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掲載日:2021年4月1日

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 知事記者会見テキスト版 平成28年8月2日

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平成28年8月2日(火曜日)

 知事発表
埼玉県5か年計画大綱について

埼玉県5か年計画大綱について(PDF:1,144KB)

知事

本日は、埼玉県5か年計画の大綱ができあがりましたので、この内容について、県民の皆様に御報告を申し上げます。現行の5か年計画が28年度、本年度で終了いたします。したがいまして、次期5か年計画のたたき台となります大綱を作成いたしました。これまで、「安心・成長・自立自尊の埼玉へ」ということでありましたが、こうした安心・成長・自立自尊を踏まえながらも、さらに「希望・活躍・うるおいの埼玉」というかたちで、大きなスローガンを掲げました。今後、県民の皆様のコメント、市町村等の意見を反映して計画案を策定し、議会に提案して、いろんな問題提起を受けたいというふうに考えております。目指す将来像でありますが、希望と安心の埼玉であります。また活躍、一人一人が活躍できるような人材になれるように、そして持続的な成長ができるような埼玉、そして環境などをしっかり作り上げたうるおいと、そして誇りある埼玉県の埼玉づくり。こうした目指す将来像を掲げながら、時代の潮流を踏まえて11の挑戦と分野別の施策と、そして地域の施策の展開を明らかにさせていただきました。個別に入ってまいります。基本的に本県を取り巻く時代の潮流、これが一番のポイントであります。一つは生産年齢人口が2015年、平成27年の段階でも、例えば444万の生産年齢人口が10年後には435万、そして20年後には401万と働く世代がどんどん減っていき、そして高齢者が増えていくというこの社会構造が、だいたい全国平均と比べて5年遅れくらいで埼玉県は生まれてまいります。1995年が日本の生産年齢人口のピークだったのですが、埼玉県では5年遅れの2000年というかたちになっておりますが、このようなかたちで5年遅れくらいで、埼玉県は日本の全体の人口構造から5年遅れくらいで、そんなかたちになっていきます。一方埼玉県は、地の利に恵まれているところでもあります。御案内のとおり、平成27年10月に圏央道の県内全線が開通をいたしました。そして、東京外かく環状道路は埼玉県側だけでは出来上がっております。まさしく、県内を関越道そして東北道、常磐道というかたちで通っておりますし、この圏央道を通じて中央道そして東名道。さらに、新幹線網が北海道まで東北新幹線、山形、秋田のミニ新幹線を含めて、東日本を覆っておりますし、上越新幹線で新潟まで、さらに北陸新幹線で金沢まで、とりわけこの北陸、上越、北海道、東北新幹線に関していえば、大宮を起点にして大きな広がりを持っているという特色を持っています。こういう意味で、埼玉県のまさにロケーション、地理的な位置というのは、今後も持続的な経済発展のいわば基礎的条件にもつながって、そういう意味での地域をどう生かすかという課題を明らかにしているところでもあります。

そこで、埼玉の11の挑戦でありますが、基本的には結婚・出産・子育ての希望を実現していこうという、このポイントの中には不妊に悩む夫婦への支援、この視点が比較的今まで弱かったところでありますが、3組に1組は何らかのかたちで不妊に悩む夫婦が多いという実態を捉えて、こうした部分の支援をしっかりやろうと、そして教育・住宅などの経済的負担の軽減を行って、子育てに苦しまなくても済むようにしようと。子だくさん世帯への支援をしっかりやっていきましょうというかたちで、出生率を上げることを考えております。そして、働く世代が少なくなっていくことを踏まえて、これまでもウーマノミクスプロジェクトなどを展開してまいりましたが、さらにシニアの活躍推進のために地域活動で活躍できるための支援、いわば地域デビューをしっかりしていただこうということでもあります。そして、働く意欲と能力のある方々のシニアの支援をしっかりやっていこうと。そして、高齢化社会のポイントであります健康・医療・介護の安心の確保、まさしく医療問題や介護問題のポイントは、いかに健康であるかというところが大きな要素を持ってまいりますので、この部分をしっかりやってまいりましょうと。そして、地域包括ケアシステムの構築を市町村が行っていくのですが、これをしっかり支援しましょうと。一方で日本の産業力が落ちてきていることは明らかであります。こうした問題に対しても中央政府に全てを依存するのではなくて、地方からも大きく稼ぐ力を向上させましょうということで、先端産業の育成、ナノカーボンやロボット、あるいは医療イノベーションなどに力を入れていれてまいりましょうと。そして、海外である程度の生産拠点を作っていくのも今日やむを得ない、こういう事情の中で海外ビジネス展開の支援をしっかりやりましょうと。さらに、中小企業が生き伸びるには、まさに生産性向上をしっかりやらなくてはダメだということで、企業の生産性向上支援をやろうという3本柱を中心に、稼ぐ力の向上など、こうした挑戦を11。いくつか挙げれば時間かかりますので、見ていただければありがたいと思っています。次、行きます。

