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掲載日:2021年4月1日

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知事記者会見テキスト版 平成27年12月24日

 録画を見る(約42分)

平成27年12月24日(木曜日)

 知事発表
平成27年 埼玉県10大ニュースについて

平成27年 埼玉県10大ニュースについてのパネル(PDF:468KB)

知事

こんにちは。今年の10大ニュースの方から、皆様にお知らせしたいと思います。私が選んだ埼玉県10大ニュースということでございます。

まず、10番目ですが、行田の田んぼアートがギネスの世界記録に認定されました。まずこれを挙げたいと思います。行田市の「古代蓮の里」の東側に隣接する田んぼに、毎年のように田んぼアートを描いていたわけですが、これがギネスの認定委員までお越しになって、そして、完全にギネスの世界記録に認定されるということが起きました。大変圧巻です。丁度、蓮の池を見るためのタワーがありますが、そこから見ますと、非常にいい風景が見られます。

9番目はムーミンをテーマにしたテーマパークが飯能市に2017年(予定)にオープンすることが決定しました。6月の事件ですが、フィンランド生まれの人気キャラクター・ムーミン谷の仲間たちをモチーフにして、フィンランド以外では世界で初めて、埼玉県飯能市にテーマパークを作るとして、ムーミンワールドが宮沢湖を中心に造られることが決定しましたので、これも埼玉県の見どころの一つになる可能性が高いと思っております。

8番目に、順天堂大学医学部付属病院の誘致が決定いたしました。3月27日に県は順天堂大学の医学部付属病院の整備計画の採用を決定しました。さいたま市内の浦和美園地区に進出するということで、一般病床800床というのは県内最大規模でございます。つまり、(県内)最大(後に「最大級」に修正)の病院ができるということであります。また、大学院医学研究科のほか、看護学部も設置される。そして、構想の中では、県内の医師不足にも対応するため、他病院への医師派遣にも協力関係を作っていこうということを盛り込んでいます。埼玉県にとってもいい話だと思っています。

7番目ですが、大宮アルディージャのJ2優勝と、1年でJ1に昇格するということであります。また、浦和レッズは通算では(優勝を)逃しましたが、ファーストステージでの優勝というかたちをとっています。現在、天皇杯の準々決勝に進んでいるところでございますので頑張っていただいて、正月早々いいお年玉を頂ければと思っているところです。

6番目に、上野東京ラインが開通し、北陸新幹線が金沢まで開業し、県民の足が一層便利になって、また埼玉県の大宮を中心とする交通網の、いわばロケーションの良さというものが、一層高まった年にもなりました。その象徴的なものがこの上野東京ラインであり、大宮から東京までだったら9分短縮、大宮から品川までだったら10分短縮。そして、大宮~金沢間で1時間20分短い2時間で到着と、大変便利になりました。

5番目ですが、第1回さいたま国際マラソン、女子のリオ(オリンピック)の切符を手にすることが可能になるかもしれないと言われている、日本における女子国際マラソンの代表的なものが、埼玉県さいたま市で行われたことであります。しかもここでは、坂戸市出身の吉田香織選手が日本人最高2位で入賞されておられます。現在は市民ランナーということですので、県庁の川内優輝さんと並んで男女とも有力な方は市民ランナーという、こういう珍しいパターンになっております。

4番目ですが、「古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群」が国天然記念物の指定を受ける段取りになりました。まだ指定を受けたわけではありませんが、文部科学大臣に答申が行われましたので、一般的にはこれで指定がされるということで、秩父の辺りが海であったということと、哺乳類などの化石が大変残っているということで、大変有力であります。これまでの秩父の魅力を更に増すものの一つになるのではないかと思われます。

3番目ですが、圏央道の桶川北本ICと白岡菖蒲IC間が供用開始となりましたので、これで完全に県内区間が全線開通しました。これで埼玉県は圏央道を使って東日本のみならず、西日本のエリアも色んなかたちで、特に道路を使った交通網で有利な展開が可能になりました。これまでも企業誘致などで圏央道の果たした役割が大きいところですが、これから益々そうした役割が担えるものだと思っております。

