平成31年、令和元年 > 知事記者会見テキスト版 令和元年8月30日

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掲載日:2022年8月30日

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知事記者会見テキスト版 令和元年8月30日

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令和元年8月30日(金曜日)

知事退任あいさつ

知事

県民の皆さん、改めて埼玉県知事の上田清司でございます。本日30日をもって、私自身の任期が満了いたします。改めてこの間、通算で4期16年、県民の皆様の御支援や御協力によって県政が大いに発展したことに、改めて厚く御礼を申し上げます。とりわけ、私は埼玉県の県政を発展させるには市町村との協働や、関係団体、企業、そして何よりも県民各位の力が必要だということ。俗に言う、民の結集。民間の活力が必要だと訴えてまいりました。いくつか具体的な事例があります。埼玉県は、対人口比で警察官の数が少ないという事実があります。私の任期中に、警察官の数増員で2,300人の増員は、日本で一番増員したのですが、それでも対人口比で一番少ない。この時私は、民間の防犯パトロールに是非力を貸してほしいということで、たくさん作っていただく要請をいたしました。515団体だったものが、6,000(団体)を超えるまでになっています。この数は日本で最大。全国の(約)8分の1は埼玉県に存在する状態ですし、2位の東京都が(約)3,700(団体)ですので、桁外れに埼玉の民間防犯パトロールは強いのです。この結果、全体の犯罪は、3分の1程度になりました。18万件が6万件。でも、民間パトロールの力による、一番効果的だったのは住宅侵入盗。これは、84.3パーセント(後に「82.5パーセント」に訂正)減少しました。まさに、民の力が具体的なかたちで成果を出した事例です。これ以外にも、みどりと川の再生のために、森林サポーターや川の国応援団の皆さんたち。あるいはまた、共助の仕組みのために、福祉ボランティアの皆さんたち。多くの皆さんの力を借りました。また、企業誘致のための様々な情報を金融機関の皆さんや、不動産関係の皆さんからもいただいたり、いろいろなかたちで民の結集をやってまいりました。こうしたことに関して、改めて、埼玉県中の県民の皆さん、そして、いろいろなかたちで関わっていただいた企業・団体の皆様に、お礼を申し上げたいと思っています。また、往々にして、官が経営する様々な企業は多くの場合、赤字になりやすい体質を持っています。事実赤字でありました。でも埼玉は、すべて黒字に転換をさせることができました。大きな事例では、埼玉高速鉄道1,533億円の赤字(後に「借入金」に訂正)を460億円まで減らすことを実現いたしました。3年連続(後に「4年連続」に訂正)、最終損益も黒字になっています。大宮から発進していますニューシャトルも、もうすでに5年前(後に「6年前」に訂正)に累積赤字を解消しました。スーパーアリーナなどは、もう本当に日本一のアリーナとなって、いわば県に対する納付金、いわゆる利益を外した上での納付金も合計金額で83億円までなってきています。日本一(後に「日本有数」に訂正)の観客数を誇り、なおかつ日本一の(後に削除)経常黒字を出す企業体にもなっております。すべからく、こうしたかたちで職員の皆さんたちの力と、外部から招聘した企業経営の管理者の皆さんの力によって、こうした埼玉県の経営力というのが、大幅にアップしております。三つ目に私が強調したいのは、なんと言ってもやはり、県民目線で私たちが仕事をしているかどうか。このことが一番気になっておりました。例えば、県民の皆さんがカウンターに近づいたら、目が合わないようにできるだけ努力をするという、本来は目が合う努力をしなければいけないのに、目が合わない努力をするというような人たちも決して少なくなかったのですが、現在ではまさしく、目を合わせ、何の用なのか、できるだけスピーディーに、しかもより丁寧なサービスが提供できるような、そういう仕組みづくりを皆さんとともに協力して可能になってまいりました。もちろん、100パーセント満足はしていませんが、時々先祖返りする人もいますけども、しっかり、そういう対応ができるようになってまいりました。こうしたことも、まさに埼玉県庁という一丸となって、みんなが取り組んできた一つの形になったのではないかと私自身は大変うれしく、なおかつ誇りに思っています。最後になりますが、こうしたかたちで、とりわけ民の力の結集ということで素晴らしい埼玉県政がつくられていること。今、来年にはオリンピックの4競技、パラリンピックを含めて5競技、そして近くラグビーワールドカップ。9月6日には、開幕戦に先立って、埼玉県熊谷のラグビー場で壮行試合も開催される。こうした熱気。さらに新一万円札が本県の偉人であります渋沢栄一翁がすでに決定していること。あるいは、直近の『翔んで埼玉』のヒットや『陸王』のヒット。いろいろな意味で埼玉県に勢いというものが、いろいろなかたちで出てきていること。こうしたことも、私は県民にとっても、私にとっても、大変誇りに思うところであります。これからも、新知事の下で県政がより大きく発展することを心から念願いたしまして、4期16年の任を終わることにつきまして、重ねて、県民の皆様にお礼を申し上げます。また、こうして定例記者会見を含め、いろいろなかたちで埼玉県のいろいろなこと、良いことも悪いことも含めて発信していただいている記者クラブの皆様にも、併せて御礼を申し上げて、挨拶といたします。ありがとうございました。