また6つの分野に分けながら、14の基本目標57の施策、そして主な施策指標についても、基本的な目標数字を達成させるべく数字を掲げております。現況はこうだ、そして5年後にはこうしようという、きちっとした数字を挙げて目標設定を明らかにしております。例えば6つの分野の中で「未来への希望を実現する」、この中での14の基本目標では「子供を安心して生み育てる希望をかなえる」、「誰もが健康で安心して暮らせる社会をつくる」、この中でも「きめ細かな少子化対策」に関していえば、合計特殊出生率1.34を5年後の33年には1.50にしましょうという、そのためにどういう政策が必要かということを57の施策の中で打ち込んでいるわけであります。あるいは「地域医療体制の充実」の中で「重症救急搬送患者の受入照会が4回以上になる割合」が、残念ながらまだ26年当時において7.8%あります。これを33年までに3%以内に抑えましょうと。こういうことで、重症救急搬送患者の安心というものを確保しましょうと。こういうことをしっかりやっていこうということで、6つの分野で14の基本目標、57の施策、そして基本的に数字を挙げながら、具体的な施策の指標を明らかにしております。

また、地域の政策を展開するには地域のゾーンや地区の設定ということも正確にしていかなければならないということで、3つのゾーンと10の地域区分に分けました。基本的には、いわゆる人口が急激にまだまだ増えている南部の地域と、そして圏央道を中心にしてその境目の地域と、そしてだいたい60キロから北部のあたりのエリアと、3つのゾーンである程度共通の政策課題があります。この共通政策課題を踏まえながらも、秩父には秩父の政策課題、あるいは児玉郡市には児玉郡市の政策課題、あるいは利根のエリアには利根のエリアの課題、県央ブロックでの課題には県央ブロックの課題、それぞれに課題があります。そして、この一番人口の多い、また増えている東部地区、あるいは川口などを中心とした南部、そして朝霞地区などを中心とした南西部、さらにさいたま市という、こういうゾーンと地区区分をしながら、それぞれの課題を問題提起しながら、それぞれの市町村と協力しながら、何が優先課題か、そして何を解決していけばまさしく6つの分野、14の基本目標が達成できるのか、しっかりと対応していきたいと考えております。