2番目は、熊谷ラグビー場がラグビーワールドカップ2019の試合会場に決定いたしました。ありがたいことに2019年のワールドカップの4年前であります本年に、優勝候補の一つであります南アフリカに日本勢が勝ったということで、一気にラグビーブームが盛り上がり、先般も熊谷ラグビー場にパナソニックのチームが試合に来たところ、1万人からの入場者があって、大変盛り上がったという報告をいただいているところです。「西の花園、東の熊谷」と言われるくらい、高校のラグビー界では聖地としてそれなりの、熊谷ラグビー場は聖地として位置を示していたところでございますが、この2019のワールドカップのために、スケルトンを残して全面改修することで、今後2019年のアジアで初めて開催されるラグビーワールドカップのためにしっかりと準備をして、それ以降も日本を代表するラグビーの会場として、熊谷市がラグビータウンの名に恥じないような展開をしていくように、県としても支援をしていきたいと考えております。

1番目は、ご存じのように、県ゆかりの梶田隆章教授、大村智教授がそれぞれ、ノーベル物理学賞、ノーベル生理学・医学賞を受賞されたことでございます。とりわけ梶田隆章教授は東松山市生まれ、東松山市の中学校卒業、そして川越高校、埼玉大学と生粋の埼玉県人ということで、友人知人も多く、非常に関係者も多く、大変埼玉県全体にノーベル賞に対しての感激というものを多くの者に伝えたり、あるいは改めてノーベル賞の意義、あるいはまた科学技術の意味等々について、埼玉県中にいわばアピールをしていただくことができました。そういう意味でこれからも梶田教授に負けないように、色んなかたちで追っかけていただくようなことをそれぞれ小中高大学などで目指していただけるものだと期待しているところでございます。以上が、私が選びました埼玉県10大ニュースでございました。

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 平成27年 今年の漢字について

知事 

今年の私が感じるところの漢字は、走りの「走(そう)」です。なんで「走(そう)」なんだと、ダジャレではありませんが、まず、世界の先端を走る研究が梶田教授のもとで行われた。こんな風に思って、ノーベル賞を受賞されたことを契機に日本は益々科学技術立国に走り出す必要があるという思いを込めました。

そしてラグビーワールドカップ2019の会場に熊谷市が決定しました。まさにラグビーこそ走る世界でありますが、南アフリカに勝ち、日本勢の強さ「サムライ魂」というものを世界中にアピールできたラグビーの走りを意味します。

そして圏央道が県内全線開通しましたので、各高速道路と直結しまして、まさに自動車の走りによって、県に立地の優位性が格段に高まったという意味を持っております。第1回さいたま国際マラソンの走りもそうであります。
そして、大宮アルディージャや浦和レッズの活躍、このサッカーも走りです。

そして、2025年問題への挑戦もそうです。10年後に一番層の厚い団塊世代が75歳という歳を迎える時がいろいろな意味で医療や介護で不安を持つ人が多くなっておりますが、そうならないような仕掛けというのがどういうものなのか、改めて日本が、世界の先端を走る日本の高齢化社会というのが、世界に示す、高齢化社会を乗り切る。そういうスタートダッシュの走りにしたい。

こういう思いを込めて、私は今年1年を走りで締めくくりをさせていただきました。

読売

今の10大ニュースについて、幹事社から伺いますけれども、今知事が挙げられた10大ニュース。非常に明るいニュースが多かったように思うのですが、県内でも豪雨災害とか熊谷市の連続殺人事件とか色々暗いニュースもありました。また、全国ニュースでも安全保障法制とか結構大きなニュースが多かったのですが、ここに挙げられた以外でそういった暗いニュースとか、硬いニュース、全国ニュースなどで何か印象に残ったものが特にありましたら…。