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幹事社から質問

日経

知事、8月30日までは知事としての仕事を全うすると繰り返しおっしゃってきましたけれども、今30日を迎えられて、ちょっと率直にどのようなお気持ちか教えていただけますか。

知事

まだあと47日あるという時と比べて、最後の1週間とか最後の2週間は、すごく早かったですね。何か1日が過ぎるのが、早く感じました。何か、取り残したものはないかどうかとか、そんなことが色々気にならないわけではありませんが、比較的自分は骨格だけを追いかけている知事という立場ですので、その骨格のラインは、いい線をいっているのかなと思っています。枝葉の部分で細かく見ていけば、まだまだいっぱいマイナスの部分や、今後是正すべきものがたくさんあると思いますが、大きな流れは、いい線いっているのかなと思っています。

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その他の質問

埼玉

本日で任期満了を迎えられますけれども、知事退任後につきましての考えを、もしあればお聞かせください。

知事

やはり、必要以上に忙しかったのですね。選挙戦でかなり苦戦しましたので、私の実働時間が長くて、それに相当取られたりして、片付け等々の引っ越しの準備等々が遅れて、いろいろな意味で自分を振り返って、今後、どのようにしっかり自分自身の人生のイニシアチブをとるかということについて、遅れがちだなと。そんなふうに、交通整理が十分できていないなと思っています。まず、一気に引っ越しをして片付けて、たまたまいろいろ誘いがあって富山の風の盆の方に伺うことが近々決まっていますし、その足でせっかくですので能登半島までぐらい足を伸ばして、ゆっくりしたいという気持ちを持っているところです。そこらぐらいから少し考えるのかなという感じでしょうか。

埼玉

今おっしゃった、その富山への訪問は、いつを予定されているんですか。

知事

これは、9月に入って間もない時期でございます。別に要警備というわけではありませんが、あまり細かくは勘弁していただきたいと思います。

共同

今日午前中に県議会の各会派を回られている中で、二つあって、一つはまず知事自身が今後もその政治活動をされるというようなお話をされていたかと思うんですけど、そこについては、まずそのとおりなんでしょうか。

知事

そうですね。全く皆さんが、私をおとなしくさせないだろうと。例えば選挙の応援だとか、あるいは選挙の支援だとか、そういったものを含めて、私はやや教育癖もありますので、もともと教師を志望していた人間ですので、比較的手を挙げて、志を持って挑戦をしたい人たちに共鳴しやすい体質なので、そういう人たちに対して力をできるだけ貸したいなと。自分なりの蓄積というものを、多少生意気ですけども伝授というのでしょうか、あるいは参考にしてもらいたいなと思っています。