そして、この計画を着実に実行する仕組みをそれぞれのところに、しっかりと打ち込みをさせていただきました。施策の評価に基づいた県政運営をこれまでもやってまいりましたが、さらにそれを強調しようというふうに思っております。基本的にはプランを立てる、実行をする、そして施策の評価などのチェックをする、こんな時に県民の満足度の調査なども含めていく、そしてそれを踏まえて実際に動いていく。さらに、その動きながらまた改めて修正的なプランを行っていく。そしてそれをまた実行していくという、いわゆるPDCAサイクルを回していくという仕掛けにしていきたいと思っております。そうしたことで、効率的・効果的な県政運営が可能だというふうに思っております。社会保障費の増加が見込まれるのですが、単純に見込まれるから大変だ大変だということで騒ぐのではなくて、例えば糖尿病が重症化すれば、いわば透析患者となってしまえば年間500,600万円の費用がかかるのですが、それ以前であれば50,60万で済むという。では、少なくとも透析患者にならないようにするにはどうすればいいのかという、糖尿病重症化対策というのをしっかりやっていけば、まさに社会保障費の増加が見込まれるというところですが、少ない費用で大きな効果を上げることができる、こういうことが言えますし、健康長寿プロジェクトによって、年間約300億円のいわゆる国民健康保険の一般会計からの繰り入れ、要するに赤字部分をどれだけ減らすことが可能なのかということなどを市町村と組んで検証中でありますが、これを実行することでまさしく社会保障費関係の増加が見込まれますが、必ずしもそうはならないようなかたちに持っていきたいと考えております。いずれにしても、住民に一番身近な市町村との展開が極めて重要でありますので、市町村との適切な役割分担をしっかりと行いたいと思いますし、また、企業などがまさに働き方の展開においても重要な役割を果たしてきました。これまで、埼玉県は30代、40代の女性の勤務、つまり働きがM字型カーブの最も日本全国でも底になっているところがありましたが、ここ4、5年くらいでの企業における、いわばワークライフバランスなどの運動などを通じ、あるいは出産や、あるいはまた妊娠された女性の働き方を変えることによって、相当な成果を挙げてきておりますので、企業の果たす役割、そして様々な団体、さらにそれをつなぐNPOなどとの協働作業を通じながら、まさしく国、市町村、そして埼玉県、民間ともに効果的な運営をやっていきたいと思っております。こうしたことを踏まえながら、さらに地方分権の成果を生かして、主体的に県政を運営していきたいと思っております。まさしく特区で始まりましたハローワークなども、全国展開ができるようになりました。より雇用に関しても、埼玉県として責任を持つことが可能になってきましたので、そうした部分でも権限をしっかり使いながら、さらに展開していきたいと思いますし、また市町村との適切な関係の中での権限移譲も推進していきたいと考えております。

最終的に県民コメントの実施を行ってまいりますが、8月2日から9月1日までの間に県民の皆様からのいろんな声を伺いたいと思っています。では、この5か年の計画大綱はどこにあるんだということであれば、ホームページからダウンロードすることができます。あるいはまた埼玉県企画財政部計画調整課、本庁舎の2階などで見ることも可能であります。さらに、埼玉県の各地域振興センター及びさいたま市、計12か所(後に「など」に訂正)で閲覧することも可能であります。また、細部にわたっていろんな意見を郵送ですることもできますし、ファックスであるいはEメールで、いろんなかたちで問題点を提起していただければ大変ありがたいと思っています。また、電話などでのお問い合わせも可能でございます。こうした県民コメントを実施しながら、しっかりとこの5か年計画の大綱を踏まえて、最終的に5か年計画を策定していきたいと考えているところでございます。

毎日

幹事社から2点ほど質問させていただきます。1点は今回の大綱のほうですね、現行の計画に昨年知事が知事選でも掲げられてらっしゃった3大政策ですか、2025年への挑戦であったり、稼ぐ力であったり、人財開発であったり、こういうものが色濃く反映されたものだと思うんですけども、知事としてはどの程度3大政策を今回の大綱に盛り込むことができたとお考えでらっしゃるのかと、あと、それ以外で今回の大綱で知事が力を入れられた分野というのはどこになるのかということですね。

あともう1点はPDCAサイクルを導入しますということですね。先日自民党県議団からも施策指標ですかね、PDCAサイクルの施策指標の中で管理者を置いたらどうかとか、県民満足度調査とかでも、県政サポーターではなくて、広く県民から県民満足度を調査しないと実際に反映できないのではないかというような提案もあったかと思うんですけど、そこについて今後どのようにされていくのかと、どういう考えがあるのかとその2点をお聞かせください。

