをどんどんしていくという、こういう役割分担をしながら基本的には埼玉県全体で抱えております人口構造の変化、これに対処していく。持続的な成長を可能にするような強い経済はつくれるのかどうか、それもきちっとやっていく。それから、最も災害の少ない県であると言われてきた埼玉県ではありますが、それでも大雪や竜巻や河川の浸水だとかもございましたので、そうとばかりも言えないぞということで地域の安心対策をしっかりやっていくと。こういう考え方に立っていけば、自ずと5か年計画で謳っております県民としての希望が叶えるようなかたちになってくるとか、あるいはそれぞれの個人個人が活躍できるとか、そしてこれからは単に経済成長だけではなくて生活に一種のうるおい感と言うのでしょうか、ゆとりと言うのでしょうか、そういうものが必要だということで5か年計画を提示させていただいておりますが、この5か年計画の目標とマッチできるようなかたちで、予算編成をさせていただいているところでもございます。

読売

一つ目の不妊の関係、少子化対策の関係でお伺いしたいんですけれども、不妊対策ということでいくと早期の不妊検査という意味でいうとおそらく1人目というか、産みたくても産めないところの対策になると思いますし、逆に第2子以降の後押しや多子世帯を支援するという意味でいうと、2人・3人を応援するという意味になると思います。よく理想子供数と予定子供数の差というのも言われていますけれども、今回の狙いというのは、産みたい人が産みたい数をしっかり産める、それを支えるということにこの幅広い支援の狙いがあると思ってよろしいのでしょうか。

知事

もとより、今回は多子世帯向けのものが一つ、それから結婚年齢が比較的高齢化している。したがって、子宝にぱっと恵まれればいいのですが、恵まれない時、例えばそのブランクが3年くらいあったとすると、場合によっては女性で32歳で結婚された、34歳で初めて不妊治療をして妊娠可能になったと、産まれたのが35歳だったと、初産が。そうすると、それからあと2人産むという、本当は3人くらい子供が欲しいんだけどという時に躊躇すると。そういうことのないように、例えば、ぱっと妊娠しにくいような体質だということが分かれば、それはそれですぐ治療の仕方があるわけですね、ダイアモンド✡ユカイさんは自分で自分のことを赤裸々に語っていらっしゃるんです。100人に1人無精子症がいるんだと、男性で。男性が半分やはり原因があるんですね、女性が半分原因。これも誤った知識が多くて、女性がほとんどだと思っている方々がいらっしゃると。実は男女とも同じような原因があるんだと、原因はもう2分の1同士と、50パーセント、それもまあ知らないと。それから、100人に1人男性無精子症があると。では、無精子だから子供が産まれないかというと、実は産まれるんだと。ちゃんと奥の方にある精子を取り出すんだと、手術で。それをダイアモンド✡ユカイさんは、はっきり著作の中でもオープンにいろんなところでお話もされていて、子宝はあるんだと。ないんじゃないんだと。ところが、誤った考え方で無精子だと思ったらもうそれで終わりだと思っているんですけれども、そうじゃないんだとか。そういうことを早く知ることで、早く子宝に恵まれると。そうすることで、2人目、3人目の可能性がより高くなっていくと。それを今回周知徹底しましょうというのが、まさしくウェルカムベイビープロジェクトと。啓発、治療の支援、あるいは出産の支援、そして今度は子育ての支援と、全部つなげちゃうと。産まれる前から支援をさせてもらいますと、産まれてからも支援させていただきますと。最終コーナーが高校生、とりわけ公立は事実上の無償化をもう実現しておりますので、私学においても所得(後に「年収」に訂正)が609万までだったら実質無償化ですと。まあ609万といったらもう平均よりもはるかに上ですから、かなりの人たちがこれで救われるというかたちになりますので、そういう意味でまさしく産まれる前から高校生までという、この流れが今回は出来上がっている。こんなふうに思っております。

朝日

知事が昨年の予算の会見で予算の編成過程を透明化したいということをおっしゃっていたと思うんですけれども、その際に議会の方にも相談するというお考えを示されていたかと思うんですが、その後どういったことになっているか教えていただけないでしょうか。その後の予算編成の過程を透明化することについて、その後の動きといいますか、その辺について教えていただけないでしょうか。

知事

議会に対して?