共同

もう1点がですね、今日、最大会派の自民党さんがですね、どなたも御対応をされなかったというようなことがありましたけれども、そのことに関する受け止めであったり、あるいは今後の新知事に対してはどういうふうにしてほしいだとか、そのあたりのことがあればお願いします。

知事

まず前段から言えば、6月の県議会の終了時に久々にきちっと、これが最後の議会ですので、ということをお伝えしたところ、議会の挨拶回りを終わった直後の挨拶回りは受け止めていただきまして、大人の対応していただきましたので、それはそれで一旦、いわばきちっとした対応をされたのかなと思っております。本日、どなたもいらっしゃらないと聞いておりますが、やはり最高幹部の方々が御都合が悪いというふうに率直に受け止めていきたいと思いますね。

大野新知事に関しては、選挙を終われば一般的にノーサイドだというふうに私は理解しております。ただ、私に関しては、ごくごく一部の方が長かったですね。えらい長かったですね、ノーサイドにしないということに関してね。そう思っています。大野さんにはそういうことはないのではないでしょうか。

朝日

今日、アスポート事業をですね、2回挨拶された中で2度とも取り上げていらっしゃいましたけども、やっぱり事業として一番印象に残っているものっていうのはアスポート事業ということになるんでしょうか。

知事

いっぱいあるんです、一つ一つ振り返っていけば。もう、いきなり金融制度の改革をしまして、(後に「県内金融機関」に訂正)の貸出残高(の伸び率)が2年連続1位になったのですね。やはり中身を見直して、一気に変えれば、それまで37位ぐらいだった埼玉県の貸出残高などが、一気に1位になるというか、できるんですね。いろいろそれぞれに、私なりの理解はあります。ただ例えば、今の制度、金融の改革などは守備範囲が比較的事業意欲をもって戦う人たち。まだそれでも、自分でしっかり立ってる人たちなのです。それに対する支援なので。でも、自分で立つことすらも困難な人たち、この人たちをしっかり支援するというのはもっと政治や行政の重要な役割だと私自身認識しておりますので、まさに生活保護の子供たちの4分の1はまた生活保護になるという。マイナスの連鎖というのはですね、何ともこう、不快感と言うのでしょうか。不条理と言うのですか、人生の中で。こういうものに立ち向かう埼玉県この姿というのは、私は賞賛に値する。またこのアイディアを提供した職員並びにこれを実行してきたメンバーの皆さんに、私は本当に誇りに思うし、立派なことだと思っていますし。また、このこと自体もやはり国会で取り上げられて、国の法律になって、全国でこれをするようになってしまったということも含めて、単純に良いモデルだねということであちこちで真似されてるということではなくて、国の法律としてすべての都道府県市町村でこれをやるべきだという考え方まで進めさせたということでは、1自治体の実験例としては大きいものではないかと私はすごく思っています。

毎日

県政16年の中で、逆にですね、知事が一番失敗したことというか、これはちょっとうまくいかなかったっていうようなことがもしあればお伺いできればと思います。

知事

うまくいかなかったなあというのは正直言って、そういう印象はほとんどありません。一生懸命やっていても批判を受けたり誤解を受けたりする、このこと自体はもう慣れていますので。そのこと自体でいちいち心配したりはしません。ただやはり、一番困難だったのは、東日本大震災、埼玉は軽微なところだったのですけども、それでも例えば計画停電で、病院が電気がない。困ったと。何とかならんかという話とか、雲霞のごとくありましたし。あるいは自家発電するための重油の調達などが困難を極めているとか、やはりあの時期はとにかく安定的な県民生活を送っていただくことに関してすごく気を使いましたし、またいわんや福島県から多くの方々がスーパーアリーナに来られて、うち双葉町の皆さんたちは役場ごと引き受けるというようなことなどがございましたので、あの時はさすがに困難というより、腹を据えてと言うんでしょうか。しっかり受け止めなくてはという、そしてなおかつ落ち着こうという、慌てないでいこうというそういう気持ちを持ってましたね。やはり我々はもうそれでも震度5とかが毎日みたいにあって、皆さん不安に思っていた時なのですが、それ以上に大変だったのはやはり福島県をはじめ、被災地の皆さんたちですから。いくらかましな私たちが支えなければという。これはやはり印象深いというか、困難な時だったかもしれません。今思えば。