知事

基本的には2025年問題の解決ということを知事選挙のテーマにさせていただきました。それは人口構造の変化というものが1995年以降明確になってきておりまして、そのことを私自身は意識しておりました。それは女性の再チャレンジ支援であり、ウーマノミクスプロジェクトでもありました。それに加えてシニアの活躍などを加えて、2025年問題のポイントにさせていただきましたし、何よりも地域社会で安定した社会を作ろうということで、そのポイントはいわば住んでいるところで自己完結的に医療や介護が可能なかたちを作ろうではないかと、それが地域包括ケアシステムのポイントになるわけでありますが、それは基本的に市町村にありますけども、市町村だけでは解決できない、例えば、小さな町に総合病院があるかというとない、そうすると2次医療圏をどうするかとか、あるいは専門病院とのネットワークをどうするかとか、こういった問題は県の問題になってきます。そうした問題を下敷きにしながら、埼玉県としての全体の枠組みを、この政策(後に削除)大綱の中で、一応下敷きにしながら、踏まえてきたものだというふうに思います。具体的に特に知事選の政策大綱以降で私が極めて気にし始めてきたのは、子育て支援の中でも、不妊に悩む夫婦への支援、この部分のポイントが私の頭の中にあまり無かったのですが、いろいろな対策を勉強するうちに、3組に1組は不妊に悩んでおられる。しかも残念ながら、私の娘にも経験がありますが、2年間ぐらいは何も考えていなかった、つまり、神様からの授かりものということでじっと待っていた。3年目くらいに慌て始めた。で、病院などに行ったりして3年目に生まれることができたと。もし、結婚と同時に何らかのかたちで不妊の相談などを1度は相談をする、可能性のことについて少し考えておく、そうすると最近は30歳前後で結婚される場合ありますので、30歳過ぎてから2年間待ってるよりは、最初から少し困難な状況だと分かったうえで、何らかの治療を受けたり相談を受けて、最初から妊娠をされる、そうしたら、2年遅れとか3年遅れがなくなる、そうすると35歳くらいまでに2人くらい出産できる可能性が高くなる。逆のケースで言うと35歳までに1人の可能性もある。希望出生率が2.46(後に「2.42」に訂正)でございますので、結婚されて子供が欲しいと思う方々は、2人ないし3人ほしいという感覚でおられますので、その可能性をきちっと確保する、そうしたことについて、しっかりした少子化対策、正に生きた少子化対策を埼玉県としては展開したい、こんなふうにこの部分などは私が選挙のときに公約で出した部分にはなかった部分の代表例であります。他にもいくつもありますが、代表的な例であります。

それから2つ目のPDCAサイクルなどについて、これも私は知事に就任以来、「やってます」ではなくて、「やった結果どうなったか」ということを相当意識した人間でありました。成果を出す行政というのが、私の上田県政のテーマであります。具体的に成果があるのかというのが私の考え方でありますので、それも議会などで御指摘いただいて、その回し方についても単に成果を確認するだけではなくて、この県民満足度調査についてももっと工夫をしたらどうだというようなことを議会でも御指摘いただいております。「県民サポーターは同じ人ではないか」と、「同じ人の目線ばかりだとどうなのか」と。ただ、一般的に経年変化だとか、そういうのを調べるのには、バラバラに尋ねていると分からない部分もありますので、モニターの同じ方というのも、必ずしも否定できない部分もあります。物によっていろいろ考えたらいいかもしれません。この辺はまた分析の仕方についてもいろいろと議論しなくてはいけないと思いますが、そういう御指摘をいただいたりしております。評価の結果の公表の仕方の表現なども細かく御指摘いただいたりしております。自己評価的な公表ではなくて、もうちょっと第三者の目を入れた公表の仕方があるんではないかとか、そういうことも言われたりしておりますので、PDCAサイクルについても一般的によく言われることですが、それぞれまだひと工夫があるのかなと、こんなことを言われておりますが、しっかりこうした部分も含めて県民コメントを、何よりも比較的手足を持っている、そして住民と直結している市町村との協働・協議が極めて重要でありますので、具体的に健康長寿プロジェクトも県が展開するというよりは市町村で展開していただきたい。まさに市町村の善政競争などを県が支援をする、そういう政治をそれぞれ競争していただいて、それを県が支援して、結果として、埼玉県全体のレベルアップに繋がるというような、そういう意味では市町村の役割も大事でありますので、市町村ともしっかり協議をして、そして県民の皆さんからの意見を入れて、そして案として議会に提案していく。そして、議会の御見識・御見解を伺いながらまとめていく。こういうかたちになっていきます。