朝日

知事が昨年の会見の際にまだ予算の編成過程の発表のタイミングをまだ検討中でして、そこで議会の方と相談して発表のタイミングなどを決めたいというお話をされていたんですが、その後どうなったかということについて教えていただけないかと。

知事

前提は何だろうかな。

朝日

知事が予算の編成過程を透明化したいというお考えを示されておりまして、今後どういうかたちで予算の編成過程を透明化するかについて議会と相談して決めていきたいと言うお話をされていたんですが。

知事

去年から一部透明にさせていただいた部分があるわけですけど、それ以上のことはやっていないですね、特段。どこまでどうしたかな。特に、ちょっと私の記憶の方も定かじゃないんで、後で確認したうえで回答させてもらってよろしいでしょうか。

日経

人口構造の変動みたいなものでいくと、県内でも県南県北で相当人口構造のあり方がだいぶ違いますよね。こういう少子化対策みたいなものはどちらかというと人が入ってくるところではすごく効く政策なのかなという気がするんですけれども、人が減っているような県北の地域などでこういったものをどう生かしていきたいかというお考えなどはあるんでしょうか。

知事

人口が増えている県南部なんかではまさに核家族であって、今話したような部分が結構有効な手立てであります。そこで、人口を増やすエリア、いわゆる県北エリアでは人口は減少中であると。この部分の対策としての少子化対策。これはその少子化の前のいわゆる婚活の部分なんかが極めて有力な話になってきます。出会いですね。こういったものも県と市町村で一緒にやっている、予算もこの中では説明しておりませんがあります。

それから一方で、仕事のやる場所が薄いということですので、いわゆる圏央道は一段落したことから、県北に向けての企業誘致などを推進したいと。県北の場合は企業の側がかなり選択をされます。具体的に言えば現地での労働力の調達、人材の確保、それから広い空間、これは山間部になってくると広い空間というのがちょっと弱くなってくるんで、そうすると狭い空間で可能な企業などをやはり考えなくてはいけないと。このように同じ企業誘致でも、それぞれの立地条件によって中身が異なってくるんで、圏央道プロジェクトと同じようなことはなかなかしにくいと。圏央道はだいたい田園地帯をずっと走っていますので、大きい空間が確保しやすかったわけで、実際そうしたんですけれども、県北になってくると少し山間部に入ってくるところもありますので、どうしても区画が小さいと。区画が小さいと、大きいところなんかは進出できないと。小さいところはどうしても雇用が小さいと。しかし逆に言うと、あんまり大きいところは人材確保が困難だから逃げるという部分もありますから、それは特色に応じて確保しながら人口動態の変化は、地域地域の実情に応じて判断していかざるを得ないと思っています。

埼玉

自民党の私立高校の教育費負担軽減のための要請のことで、先ほどの冒頭で知事が議会からの質問とか応援もということでかなり踏み込んだというお話ですけれども、特に自民党さんが負担軽減というのを要望されていたと思うんですけれども、知事としては満額の回答といいましょうか、答えたというようなお考えでしょうか。

知事

そうですね。議会全体としてはやはり教育費負担軽減というのは熱心だと思っています。とりわけ自民党には私立学校懇話会(後に「私学振興懇話会」に訂正)があって、そちらの方でかなり細かい内容について要望が出ております。そういう要望も時宜にあったものであれば当然取り上げていきます。今回は極めて適切にそういうタイミングで、タイミングの良い中身を提案されたことは事実だと思っています。

ただ、どこで切るかという話で、なぜ609万なのかということでいくと、東京都が760万で例えば賃金の部分が東京が3割高いと、埼玉県より。1.3で割っていくと、この609という数字が出てくるわけですね。東京都並みに基本的にはやろうと。隣りの県だからと。競争するつもりはないんですけれど、東京都並みにやろうというこの打ち込みを賃金体系で考えたと、報酬で東京の方が3割高いと、逆に言うと3割少なくて良いんだと。この区切りが。その区切りを設定させてもらいました。結果的にはそのことが、東京では30パーセントしかカバーできていないんですが、こちらでは35パーセントカバーしていると。東京都抜いちゃうとかそういう気持ちは全くありません。「東京都に負けない程度のことはお願いします」という要望があったことも事実ですので、そういうことではなくて、賃金体系が違いますので、自ずから東京都同じ金額にすると、ある意味では、高いレベルになりすぎると言うんでしょうか、そんなことでありましたので、東京都の賃金体系に合わせて埼玉県の賃金体系を組み立てていくと、この数字が出てきて、この数字を適応していったら、対象者が35パーセントになっていると。結果的には、実際は埼玉県がいつも先行してやっていたことなんですが、たまたま東京でビッグなプレゼントをされたと。こちらの方も何らかのかたちで用意というか検討はしておったところです。要請もありましたので。どのレベルが一番良いのか検討していたところ、こういう数字が出てきましたから、近県でありますので、レベルを同じくらいにしないとまずいのかなということで、こういう数字が出てまいりました。以上です。