毎日

実際16年通い続けたこの県庁を去る、今の実感というかですね、嬉しさであったり悲しさだったりそういうところと、またご家族から今日何かお言葉があったかどうかを聞かせてください。

知事

娘からちょっとメールが入ってました。今日が最後だということで、御苦労様っていう。本当は奥方からもそういう言葉があるのかもしれませんが、引っ越しの準備が遅れていたもので。選挙に追われて。朝からまだそういうことをやっておりましたので、私もやっていましたし、それどころではなかったという感じで、ねぎらいの労はまだ奥方からはありません。ただ、私自身は今日、県職員の中堅幹部の皆さんも含めて、どかどかと各部ごとに来ていただいて、あっ彼がいたな、あの時は彼頑張ったな。彼女はあの時頑張ったなとか、それぞれ思い浮かべながら本当に感謝と言うのでしょうか、ぜひこれからもしっかり、一番大事なことは、知事に仕えるのではなくて、県民に仕えると。この精神を忘れないで頑張っていただきたいなと思っています。とても今日は嬉しいことが多くありました。職員の皆さんたちがどかどかどかどかと次々に入ってきて、短い時間ですが握手を交わすことができたので。本当にありがたかったなと、こちらが感謝したい気持ちですね。

時事

先程一番失敗したことという質問ありましたけども、逆にこないだ10大ニュースということで発表されましたけども、一番思い出に残ってることにつきましてお伺いしたいというのと、もう1点は風の盆はこの間富山の知事会議で石井知事から誘いがあったんでしょうかという2点なんですけど。

知事

後段からいくと、富山出身の支援者のお誘いです。富山の知事さんも仲が良いので、来た時には連絡しろと言われるのですが、どちらかといえば御無理をされるのも分かっていますのでそういうことはしないつもりであります。それから、なかなかこう振り返るとどれが一番というのは、なかなか辛いところです。例えば、東京にオリンピックが決まった時などの当時の猪瀬知事がやったー!なんて飛び上がるような風景などがテレビなんかで出ておりました。そういうものをイメージすればいいのかなというふうになってくると、大体ラグビーワールドカップ開幕戦は東京都、一般的には壮行試合は大阪と言われるのにも関わらず、埼玉でオッケーと。埼玉でできるということが決まったときなどは、やはりやったー!という感じでしょうか。駄目元みたいなつもりで手を挙げて、一生懸命お誘いを、誘致と言うのでしょうか。お誘いして、これが叶ったと。しかもおまけと言うのでしょうか、大おまけって言うのでしょうか、相手が南アフリカ戦なんていう願ってもない好カードなので、これなんか直近では一番嬉しいものの一つでしたね。何かすごい、壮行試合ができるというのも嬉しいのですけども、おまけに相手が南アフリカ戦だなんていうのは本当にこれすごいなと。世紀の第一戦という感じで、やはり埼玉ついてるなというような、そんな気持ちを持ちましたね。もう本当嬉しいことは、小さなこと全部含めて、いっぱいあります。本当に一つ一つが立派な仕事をしていただいた、それぞれのメンバーに感謝したいと思っています。