埼玉

地域の施策展開のところで、かなり細かく地域を色分けされているかと思うんですけど、これというのは知事のお考えとしては、どこら辺にあるのでしょうか。

知事

細かく調べていくと意外な結果が出たりするんですね。比企・川越(後に削除)地区なんかが埼玉県下で一番出生率が低いとか、秩父かなと思うとそうではない、なぜなんだということをしっかり分析する必要があるわけですね、このエリアの市町村と一緒に。そうしたことで同じ少子化対策でも打ち込み方が変わってくる。あるいは一般的にこちらのほうが人口が減っていて、企業誘致だとか企業立地だとかあるいは生産拠点がほしいとか、就職先がほしいという話が一般的に強いんです。そのなかでも秩父エリアと利根エリアではどう違うのかというのはまた中身が違ってくるんです。交通の便のいい、この辺りだといろんなところに通えるので、それを念頭にしなくてはいけない。秩父あたりだとあまり通えないので、この秩父在来の産業をどう起こしていくかとか、そして比較的技術者が変わらないところがいいわけですので、例えば秩父なんかの産業なんかは、パートの方も含めてあまり変わってもらっては困るところが多いんです。ところが丁度このエリアは浮気がしにくいところなんです。交通の便がいいわけでもないし、いろんな企業がたくさんあるわけではないので、一旦そこに入ればしっかりそこで仕事をなされる。したがって、技術の練磨度が高い。したがって技術の練磨度が高いような企業立地が非常に望ましくなってくるとか、精密機械だとか非常に技術の高いものだとか、あるいは最終的に人間がチェックしなくてはいけない作業だとか、そういうものはこっちのほうに立地するほうがいいんですよというお勧めの仕方があるんです。このあたりだと例えば狭山だとか入間、所沢あたりだと企業の数などが多いので、賃金が高い所に動いていく可能性があるので技術力をしっかり蓄積したい企業は困るんです。そういうところはそんなに技術力が蓄積されなくても済むような、マニュアルで済むようなところの立地なんかになってきたりします。それぞれ抱えるところが違ってきますので、そういうものを踏まえていかないと、同じように何でもいいから企業が来いという話ではなくなってきますので、そういう部分を細かく分類しながら、同じように企業に来ていただく場合にも、「こういう所がいいではないでしょうか」とか、そういう話などが出てきます。逆に働き手が1,000人必要なんですという話もあるんです。それを今度秩父に持っていくと「いきなり1,000人なんて難しい」という話になってきます。そうすると1,000人規模で集まりやすい、「交通の便のいいところはどこだ」という話になってきます。「ではここはどうでしょうか」ということでマッチングさせるとか、そういういろんなパターンがありますので、そういう意味で、ある意味では区分分けをしていく必要性が出てきたりします。

朝日

大綱を作るうえで、知事のほうから、企画財政部などに何度も指示したこととか、「こういう視点を大事にしろ」とか、そういうのがもしもあれば教えてください。

知事

有りすぎて覚えられないくらい。

朝日

特に知事が口酸っぱく言ったこととかあれば。

知事

基本的にはいろんなサイクルを言っていることもありますけども、本当に成果は出るのかということが、それぞれのところの一番のポイントになります。環境部には環境部の政策がありますけども、盛り沢山にやっていますけど、埼玉県全体で見たときにこの盛り沢山で薄まってしまって、どこをやったんだということが言えなくなってしまうのではないか。1歩進んだかもしれないけど、1歩で見えるのか。だったら、ここに集中して100歩のほうが見えるのではないかとか、そういう話なんかもよくします。あるいは少子化対策などについても、どうしてもいろんなことをやりたいというのはよくわかるのですが、例えばインセンティブを与えるのに少額のお金だとか、規模感の小さい件数だとか、本当に成果が出せるのかという話であれば、予算の限界があるのであれば、いくつもやらずに、一番効果の高い所に投資をしたほうがいいのではないかとか、そういうことは基本的によく言います、内容的なものとしては。自分の常の見方というのは、これは県がやったのでこういう成果を出したねというのが見えるというのが非常に大事だと思っております。そういう意味で網羅的に役所の世界は、これは県も国も市町村もそうですが、みんなの顔を立ててやっていきますので、みんなで小さくなっていくんです。だから効果が薄くなっていく。例えば全ての道路をやっていったら、どこも工事中で終わります。だから私が最初に道路建設のポイントは、全体の優先的な3分の1に、3分の2の予算を投じるようにしました。残りの3分の2には、3分の1しかいかないから、従来の6分の1しか予算は入っていません。でも早く完成するほうがいいんです。1つ1つ早く完成させたほうが、どこもここも工事中よりも。こういう基本的な考え方が上田県政の中にあります。これが分かりやすいかもしれません。そういう視点で常に注意をしています。