朝日

関連なんですけれども、逆に議会対策で自民党という存在があるために今回予算に組み込まなかった事例とかがあるのかということと、予算の透明化の問題ですけれども、東京都の小池都知事などは業界団体からの要望とかをマスコミにフルオープンにさせると。あと予算の根回しとかを都議にせずに「直接勝負しなさいよ」というふうに指示されていると伺っておりますし、昔ですけれども、鳥取の片山知事のときは知事査定もマスコミに全部オープンして見える予算というのをPRされてました。

一方で埼玉県に関していえば、今回の知事査定も冒頭3分間ぐらい報道の公開ということで、実質中身については分からないと。上田知事のカラーというのは、今回の予算発表の記者会見等でしか伺い知ることができずに、議会でも自民党さん中心になかなか知事が答弁する機会が少なくて県民の方々も上田知事が何を考えていらっしゃるのかなかなか見えにくい状況になるかと思うんですけれども、そういうもうちょっと自分の、上田知事しかできない予算とかをPRする手段として、予算の編成過程の透明化等について今後積極的に進めていくおつもりがあるのか伺います。

知事

なかなか埼玉県みたいに特殊なところでどういうプロジェクトがあるかということをすると、そこの土地の値上がりを誘ったり、買占めに伝わったりする可能性が高いですね。鳥取でどんなプロジェクトをやっても、こういっては大変失礼ですけれども、地価が下がることはあっても、増えることは無いと。やはりこういう地域事情というのはありますよね。年々人口が増えているようなところで予算の査定の中で、とくに公共事業がらみだとかそういったもので、どこでどう動くんだということがあらかじめ分かってしまえば、何らかのかたちで波乱要因を作る可能性が高いと思っています。全部オープンが良いとは思っておりません。

それから各団体それからまた各会派からの予算要望があって、そこで意見交換もさせていただいているし、基本的なことに関しては全部回答もしております。どういう考えで臨むかということに関しても。そういうプロセスはオープンにはなっているんですね。その気になればオープンにやっています。それから肝心の予算編成作業になってくると若干クローズかもしれませんが、それ以前のところではそれなりにいろんな発信をしているわけです。全く目新しいかという話ではなくて、規模感とか予算の金額の話が出てくるわけで、あるいはより充実するかしないかとかいう話で、中身そのものが急に出てきたというものはそんなに無いわけです。むしろ急に出てくる話は事前に発表したりしているわけです。こういうことについて埼玉県は考えると。例えばこのこうのとり大使の不妊治療の問題なんかはすでに出してきているわけですね。それよりレベルを上げていくか下げていくかというところであります。全部オープンにする話だとか、あるいは一部オープンにする話というのは、そのこと自体がまた一つの大作業になって本当の仕事かな、という感じは私はあります。まだ議論の過程なのにその議論の過程だけが先に飛んでしまって、先走ってそうでなくなったときに、こういう議論が行って最終的には私の責任でパスにしましたと。しかし新聞だけではもう踊っていると。そういうのはなかなか辛い話になりますね。この高校の609万までの話にしても、とにかく東京都並みにという話が賃金体系を東京都並みにという伝わり方にならなくて、760万という所得の東京都並みにというかたちで伝わってしまったら、今度はこれを覆すというのは並大抵のことではなくなったりします。必ずしもオープンというのは議論の過程の中で全部出して良いのかどうかということには私は疑問を感じます。皆さんの書きようによっては、見出しが大きく出ちゃいますので、760万の方が出てしまったらなかなか辛い話になってしまいます。自ずから所得も違うわけですから。これで8パーセントカバーというかたちで(後に削除)なんでこんなに所得の高い人までカバーをするんだという、そういうこの不公平感みたいなものが出てくるかもしれません。東京都ではそうでもない話が埼玉県ではそういう話になってしまうと。こういう事例というのは私はあると思います。数字の一人歩きとかそういうのがありますので。非常に議会側は敏感です。まだ議案で説明も受けていないときから話が出ているということで、だいたい3年に1回ぐらいは陳謝まではしませんが、何らかのかたちで謝っています。こちらで出したつもりはないんですけれども、漏れていると。議会に説明も無い前から漏れるのはいかがなものかということで、団長とかが詰問に来られますので、私は「重く受け止めました」と。「御指摘をしっかり重く受けとめて、今後注意をします」と、こうお答えせざるを得ません。こういう課題もありますので、議会で審議をしていただくという話と、それからオープンマインドの話というものの境目をどう見るかと言うのはなかなか辛いところです。したがってたぶん議会とも相談してというような話を昨年したのかもしれません。その相談具合を内々に、どんなふうに企財部長を中心にどこまでしたかというところの確認が私記憶が、たぶん、私に報告があったのかもしれません。話したけれど余計なことをするなと言ったかもしれませんし、あるいはしっかりやれと言ったのかもしれませんし、その確認をよく覚えておりません。よく確認してからお答えしたいと思いますが、たぶんそういう流れの中で話が出たんじゃないかなと思っております。いずれにしても一見オープンマインドというのはすごくかっこいいみたいですけれども、肝心のオリンピックの業務の負担の中身などについては全くオープンマインドではやっておりませんので、オープンマインド好きな小池さんが、まあ調子のいい部分だってありますから、はっきり言って。見せ方ですよね、オープンマインドでやっているという見せ方がオープンマインドです。こちらはオープンマインドでやっていませんということがオープンマインドになっています。