NHK

4期16年はですね、一言で表現すると、どういったものになるんでしょうか。

知事

それは難しい質問ですね。一言でですねえ…。やはりマインドの変革でしょうか。県庁マインドのね。皆さん言葉ではまさに県民目線とか、そして県民本位とかと言うのは当たり前。県民が主役というのは当たり前ですが、それを徹底できるかどうかということになってくると、できない。できていない。挨拶も碌々しない。どこに県民に向いているのでしょうかと。時給のもっと安いサービス業の人ですら、ニコニコして挨拶するのに、それ以上の時給を取る県庁の職員がすました顔をして、通り過ぎていると。こんなことは許されないということで何度も何度もやりながら、ほぼ、朝はおはようございますが言えるようになりました。当たり前のことなのですけど、でも霞が関に行ってください。誰も言っていませんから。昼間行っても知らん顔していますから。お疲れ様とか御苦労様という言葉をお昼言えなくて、首だけコクンとしてる人もいますけども、そういう色々な部分で、本当に県民に向かってマインドを出してるかどうかということについて、やはりそれは大きく変えたというふうに思っています。

共同

これまでですね、例えば土屋知事時代にですね、スーパーアリーナであったり、埼玉スタジアムのようなちょっと目立つ箱物ができて、ただ一方でそれが県の財政を圧迫するような事態にもなってですね、上田知事になってからは、いわゆる経営感覚というかですね、あるいはその、先ほどおっしゃってた民の力を結集してっていうところでややスタイルが変わったというような見方をもあると思うんですけれども、今後さらにこう埼玉県どうなっていくのかどうなっていってほしいのかっていうところ、そういう大きなビジョンでちょっともし語っていただければと思います。

知事

よく箱物行政なんて言われますが、私が箱物を全然やってないようなイメージも無きにしもあらずですが、しっかり作っているんですね。春日部、あるいは川越に。東西の交流拠点、産業拠点を作って。これは市との共同事業ですけども。なかなか立派なものを作らせていただいております。極めて有効に活用がなされているところです。がんセンターの新築、小児医療センターの移築新築(後に「移転新築」に訂正)と、あるいは循環器・呼吸器病センターの新病棟の建設など、実はそれなりに作っています。いずれも儲からない部門ばかりです。県立病院がやっている病院事業というのは、基本的に利益を総合的に出しきれない困難なところばかりを受けております。事業として利益が出そうな分野は民間の皆さんがやっていただいていますので、そこは競合してはいかんだろうということで、比較的専門分野で非常に困難な分野だけを県立病院は行っています。これはもうあらかじめ一定程度の赤字になることが分かったうえでやっています。一方、スーパーアリーナや、あるいは埼玉高速鉄道、あるいはニューシャトル。営利部門と考えられるものについては、これしっかりやはり利益を出す必要があるというふうに思っています。そういうものを通じて、全体のバランスを取っていく。例えば彩の国芸術劇場で、700席しかないようなホールで、利益を出すなんていうのはなかなか困難です。2000席あたりで利益を出そうと思ったら、綾小路きみまろ師匠がやった方が儲かるんです。でもそれはやらない。まさにシェイクスピアの原作を、現代風にアレンジしたらどうなるのかという、そういう極めて芸術性と娯楽性の高いものを受け止めているということです。それでもフィフティーフィフティー、垂れ流しはしないと。5割はこっちで出資しますけど5割はそっちで稼いでくださいというかたちで一定の枠を決めているとか、そういう枠組みで私はやっています。これからも県政の運営でやはり基本的には行政体というよりも経営体という考え方を持つべきだと思っています。ただし、限界がある事業体だと思っています。困難な部門を引き受けなくてはいけないところですので、これはどっちかと言うと、利益という世界からは、ほど遠いものになる可能性が高いものですね。したがって、そういったところはそこで一定程度、それは認めた上で、しっかり運営して、収益性のあるようなところでは、まあゴルフ場もやってますので。これも収益性がありますので、しっかり稼がせていただいてます。そういう収益性のあるところ、それをカバーしていくようなことをやるべきだと思っています。これはやはりこれからもほとんど収益性のあるところでも自治体経営いうのは赤ですから。今までそうだったわけですから。本当は儲かるはずの浦和競馬だって、ずっと赤字だったわけですから。今はずっと黒字ですから。やはり考え方、マインドで変わると思います。