朝日

今回数値目標を87、大綱のなかで設定されていますけど、それに向かって費用対効果の意義というか、優先順位をちゃんと付けたうえで、施策を盛り込めているということでしょうか。

知事

基本的にはそうです。ただ、出生率だとか非常に社会的条件がいろんな要素があるものは、小さな政策を沢山打ち込まざるを得ない、そういう限界はあります。それから市町村中心のものとか、そういうものはあります。それはやはり目標値の設定とかが、どうしても小幅なものになっていく、これはやむを得ないのかなと思っています。

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 幹事社質問
東京都知事選挙の結果について

毎日

知事も何度も今まで聞かれてらっしゃると思うんですけれども、先日7月31日に東京都知事選投開票がありまして小池百合子さんが新しい知事になられて今日初登庁されていたんで、隣県の知事としてまずこの選挙のご感想をお聞かせいただければと思います。東京都とは九都県市の首脳会議であったり、東京オリンピック・パラリンピック等でいろいろと引き続き連携を深めていかねばならない関係だと思いますが、新しい小池さんへの期待とどのように今後協力関係を築いていかれるかについてもお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いします。

知事

小池百合子さんの都知事選挙の勝利に対して率直におめでとうと祝意を表したいと思います。3期10年の政治生活の中では一緒の党になっていた時もございました。また細川連立内閣、羽田連立内閣のところでは連立与党で一緒に仕事をしていたこともあります。また、いろんなところでお目にかかる機会も多いので、広い意味で「なんか難しいという感じは全くしない。やあやあという感じ。」であります。とにかくいろいろと発想の豊かな方でもありますし、今回の選挙戦一つ見ても、ある意味では発信力だけでも勝利してきたと。ありとあらゆる政党が束になっても勝てなかったと。それだけの発信力を駆使されて勝ち抜いてこられたと。端倪すべからざる能力だということになるかと思いますので、今後期待できる部分もたくさんあります。

1つは九都県市首脳会議という大きな枠組みがあります。もう1つは関東(地方)知事会。とりわけ九都県市首脳会議は全く共通の課題でやっている会議でもありますので、首都圏という枠の中での影響する問題を一緒にやっていきましょうということで、これまでも排ガス規制あるいは環境問題、教育問題等々で成果をあげてきております。こうした問題について、一緒に取り組んでいくことは大変重要だということで御理解いただき、また一緒にやっていけると思っています。

2つ目は東京オリンピック・パラリンピックですが、都市開催というかたちをとっておりますが、これはやはり基本的には日本オリンピックだと思っております。日本全体のものだと思っています。その主たる担い手が東京都、そしてまた組織委員会と。そして開催地である我々、そして日本全体と。加えてもう1つ忘れてならないのは、2度目の東京誘致のときのポイントの1つにしたのは、東日本大震災の復興支援、復興に繋がるためにも、東京オリンピック・パラリンピックをやって、世界の人に応援してもらったけれども、きちんと日本は立ち直りましたよということをお示しするんだというのが大きな約束の一つですので、この部分が最近消えてきておりますので、私はちょっと残念に思っておりますので、やはり東京オリンピックまでに大筋復興支援が終わったと、復旧ができたというような状況を、細かいところは別として、できるようにやるべきだと思っていますので、この部分についても新都知事として御理解賜りたいと思っております。