毎日

予算の関連で強い埼玉県経済を標榜されていますけれども、その中で先ほど先端産業プロジェクトを進めたいというお話がありまして、それは理に適っていることだと思うんですけれども、他の東海地方とか九州の地方とかたぶん先端産業って、航空宇宙産業であるとか先端の医療機器とかそういったものを想定されているかと思うんですけれども、さっき言ったような地域でも予算化したりとか、かなり力を入れているかと思うんですけれども、そういった中でも埼玉県が勝ち抜いていくためにはどういったことが必要であるかという知事の御見解をお聞かせいただけますか。

知事

何でもそうですけど、先行して答えを出していった方が早いんですねこういうのは。例えばマグネシウム電池も、トヨタも仕掛けていたんですが、埼玉県がやっているということが分かったらもうトヨタはやめっていう話になっちゃうんですね。打ち方やめという話になっちゃうんですね。常にそうだと思います。実用化の一歩手前まできたところが勝ちという感じになってきますので、やはり分野分野で進んでいるものはさっと進めると。他の情報を聞きながらこれはもう遅れたということがあれば、そっちは打ち止めとか。そういうことを丁寧にやっていくことが大事だと思っています。3D内視鏡の話なんかも、もう先行しておりますので、これで成功すればかなりの、引き合いはすごく多いですから今でも、稼ぐ力になるかと思います。世界中の医療機関がこれを求めると思います。値段も決して安くないし。相当の価値を持っていると思います。マグネシウム電池にしても実用化までいってしまえば、これも相当な価値があると思っていますし、企業化していけば相当なものになると。その場合、ちゃんと埼玉県も関わっていますので埼玉で工場をつくってもらうとか、そういう注文をつけていく。自ずからそういうことになっていくんです。たまたま本社が違うところにあっても、こちらで開発したものに関してはこちらでやっていただく。埼玉発の企業の中ではそこが膨らんでいく。そうすると自ずから集積もそこになっていくというかたちでいきますので、これはやっぱり早く成功したところが勝ちで、どちらが強いとか弱いとかではなくて、それぞれ分野ごとに違ってくると思います。だから埼玉の場合、ちょっと1年くらい早かったと思いますので、その分だけ早めに成功する確率が高いかなと思っています。

産経

昨年度、前年度の予算だと、稼ぐ力の強化というのが一番地にあって押し出しも強くて、こういうのもある、ああいうものがあると積極的にPRされて出てきていると思うんですが、結婚・出産・子育てということで、つまるところ少子化につながっていくというところになると思うんですが、これは打ち込みという点で知事の満足度、どれくらいの思い入れがあるかと。

知事

なかなか少子化対策の成果というのが出ない傾向がありました。ずっと少子化対策が叫ばれながらも必ずしも成功していない、そういう経過がありました。徹底してやったかなという部分がありましたので、市町村と共同事業してみようということで、事務レベル、副市長副町長レベル、それからトップレベル、三段階に分けて議論して一緒にやりましょうということで共同プロジェクトにさせていただきました。つまり施策だけでなくてムーブメントにしようと。そうすれば強くなるんじゃないかと。不妊体系が比較的ありませんでした、これまでの少子化対策では。三人目に補助金を出すとかあるいは住宅に補助を出すとか。多子化に対する助成金というパターンはあっても、不妊プロジェクトに関してはあまり熱心でなかった。それはなかなか辛い話だからですね。時々嫌な話にもなったりするんで。お子さんまだですかなんてうっかり言えないような時代になってしまったという。かつてはさらっと言えたんですが、今はなかなかそういったこと自体が不愉快な話だということで、言えないような時代になったこともあり、言わば不妊対策の話なんか行政が真正面から取り上げることは無かったんですが、議論していくうちに真正面から取り上げていくべきだということもあり、あえて自ら無精子症で困難だと思っていたら、そうじゃなかったということが分かって、その後ちゃんとお子さんを子育てされているダイアモンド✡ユカイさんなどの温かいメッセージ、明るいメッセージを不妊で悩む人たちに伝わっていますし、まだ結婚もしてないんだけれども、そういう人たちにもそういうのが分かっていただける、あるいは結婚したてで、そんなことまで心配しなくてはいけないのかという人たちにも、「いやいやと軽く考えてくださいこういうこともありますから」ということで温かいメッセージに変えていくという。この不妊対策関連の予算化あるいは運動というのは従来行政としてしにくかった部分ですが、共同事業として市町村との議論の中で思い切ってやりましょうということでやらせていただいている。今回やはり市町村と共同でやらせていただいていると、これが従来の少子化対策と異なっているところと。これでどこまでできるかを確認する作業がいるなと思っています。これでもし、レベルが上がれば、場合によっては全国的に使える話になるのかと思っています。何とか成功に導くための努力をしてみたいと思います。