読売

退任すると少しゆっくりされるのかなという印象があるんですけど、そうは言っても10月に参院選の補選が控えます。出馬する意欲というのはありますでしょうか。

知事

今日まで考えないということを再三再四言っておりますので、そのお答えには今日はちょっと勘弁していただきたいなと思います。じゃあ明日になれば考えるのかというと、当面考えてないと思います。

時事

本日で去られる身だと思うんですけれども、今後の県にとっての課題というのは何だと思いますか。

知事

いくつかあります。間違いなく年代層が上がっていく。少子化ということの趨勢は変わらないと。しかし、2035年から40年ぐらいにこれが落ち着きます。ほとんど落ちつきます。年齢層がほとんど一定化していきます。各層ごとにですね。15歳か、あるいは15歳から64歳まで64歳からそれ以上とか。あるいは75歳からそれ以上とかという層が全部落ち着きます。この落ち着く時を前提に、この急激な変化をしている今をどう、何とかカバーするかと。もう継ぎはぎと思います、基本的には。もう何でもかんでも継ぎはぎもいいところです。障害者自立支援法だって、出来たらもうすぐあっちこっちでほころびが出て、かなりの修正をしました。これからそういう時間軸だと思います。2035年40年まで、継ぎはぎだと思います。例えば、埼玉県で医師不足だと。しかし、医師不足だけども、それをどうカバーするかということに関して。やはりやり繰りをするということに関して、何とかやっているわけです。それは何でそういうことが可能なのかというと、医師会と埼玉県のコントロールタワーがあるから。埼玉県総合医局機構というこのコントロールタワーを通じて、何とかやり繰りしているわけです。本当はやり繰りではなくて、きちっと定めたいわけですけども。今のところは、やはりやりくりなのですね。でも、実はちょうど落ち着く2035年ぐらいには埼玉県の医師も毎年奨学生の枠の部分だけでも400人から出てくるという、こういう制度の枠組みを作っておりますので。かなり落ち着くのですね。そういう今時期における決定的な、これですべて解決しますよ、なんていう答えを持ってるところは、日本政府にもないし、どこにもないと思います。だって、人口形態が極端に変わってきたわけですから。今までと。その極端に変わるときに、制度がそれに追いつかないと。医療制度もそうです。医療保険制度もそうです。年金もそうです。今の年金制度は、男性は、63歳で死ぬことを前提になっているのですから。63歳なんて死にはしないんです。最低でも、80歳ぐらいまで生きられるのですね。すると17年分の年金を誰が払うんですかという話になってしまうのですね。それを支える人たちの数が減ってくるのですねと。では、どうするのですかという。こういう問題というのは、本当は与野党で、しっかり戦わせなくてはいけない、議論をさせていただかなくてはいけないわけですが。何かこの議論をすると、なかなか選挙に厳しいということで、全部先送りしています。これは国の制度です。県の制度の部分では、やはりそうした国の制度も踏まえながら、安心できるような社会をつくるために、継ぎはぎですけれども、いろんなことをやっていかなくてはいけないと思っています。当面やはり医療・福祉・介護、こういった部門で多くの方々が安心できるように。それともう一つは、やはり働く層が減っているわけですから。しかしのりしろがあるのです。そのカギは女性です。女性のパワーが社会の中で還元されると、この困難な課題をほとんど解決します。俗に言うダブルインカムによって、子供たちを。大体ダブルインカムの方々の方が出生率が高いんです。男女ともに収入がある方の方が出生率高いんです。それには近場にお父さんお母さんがいるような福井県とか島根県などでは、非常に子育てがしやすい状況ですけれども。都市型ではそれがしにくいので、まさに子育て支援のための保育の施設、あるいは子育て支援センターみたいなかたちで、やわらかな支援など、そういうものをどんどん用意をしていけば、私はこの困難な時期を乗り越えることができるというふうに思っていますし、また事実北欧諸国などでは、それを可能にしてますので。そういったところをしっかり学んでやるべきだと思っています。