3つ目ですが、心構えで、非常に報酬を2分の1にして頑張ると。まさに同じような行革でも、埼玉県なんかとは話にならないぐらいでっかい組織でありますので、同じような心構えであれば埼玉県の4倍ぐらいの心構えが必要になってきますので、私は2割カットでスタートしましたけど、まあ8割カットぐらいでスタートしないと難しいぐらいのところかもしれません。まあそれだとなかなか生活できませんから、5割カットでスタートということなのかもしれません。ただ、そういう姿勢が私にありましたので、県にぶら下がっているような、浦和競馬など23億の累積赤字がありましたけれども、今では30億の基金、3億を超える納付金を出しておりますし、日本で一番利益を出しているのが浦和競馬になっておりますし、様々な県の出資法人も大方赤字のものは黒字に転換しましたので、そんなこともあり、いろいろな方々の勧めにより、私は現状に復帰しておりますけれども、もし何かひどい状況がまた一つでも生まれれば自らの心構えとして、まさしく身を削ってがんばるという姿勢を示していきたいと思っておりますので、まさしく小池新都知事の心構えを良しとするという心意気をすごく感じるところです。

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 その他の質問
国の経済対策について

日経

今日政府が新しい経済対策を28兆円規模という決定しますけれども、県内情勢を踏まえて期待されるところと注文つけたいところ、特に記者クラブにいて県の施策をいろいろ拝見していても、中小企業対策というのにかなり力をいれていると思うんですけれども、埼玉県、中小企業非常に地域経済を支えている存在ですが、中小企業対策のところも含めて期待されるところ、注文をつけたいところというのがありましたら考えをお聞かせください。

知事

28.1兆円の緊急経済対策の閣議決定が行われたん(後に「行われる予定」に訂正)ですが、まだ細目を手に入れていないんですね。それこそ日経新聞を読んだ程度です。したがいまして、なかなか御質問に十分答えられるかどうか分かりませんが、基本的にアベノミクスが停滞しているという認識のもとに、またエンジンを吹かすんだという認識で、大きな経済対策をなされた、このスピード感はさすがだなというふうに私は評価したいと思っています。ただ、いいところ取りして恐縮ですけれども、この28.1兆円の項目を見ていくと、国と地方の財政措置が13.5兆円と、うち財投が6兆円という話でありますので、国と地方の直接支出が7.5兆円と。これも補正と当初の部分との合算だと言う部分もありますし、この辺の情報がよく分かりません。いずれにしても、政府系金融機関の融資枠とか民間の支出とかというかたちになっていますので、14.6兆円ということですので、民間がちゃんとやってくれるかどうかいうことをどこにも保障するものは無いし、融資枠はつくったけれども、それに見合うだけの借り入れがあるかどうかとか、それだけの投資があるかというのは別問題なんですね。それも含めて28兆円に入れているのは少し膨らみすぎているんじゃないかというような感はあります。もし埼玉県でそういうふうに言ったら、「何だと、枠を示しているだけじゃないか、中身が見えないぞ」と批判を受ける可能性があります。そんなところが気になるところでありますので、特に地方と国が合わせた部分ということになっていますので、例えば来年度の予算に対して国でこういう組み方をしたいんで、地方でこういう準備をしてくれというようなことはまだ1つも来ているわけではありませんので、今後どういうかたちでくるのか、例えば子育て支援基金というかたちでそれぞれの県に合わせて一定程度のお金が埼玉県で思いっきり使ってくれというかたちでくると、まさに47都道府県の善政競争で、国が見守るかたちで、どこがより効果をあげきれるかを評価してもらう、そういうかたちであれば思い切った使い方ができると思いますが、ただ国の施策に合わせてあなたも負担しろよと、こういうふうなやり方は、例えばさっきの比企川越地区の話と同じように、それぞれ違うので中身が、それに合わせてお前も負担しろと言われても、本当の経済対策になるか、地域対策になるかということについては今後疑問をもってこざるを得ないので、早く細目をお示しいただいて、我々にも少し意見を言わせていただくようなチャンスを与えていただければ、より実効性のある経済対策ができるのではないかと思っていますので、中身は分かり次第、場合によっては、地方6団体などを通じで、申出などを行ったり、そういうかたちをして、使い勝手の良い、実効性のある、対策にできるだけしていただきたいというふうに思っております。