知事

そうですよね。一番直近では熊谷の事件が大変印象に残った訳であります。めったにないことでありますけれども、色々な条件が重なって不幸な事件になった。しかし、こうした不幸な事件を一つの契機にして住民と市役所と警察署が一体的な関係の中で連絡体制をとるということが、これまであったようで意外に無かったということも明らかになった訳ですから、こうした一体的な関係をしっかり作って、これまでも多大な成果を挙げてきた県警ではありますけれども、これを契機にまさに犯罪抑止力。それはまた犯罪検挙率などについても大きな成果を出していただきたいというふうに思っております。

あと、やはり前の方の暗い話はどんどん忘れていくのですが、日本が災害列島だということを、常総市を中心とする鬼怒川の氾濫で改めて私たちは確認をした訳でございます。災害リスクというのは非常に高いレベルで近年頻繁に起こっていることを改めてしっかり踏まえて、危機管理、あるいは災害対策については念には念を入れてでもやっていかなければならないということを肝に銘じているところでもございます。

たまたま10大ニュースは明るい話題にしております。特に暗いから外したということではありませんが、順番で行くとそうなってしまいました。

朝日

今年1年を振り返ると、知事ご自身の選挙とかもあったかと思うのですけれども、10大ニュースには含まれていなかったですけれども、何か意図的に外したとかそれとも低かったのかというのは…。

知事

まあ自分のことは言いづらいですよね。だから意図的に外しました。はい。

朝日

県議選とかそういう選挙も含めてという。

知事

そうですね。何かやはり後半戦の方のイメージの方が大きくて。それとやはり、より県民が喜ぶ視点というのですか、そっちの方に目線が行ってしまって、自分自身の知事選、あるいは統一地方選挙などについてなかなか思い浮かばなかったですね。

朝日

意図的に外したというのは知事選。

知事

知事選は意図的に外しました。私自身のことなので。

朝日

ご自身的にはもちろん県内ではすごく注目された選挙でもありましたけれども、仮に外さなかった場合は入っていたというような…。

知事

う~ん。そうなるのかもしれませんね。はい。あまり考えなかったもので、もう最初から外すっていう気持ちだったので。入る、入らないとかもあまり考えなかったきらいはあります。ただ、入る可能性は高いでしょうね。

埼玉

この10位まででかなり順位を迷われたようなところはあるのかというのをちょっとお伺いしたいのですけれど。割と1位はもうスムーズに決まったのか、この順位付けのところで…。

知事

う~ん。まあ正直なところ、1位以外は全部迷ったと思ってもいいのではないでしょうか。もうほとんど、そんなに差が無いと思います。

毎日

やはり知事の4選というところを改めて振り返って、どのような思いかというところを教えていただきたいのですけれども…。

知事

そうですね。私自身の政治信条を曲げてでもあえて手を挙げさせていただいたということでございました。この多くの理由は、県内を代表する市長会、町村会、あるいは各種団体の皆さんたちの熱い要望。そして、私自身の政治家としての一つの自負ですね。「私ならできる」という。そういうものと重なって。

しかし、批判があることは当然分かっていますし、場合によっては轟々たる非難の中で、私自身の全ての名誉を失う可能性もあった訳でありましたが、幸いと言うか私自身の考え方とこれまでの実績の評価の中でその4選出馬に絞り込んだような、極めてネガティブなキャンペーンも行われた訳ですが、そうした人たちの主張よりもはるかに私自身に対する期待だとか信頼だとか、そういったものが圧倒的であったということで、私自身はほっとしました。もし、これがギリギリで当選するとか、あるいは圧倒的に負けるというリスクもあった訳ですから。そういう意味では、支持をしていただいた県民の皆様方に大変ありがたく感じていますので、自信を持って県政の運営に取り組んでいきたいと思っています。

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 幹事社質問
1年を振り返っての感想について・18日付けで大阪市長を退任した橋下氏について

読売

2つありまして、続けて言いますけれども、ちょっと今皆さんから質問が出たところにもかなり近いのであれなのですが、今年おそらく最後の記者会見となりましたけれども、県議選とか知事選もありましたけれども、1年を振り返っての感想をお願いします。