テレ玉

知事は最後の定例会、6月の定例県議会の最後に「最終日だったら自分はうるっとするかもしれないけど、まだ日数が残ってるんだ」というような話をしていたのが印象的だったんですが。県庁も残すところあと1時間半ほどで去ることになると思いますが、知事のご本人の感情的な部分で、今どのような気持ちなのかというのを伺えますでしょうか。

知事

難しい質問ですね。何か目薬でも指してくれば良かったかな。うるっときたことにうるっとするという感じでしょうか。私自身がうるっとするよりは、うるっとした人がいたら、うるってするという感じでしょうか。

テレ玉

先ほど冒頭でもごあいさつ中にもありましたけれども、これが知事として県の県民の皆さんにお伝えする最後の機会だと思いますので、改めてその県民の皆さんにどういったことを伝えたいかというのを一言で構いませんので、メッセージいただけますでしょうか。

知事

かつてはなんかダサイタマなどと言われるような話も無きにしも非ずだったんですが、私はやはり今、県民の皆さんたちは、自信と誇りと余裕を持ちつつあるのではないかというふうに理解しています。それはやはり具体的に、東京オリンピックでは、東京都に次ぐ種目(後に「会場」に訂正)を受けておりますし、また、ラグビーワールドカップの開催、壮行試合の開催。あるいは近年における埼玉を題材にした様々なテレビ・映画などのヒット。そして選ばれる県になりつつあると。企業の本社の直近の10年では入超。いわゆる純増の1位は埼玉県だと。あるいはまた選ばれる街として大宮やさいたま市、駅としての大宮、浦和などかつては30番目40番目ぐらいに位置していたのが、3番手、4番手、8番手、9番手に出てきていること。あるいは、私就任したところの(観光客の)数を覚えておりますが、川越も400万弱ぐらいでしたが、ほぼ倍になっておりますし、秩父エリア(後に削除)もやはり300万ぐらいだったのですが、今はるかに500万以上超えていますし。観光地としても脚光を浴びてきておりますし、加えて最近のフィンランドのムーミンのテーマパークなども飯能で作られる。これは本場以外では、初めてということですので。これも非常に、順調にお客を集めている。いろんな意味で埼玉にいろんな人・モノ・資源などが、集まりつつある。今後角川の所沢の新しいミュージアムも相当関心が持たれる可能性も高い、こんなふうに思いますし。非常に、全体としてこう盛り上がってきている。越谷におけるレイクタウン。あるいはショッピングとしての価値なども全国でも1位・2位を争うぐらいの中身でもありますし。東京の方も、千葉の方も、茨城の方もレイクタウンに買い物に来られるというこういった流れなどをやはり埼玉というのが、直近では人口増加率ですべて物語っているわけですが。沖縄除けば東京に次いで2番目と。神奈川じゃありませんと。あるいは愛知じゃないのですと。いろんな意味で、埼玉県のパワーというのが、あるいは印象というのが、いろんな意味で伝わってきている。こんなふうに私は思っていますので、県民の皆さんとともにこの埼玉のパワーアップ、あるいは魅力度というものをぜひ誇りに感じていただきたいと思いますし、またをぜひ再発見・再確認していただきたいなというふうに、あるいはまだ再も無い人たちもたくさんいらっしゃると思いますので、改めて確認していただきたいなというふうに思いますね。

時事

知事である一方で、最後は知事会長ということで知事会長も今日で自動的にということなんですけども。1年と数ヶ月でやって、知事も、16年ということで、全体マクロで見て日本では地方分権とか地方創生とか、その都度いろんな用語が使われてきたわけですけれども、これからの地方のあり方について少しご意見お願いしたいんですけど。