日経

中小企業とか、そのへんとかはどうですか。

知事

中小企業対策に関してもまだ見えていないんですね。埼玉県的には、中小企業が一番必要なところはなかなか経営革新ができないところです。そして利益率の低いかたちでの受注しかできないことです。それだけ元請けの方が厳しい状況ですので、さらに下請けが厳しいということですので、どちらかといえば新しい枠組みを作っていかなくてはいけない、埼玉県がいうところの先端産業とかそういったものをどんどん広げていかないと、旧来の産業の部分の拡大だけを夢見ていても、拡大をするかもしれませんが、利益率がどんどん低くなってます。御案内のとおり交易条件がどんどん悪くなっていますから先進国の、したがってそれだけ利益率が出てこないので、それがどんどん下の方にしわ寄せが出てくるというかたちになっていますので。できればやはりサービス業においては経営革新、製造業においては今まで従来あったものプラス、何かを自分たちで連携しながら作っていくという、この2ポイントが必要だと思います。お金の部分は貸し手が多いぐらいいますので、借りることが可能なんですね、今の時代は。しかも低金利ですので。投資をするだけのものがあるかどうかが全てだと思っていますので、政府においては、そういう機運を、これから間違いなく経済が上昇していくんだというものを作っていただく、それに連動して我々もそれをカバーしていく、そういうかたちになっていくのかなと思います。

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 県内社会福祉施設等の防犯対策について

埼玉

相模原の障害者施設の事件を受けまして防犯強化の流れがあるのかなと思うんですけれども。その中で防犯カメラを設置しようという方法もあるのかなと思うんですが、ただその一方で入所者のプライバシーですとか、地域に開かれた施設づくりに逆行するという声もあって現場では難しい判断を迫られているようですけれども、その点に関して知事はどのようなお考えをお持ちでしょうか。

知事

実は念のために事件の翌日から県の福祉関連の入所施設、全部チェックしました。その上で補強すべきものは何なのかということを今再調査しております。関係の入所施設が県内に県以外で(後に削除)1,077の施設がありまして、まさしく安全性の確認の通知をお願いをして、現在調査をしていただいているところです。8月9日にこの1,077の代表者の皆さんたちと私ども福祉部を中心とした関係者と合同会議をやって、現時点における問題点と課題を整理して、それぞれ取り組むことにしていくと思っています。その中で当然防犯カメラの話も出てくると思っています。設置しているところとしていないところ。設置すべきか、すべきでないかという議論もあると思います。設置したいけど、費用がどうなのかとか、こういったところの課題が出てくると思っています。もちろん防犯カメラだけでなくて、通報装置などは事務所にあっても、いくつか棟が分かれていて、その棟ごとに通報の装置があるかどうかとか、そういうのも確認して、無い場合には今後つける必要が多分あるじゃないかという結論になっていくという可能性が高いと思います。行き届かないですからね。どうしても棟ごとに通報ベルがあれば、警備員あるいは事務所の宿直のメンバーなどがかけつけることが可能にもなりますので、そういうことが必要になってくると思いますが、いずれにしても防犯カメラに関してもすでに設置しているところ、していないところはしていないところなりの考え方があると思いますので、プライバシーの問題だとかそういったことも含めて、いろんな意見を聞いて望ましいかたちを協議して、早急にそれを出して、できるだけ早い時期に論点を整理して、すぐできるものを、例えば結論がでれば1週間以内にできるものとか、2週間以内ぐらいに業者に頼めばすぐできるものとか、それから来年の3月までぐらいに片づけたいねというようなものとか。これはやっぱり予算組が必要だから、来年1年かけてやるべきだねと、そういう約1年半近くかかってやれるものとか、3段階ぐらいに分けて、対策が必要なのかなというふうに、今では私なりに思っています。また福祉部長なんかと、こういう考え方が良いんじゃないのという話をしておるところです。

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(終)

お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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