ということと、大阪市の橋下徹市長が18日付けで退任し、政界引退も表明されています。大阪都構想とか大きなものは実現しなかったところもあるのですけれども、行政改革にはいくつか着手をして、日本維新の会などを率いて国政にも大きな影響を与えました。知事としては、橋下さんの知事、市長としての任期を振り返って功罪をどう分析するかということと、今後も色々憶測はありますけれども、どのようなことが期待されるかということを教えていただければと思います。

知事

はい。まず1年を振り返ってということであれば、やはり埼玉県民的には梶田教授の生粋の埼玉生まれ育ちのノーベル賞受賞というのは、大変県民に夢と希望と感激を与えたという意味でのすばらしさがあったのかなと思っております。あと幾つか挙げたようなこともあります。

まあ私自身にとっても先ほどもご質問がありましたが、苦渋の決断をさせていただきました。人生の中でもめったにないことだと思っております。知事選に最初に出る時も、私の時には現職の衆議院議員としてもう総選挙が間近だというのに自民党の公認候補もいないという最も日本で恵まれた政治情勢の中に居ても、やはり私を熱心に推す人たちが朝から晩まで詰めかけて、結果的にはその熱情に押されて知事選に出ました。衆議院議員でいる分には、何のリスクも無いのに知事選というリスクを抱えて、その時も出ました。

3期12年で予定通り終われば褒められて、そして円満に卒業ができるのに、あえてそこに棹をさして色んな批判を受けながら結果的に出ることになって、まあ最初の知事選もそうですが、4期目の知事選も考えてみると多くの人たちの熱情にほだされて、自分自身困難な選択をいつもしているなというふうに思っています。

ただ、そういう困難な選択も一つ一つクリアして、いい成果を出してきた自信もあります。県にぶら下がっていたほとんどの出資法人が赤字でしたけど、ほぼ全部黒字にしました。それだけではありません。私は全国の競輪施行者協議会の会長をやっていますが、全国の競輪事業者もみんな赤字でしたけれども、これを全部黒字にしました。そういうふうな運動をしたからです。色んな意味で天下りも廃止しました。そういう一度自分自身が決めたことについては全部やってきたつもりです。色んなかたちで成果も出してきました。やはり、日本の構造的な課題であります少子化と高齢化、そして産業競争力の低下、それに生産性の低さ。この4つが日本の構造的な問題なのですが、まあ国際競争力、産業競争力の弱さというのはどちらかというと国の責任だと思いますが、高齢化社会への対応とか少子化対策に関しては国ばかりに責任を負わせる訳にはいかない。地方での特に20分の1の実験、埼玉県のことは大体日本という国でいうと人口の20分の1ですし、GDPも20分の1ぐらいですので、20分の1の実験という意味でそこそこの成果を出すことで日本の解決のモデルになるということで2025年問題を中心とした課題にこの4年間を少子化対策と高齢化対策に関してはしっかりやって、私自身の政治家としての最後の、ある意味ではけじめをつけたいというか、一つの成果を出したい。こんなふうに思っているところです。

2番目の「橋下市長の功罪をどう分析するか」ということと、「今後の期待を」ということですが、功罪。なかなか辛いですね。「罪」まで付くとですね。プラスマイナスだったら言えるかもしれませんが、罪人にするんですか。ちょっと可哀そうですね。同じような職業でございますのでちょっと可哀そうですけれども。プラスは何と言っても1個の力で、発信力だけで1つの政党を作り、一種の第3極ブームを作ったあのパワフルな動きというのはもう誰にもできない大変なことだと。石原慎太郎といえどもできなかったことをやったという。もちろん「日本維新の会」ということではタッグも組まれたわけですけれども、大変なことだと思いますし、それから府庁改革や市政改革。市庁舎とか県庁舎の内部の行政改革の課題に果敢に取り組んだかたちとその成果というのは、私は正しく評価しています。彼と初めて地域主権戦略会議で委員(後に「構成員」に修正)に一緒になっていろいろな話をしましたけれども、はっきり言いました。「府政改革はまだ全然できていないけれど、府庁改革はすごいですね。府政改革は駄目ですよ。経済が弱いですよ。犯罪が多いですよ。高校生の中途退学なんか最下位ですよ。犯罪も最下位ですよ。経済も最下位ですよ。」データを見せました。「埼玉も実は下から2番目だったんです、この3つとも。でも全部私は上げてきました。もう1年目から上げています。」そういうデータを見せて、3チームが研究に来られました。経済チーム、治安チーム、そして教育チームです。そういう意味で学ぶ力も持っておられる方でございますので、必ずしも府政改革のことについて成果が充分でなかったかもしれませんが、違ったかたちでまた、何らかのかたちでいつの日かまた成果を出されることもあるのではなかろうかと期待をしています。そういう意味で、今後どのように期待するかというのはそういうことも含めて期待したいと思っています。ただ、引退されると言っているのにあんまり期待するなんて言っちゃいけないのかもしれませんので。ただ「政治家としてもったいない」という気持ちは私も含めて多くの方があるのではないかなというふうに自分自身は感じております。以上でしょうか。