埼玉

基金の話なんですけれども、県債が3年ぶりに増加をしていますけれども、そこら辺は歳出規模の増大というところに繋がるもので、来年ばかりは県債の方も増えてしまうという認識でよろしいんでしょうか。県債が3年ぶりに増加になりましたけれども、先ほどの基金の取り崩しの話のなかで、歳出規模が増えているというところに繋がるものがあって、今回ばかりは県債の方も増えるという認識でよろしいんでしょうか。

知事

ひとつは交付税が臨時財政対策債が増えて交付税の中身が減っていることとか、全体として国の例えば公共事業などが減ってることとか、そういった部分を県単で埋め合わせをしていることとか、財政的に支出が多くなっているんで、財政調整基金でカバーを今していると。そのカバー額が従来の金額よりも大きいもので、こういうことを来年仮に30年度予算などで続けてやるようなことになったらなかなか大変なかたちになるなということを申し上げて、来年などは例えば増収策だとか、あるいは何らかのかたちで財政調整基金を使わなくても済むようなそういうやりようをそういう工夫が今度は必要になるなと。今年と同じようなやり方はしにくいなと、残額からして。それを先ほど申し上げました。

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その他の質問
ムサシトミヨの生息状況調査について

埼玉

ムサシトミヨについてなんですけども、一部報道で昨年の調査でかなり激減しているというお話が出ていましたけども、また県の方で公表はされなかったということですけどもその辺について知事のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

知事

ムサシトミヨのことに関しては私も実はすごく関心を持っておりますので、ある程度はずっと、例えば分散して育てておかないと、1カ所に置いていたらそこがダメになった時は全部パーになるので今県内でも4カ所に分散している事とか、そういったことに関してすごく関心を持っております。単純です、そんなに公表するしないとかということでは基本的にないんです。基本的に1年に1回しか生み育たない、1年経ったら死んでしまうという、そういう性質の魚でもありますので、調査の時期が限られてると。したがってその時に調査ができなかったら次は翌年になってしまうということがあります。すると、原因がはっきりしない時に公表の話が本当にできるのかどうかと。こういう話もあります。したがって、もう1回調査をして確認しないと、例えば誤差の範囲内だったのかとか、たまたまその時そうだったのかとか色々課題がありますので、これやむを得ないというふうに思っています。公表する公表しないという課題ではなくて、調査をする時期が限られているという、もうこれに尽きると。したがってその時期を逃したらもう1度じゃあ調査ができるかというと調査ができるわけでもないと。したがって、来年にまた調査をするしかないと。そこで同じような傾向が出てくるともう誤差とかあるいは特殊要因ではなくて、明らかに何らかのかたちで激減の方向に進んでいるとか、そういうふうに解釈しなければいけないのですが、たまたまその周辺にたまたま採取ができなかったとか、そういうこともありますので多少は群れを成してますので、一概にじゃあむやみやたらあっちこっち、それこそ採取できるかというとこれもまた敏感な魚でありますのでそれもまたできないと。いずれにしても公表する公表しないというよりも、いかにして保存するかというか、種を保存するかというのが大前提ですので絶滅しないように、維持ができるように、あるいは場合によっては拡大するようにするのが我々の務めだと思ってますので、公表する公表しないという論点ではないと思っております。もちろんずっと経年変化をそれぞれわかる範囲内で見ておりますので、最終の数、そしてまた推定生息数等々も見ておりますので、27年が以前に比べて極端に少ないということは事実です。事実ですけども、それが科学的なのかということに関してはもう1回やらないと本当のことは言えないのかなということでございますので、あえて公表しなかったというふうに理解していただければありがたいと思っております。

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(終)

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