知事

地方分権推進委員会以来、より地方に権限などが剰余されてきました。一方で小泉改革などでは、地方交付税が大幅にカットされるなど困難な時もございました。全体として地方重視。何よりも、国の担当大臣に地方創生担当大臣がいるぐらいですから。それはそれで国としても地方重視の運営をしていただいてることに大変感謝を申し上げなくてはいけないと思っています。一方で、なかなかこう癖っていうのは直らなくて、本来自立自尊が地方自治の妙技にもかかわらず、いたずらに国に頼るというのでしょうか。制度上そういう枠組みがたくさんあります。まさに国道、河川等々は、国が握っています。それから、社会福祉の分野も国が握っています。現場で少し応用ができるのですけども、根本の部分がなかなかできない。例えば、病床規制ですね。埼玉で病院のベッドの数は決められれば一番いいんですけども、実は厚労省が握っていて離さないので。ある意味では、交渉しなくてはいけないと。やっと交渉して、5年前のいわゆる国勢調査じゃなくて直近の住民基本台帳でOKになった。これだけでも1,500からの病床が増えたわけです。そういう交渉しながら、自立自尊の精神を高めていかなくてはいけないというのが地方自治の妙技なんですけども。どうかすると、地方が国に依存するような制度の枠組みがあるにしても、依存体質を持ってしまったらいけないなと思っています。いわんや国のリーダーの皆さんたちが、国とパイプがなければ、どうにもならんぞなんて言ってね、おどかしてるようではなお悪いなと、そんなふうに思っています。まさに地方自治とは、国がきちっと地方に権限と財源を移譲し、素晴らしい行政やっているところをしっかり褒めたたえながら、他のところにその横展開をさせていくという、そういうことが大事だと思いますが、まさしく最近の骨太方針などでもしっかり、国と地方との協議を踏まえて、埼玉県の事例などが、具体的に名前入りで記述されているというようなことが2年連続で。こういう傾向はやはり埼玉県しっかりとこう戦ってきたことが、国も認めて、埼玉県と同じようなことをやってほしいということを国の経済方針、骨太方針の中にも入れてきている。このことも私はやはり地方自治体が考えていかなくてはいけないことだと思っています。

埼玉

先日の知事選の期間中に青島健太候補の応援演説に入られた柴山文科大臣に対して、大学生が入試改革に反対を唱えてやじを飛ばしたところ、警察から排除されたということがあったみたいなんですけれども。このことに関して、何かお考えはありますか。

知事

ちょっと事実関係を私知らなかったんですが。柴山大臣の演説に対して…

埼玉

演説の途中に入試改革に反対とか、柴山辞めろというようなことを野次を飛ばされたところ、警察官の方から抑えられて、排除されたというか、外にだされた。

知事

別に逮捕はされてないわけね。

埼玉

逮捕はされていないですね。そういう野次の排除に対しては、どう思われますか。

知事

どの程度で、どんな、例えば威嚇行為とか、そういうののレベルですね。全体がわからないので軽々には言えないと思いますけども。例えば、身体に危害を加えるような威嚇行為とか、それに近いようなニュアンスが出てきたら、警察官の考え方として、ブロックをかけるとか、特にSPとかはそれは仕事ですので。そういうことはあるかもしれませんけども。そうじゃなければやり過ぎってことなるけど。いずれにしても私状況が見えないので、コメントしにくいですねこれは。私なんかは野次られたら野次り返しますけれども。「黙れ」とかね。

共同

先ほどの政治活動の関係なんですけど、それはもう継続はされる御意向だっていうこところでよろしいですよね。

知事

それなりに選挙の大家ですのでね。やはりいろんな相談があるので、知らんぷりはできないでしょうね。

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(終)

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知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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