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 その他
シリアでのジャーナリストの消息不明について

NHK

フリージャーナリストの安田純平さんの拘束情報の関連について伺いたいと思います。本日も官房長官、外務大臣それから国家公安委員長が言及して政府として対応にあたっていくという姿勢を示されていますが、それに関して3点。

まず1点目は県として現在把握されている事実関係について教えていただきたいのが1点目と、2点目は今後の対応について。2004年の時には対策会議を設けられたと思うのでそういった絡みが1点。最後は県知事としての姿勢というか声明の部分を伺えればと思います。よろしくお願いします。

知事

入間市にお住まいであったという経過がありますので、埼玉県にも関わりの深い方だというふうに思っております。そういう意味で注視はしております。たまたま、お昼のニュースの外務大臣のぶら下がりのコメントだけを聞いておりましたが、それ以外はまだ聞いておりません。けれども外務大臣も情報の掌握について明確なことを言っておられませんし、対処方針についても明確に言っておられなかったように思っております。今の時点では多分に人命とか、そういったことも含めて安田さんのことを考えるとあまりお話はできないのかもしれませんので。それ以上のことはなおさら私どもとしては言い難い状況です。ただ、情報の共有ができるように関係のセクションには今後注視をしていく努力をさせたい、こんなふうに考えております。

NHK

2004年にイラクに4日間拘束された時も上田知事は対策会議を設けられて、それでコメントを発表されていましたが、今回2度目という部分でもありますが、その辺知事として受け止めはいかがでしょうか。

知事

心配ではありますが、今申し上げたように一番情報の集まっている外務大臣ですら、なかなかコメントできない状況ですので、軽々に私がコメントを出来るような状況には今無い。ただ、関係機関からの情報を収集して最小限度の情報共有をできる範囲内でしておきたい、こんなふうに考えております。ご理解ください。

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 被災地支援の今後の方向性等について

埼玉

来年で東日本大震災から5年になりますけれども、知事は知事会の復興協力本部長も務められて、今月上旬には東北視察にも行かれていましたけれども、現地ではどんな意見交換をされて、今後どのようなかたちで復興に向けて、お考えはいかがでしょうか。

知事

正直言って何て言うんでしょうか、現地の知事さんたちは今復興工事などのピークだということで引き続き政府の支援、あるいは知事会全体の特に技術者の支援などについての強い要請がございました。ただ、私個人的にはなぜこんなに遅いんだろうというふうに感じます。もちろん簡単じゃないことは良く分かるんですが、何とかならんのかなというふうに思っています。特に福島県の場合これは去年も一昨年も感じたことですが非常に、放射性物質の検査などが桃1個1個まで全部調査した上で市場に出荷して100パーセント問題が無い状況で出荷をしたりしています。そういう状況でも汚染水などが漏れたりするとあっという間に売れなくなる。こういう状況の繰り返しを何度も何度もやっているということの悲痛な叫びを感じておりましたので、先の政府主催の全国知事会(後に「全国都道府県知事会議」に修正)でも総理に対して私はまさしく汚染水問題の処理に関しては「東京電力に任せないで、政府が中心になってやってください」ということをお願いしました。もう全ての科学者・技術者の知見を結集して、何としてでも汚染水の漏れは止める。そして処理をする。これをやらないと福島県は立ち上がってはコテンパンにされてとやっているうちに、もう立ち上がれなくなると思いますので、これはぜひやっていただきたいと思っています。これは汚染水の処理とは全く関係の無い、いわゆる修学旅行・教育旅行でも半分ぐらいまで回復しておりますが、まさに半分しか回復していない。これも学校関係者では理解ができているところですが、どうしても保護者の関係ではリスクを避けるというんでしょうか、それも汚染水の処理についてのゴタゴタが尾を引いていると思っています。あたかも汚染水イコール空気の汚染、そういうものとごちゃまぜになってしまうという、そんなものだというふうに私は理解しておりますので。特に被災3県に関しては今建設のピークですので、復興のピークですので、引き続きまさにお金の支援とそして技術者の支援、そして福島県に関してだけは汚染水の処理。除染問題は時間との闘いですので、徐々に表土が削られどんどん濃度が低くなっていくというこのプロセスだけははっきりしているわけですから。汚染水の処理をやはり東電任せではなく政府でやっていただきたい。そういう思いを持っております。以上ですね。

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 年金生活者等支援臨時福祉給付金(仮称)について

埼玉

政府の案のことでお伺いしたいんですけれども、低所得な高齢者に3万円を給付するという案を示して、自民党の部会でも了承されたようですけれども、党内でも高齢者優遇という異論があるようですが、知事の高齢者に3万円給付するという、この考えについてのお考えお聞かせいただきたいのですが。

知事

基本的にアベノミクスで何が変わったかというと、株価が上昇して、高揚感が市場関係者を中心に出て、これは良いマインドをつくっていると、これが一点。もう一つは円安を中心にした海外の取引業関係を中心に大企業の大幅な企業収益が出ていること。これは非常にプラスの側面なんですが、非常に雇用の拡大ということで安倍政権の関係者も言われるんです。確かに、100万人とかという雇用が増えたと言っていますが、あれは不正確で122万増えています。178万の非正規雇用者が増えて、56万の正規雇用者が減っているんです。プラスマイナスで122万の非正規が増えている。ご案内のとおり非正規と正規では、給与は2.8倍差があります。これを掛け合わせていくと全体の所得ではあまり変わらないという。

日本の課題は何かというと格差が拡大したまま止まっていないということです。平成元年に預金ゼロも含む金融資産ゼロの人たち、2人以上の世帯ですね、1世帯に2人以上いらっしゃる方々、この金融資産ゼロの人たちが8パーセントだったんです。今30パーセントいるんです。この安倍政権3年間でそれが29、28、27、26になったかというと全然なっていない訳です。そして非正規が相変わらず減らない。この非正規の課題というのは結婚がしにくいとか、またそれが少子化につながるとかいろんな課題がありますので、こうしたものにもっと取り組まないといけないのではないかと思っています。

もちろん低所得の高齢者に3万円のお金が出ることで消費が拡大されるとか、一種の安心感が与えられるとかプラスの面が無いわけではないと思いますが、一般的に言えばばらまきという批判があるように、本筋ではないような気がします。本流ではない、支流だと思っています。やはり本流はこの少子化と高齢化の部分に真正面から取り組むことだと私は思っておりますので。特に3万円の給付は金額そのものは4千億円弱かもしれませんが、事務費に2千億円、3千億円(後に「2百億円」に訂正)かかるのではないかと言われておりますので、そうしたことも考えると手放しで喜べない。経済政策としてもっと有効な方法があるんではないかという議論にある程度賛同を示めさざるを得ない、こんなふうに私自身は思っています。

ただ、経済政策は分かりませんので。何が最大に有効かというのは。ひょっとしたらこれで高齢者が消費に向かって、高齢者の数は多い訳ですからどこかで良い反応が出るのかもしれません。政策は結果論ですから軽々に申し上げることはできませんが。ただ、本筋に向かっていかないと日本の構造改革はできないと思っています。

(終)

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お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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